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「~際」と「~とき」の使い分けがはっきりわかりません。
どっちでも良さそうな場面も多いし・・・
どんな違いがあるか、教えてください!
オンライン日本語教師のちゃそです!
「~とき(に)」と「~際(に)」は言いかえられることが多くて悩みます。
どっちを使えばいいか、何が違うのか説明しにくいですよね。
この記事では「~際(に)」を使うときの2つのポイントを解説します。
- フォーマルな場面で使われる
- 「特別な事態に対処する」意味が含まれる
詳しくみましょう!
①フォーマルな場面で使われる
「~際」は、フォーマルな場面で使われることが多いです。
次の例文を、状況を思い浮かべながら読んでください。
(バス車内アナウンスで)お降りの際は、お忘れ物のないよう、お気をつけください。
(ビジネスで)恐れ入りますがお手すきの際にご連絡くださいますよう、お伝えいただけますか。
(ホテルの説明書きで)外出の際は、鍵をフロントにお預けください。
(利用説明で)こちらの会議室をご利用になる際は、受付で必要事項をご記入ください。
(お世話になった先生にお礼を言う)高橋先生には、就職の際にいろいろとお世話になりました。
どんな状況で使われていますか?
ビジネスや公的・フォーマルな場面で使われているね!
例えば家族との会話で
「帰ってくる際に、牛乳買って来て!」と言うと、どうでしょう?
なんか不自然だね・・・?
日常会話では「帰ってくるときに、牛乳買って来て」の方が自然ですよね
②「特別な事態に対処する」意味が含まれる
「~際」は”~(の)とき/~(の)機会に”という意味です。
「~とき」は単に特定の時間・時期を表しますが
「~際」は、ある特別な事柄に面したときの場面や状況というニュアンスを含みます。
なので、日常の普通のことにはあまり使わないのです。
例文を見てみます
・非常[火事・地震]の際に備えて、防災訓練に参加しましょう
・この整理券は、商品受け取りの際、必要です。
・ビザを申請する際、パスポートが必要になります。
日常的なことじゃなくて
- 火事などの非常事態
- ある商品を受け取る
- ビザを申請する
など、特別な事態について話しています。
よくあることじゃなくて、特別な場面で何をするかを話してるんだね!
「特別な事態」について特にわかりやすいのが、慣用表現の「この際」です。
・この際ですから、全て打ち明けます。
・この際、(いい機会だから、)はっきり言わせてもらいますが、私にはもう連絡をしないでください。
「なにかをきっかけとして思いきって決断する」ときに使う慣用表現です
大喧嘩したり、秘密をバラしたりとか、何か特別なことが起こった時に
いい機会だから思い切って言っちゃうわ!って感じですね。
「この際」の「際」は、「とき」と言いかえることができないです
使い分け練習問題
「~際」の特徴
- フォーマルな場面で使われる
- 特別な事態(機会・チャンス・きっかけ)に対処する意味
2つをふまえて、( )の中に「とき」か「際」を選んで入れてみましょう!
練習問題
①手続きの( )に、こちらの書類が必要になります。
②海外旅行の( )は、パスポートを忘れないようお気をつけください。
③友達と会う( )は、いつもそのカフェに行きます。
④講演会の( )、質疑応答の時間が設けられます。
⑤ご飯をたべる( )、手を合わせます。
⑥帰ってくる( )に、スーパーで牛乳を買ってきて。
⑦雨が降っている( )は、傘を持って出かけます。
⑧学生の( )に、よくカラオケに行きました
⑨この( )だから、誰が一番かはっきりさせましょう!
答えは
こたえ
①手続きの(際)に、こちらの書類が必要になります。
②海外旅行の(際)は、パスポートを忘れないようお気をつけください。
③友達と会う(とき)は、いつもそのカフェに行きます。
④講演会の(際)、質疑応答の時間が設けられます。
⑤ご飯をたべる(とき)、手を合わせます。
⑥帰ってくる(とき)に、スーパーで牛乳を買ってきて。
⑦雨が降っている(とき)は、傘を持って出かけます。
⑧学生の(とき)に、よくカラオケに行きました
⑨この(際)だから、誰が一番かはっきりさせましょう!
どうでしたか?
う~ん、なんとなくわかったけど…
でもどっちも使えそうな文がある気がする…
③「友だちに会う(際)は、いつもそのカフェに行きます」って言えないのかな?
確かに、完全に間違いだ!とは言えないですよね。
- 「友だちに会う」ことが特別な事態と考える
- フォーマルな場面で説明している
だとか、背景が考えられます。
②「海外旅行の(とき)は、パスポートを忘れないようお気をつけください。」でも間違いじゃないですよね。
でも、「~際」を使うより
- フォーマルさ
- 「海外旅行」という特別なことに、意識的に対処しようとする気持ち
が薄く感じる気がします。
使う場面や話し手の考えによっては使えそうですよね
間違いではないけど
- ちょっと不自然に感じる
- ニュアンスが少し変わる
このような変化がありそうです。
この辺は私もまだまだ勉強中です。すみませんm(__)m
まとめ:違いは「フォーマルさ」と「事態の特別さ」
「~際(に)」と「~とき(に)」の使い分けについて見てきました。
「~際(に)」は
- フォーマルな場面で使われる
- ある特別な事柄に面したときの場面や状況に対処する
という特徴がありました。
「~とき」と比べて、日常の普通のことにはあまり使いませんでしたね。
置き換えられる場合が多いのでちょっと混乱しそうですが、場面やニュアンスの違いを覚えておくとよさそうです!
2つのポイントを知っておくと、使い分けを判断ときの材料になると思います!
私もまだまだ勉強中なので、一緒に使い分けがんばっていきましょう!
今回調べるのに使った本はこちら
・類義語使い分け辞典(p348)
・日本語文型辞典 (旧バーションp126)
・中上級を教える人のための日本語文法ハンドブック(p453)
・生きた例文で学ぶ日本語表現文型辞典 (p101)
・中級日本語文法と教え方のポイント (p275-280)