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オンライン日本語教師のちゃそです🏐
大好きな『ハイキュー!!』のセリフから日本語の表現を学ぶシリーズです!
今回は「〜ただでさえ〜」という表現を取り上げます。
「ただでさえ~」は、「普通の場合でも〜なのに(だから)、さらに…!」というように
状況の大変さや気持ちの重さを強調したいときに使われる言い方です。
では、この表現は会話の中で、どんな場面で使われるのでしょうか?
どんな気持ちが込められているのでしょう?
この記事では、「ただでさえ」の意味と使い方を説明しながら
実際にマンガ『ハイキュー!!』の中で、どのように使われているのかを見ていきます!

今回は縁下先輩のセリフからです✨
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「ただでさえ~」の意味と使い方
「ただでさえ」は、「普通の場合でも〜なのに/だから、さらに…」という意味で使われる表現です。
すでにある状態に、何かが加わることで、負担・困難・感情の強さを伝えることができます。
例文を見てみます
- ただでさえ忙しいのに、急な会議が入ってきて死にそうだ。
- → 普通の場合も忙しい状態に、さらに負担が増えて、大変さが表れている
- ただでさえ人が少ないから、急に休まれると本当に困る。
- → 普段から人が足りなくてギリギリの状態に、さらに休みで人がいないともっと負担が重なることを伝えている
さらに大変になる、困る、のようなマイナスな表現が多いですが、プラスの方向に使われることもあります。
驚きや予想外の良さを伝えたいときに、“プラスの重なり”として使われることもあります。
- ただでさえ安いお店なのに、割引券まで使えて500円引きになるなんて最高!
- → ラッキー感・驚きのニュアンスがある
こうしたプラスの使い方でも、「まさかそこまで!?」という意外性や感情の高まりが含まれているのが特徴です。
ハイキューで学ぶ「ただでさえ~」
では、実際のマンガの場面を見てみましょう!
引用:『ハイキュー!!』第8巻 第64話 流れを変える一本・2(古舘春一/集英社)
今回取り上げるのは、山口が試合で初めてサーブに立つ場面。
しかも任されたのは、ピンチサーバーという重要な役割です。
山口はこのとき、ジャンプフローターサーブを練習し始めてまだ1週間。
さらに、このサーブを落とせば青葉城西が20点台に乗ってしまうという状況。
成功すれば“マグレ当たり”、失敗すれば試合の流れが一気に相手側へ――
それほどのプレッシャーの中にいます。

すでに十分すぎるほどの緊張状態だね…!
そんな空気の中で、2年生の縁下が3年生の菅原に、こうつぶやきます。
縁下:「だ…大丈夫ですかね…ただでさえ緊張する場面で 2・3年差し置いて出る…みたいなプレッシャーもあるんじゃ――」
「ただでさえ」が伝えるもの
公式戦初出場の緊張・サーブの不安定さ・勝敗がかかった場面という要素が重なっています。
そこにさらに、「自分より上手い2・3年生を差し置いて試合に出てしまう」というプレッシャー。
この「ただでさえ」は、もともとある“極度の緊張”に、さらに負荷が重なっていることを伝えています。
「ただでさえ緊張するのに、さらに…」という構造で、山口の立場がどれほど大変なのかを表しています。

それに気づく縁下先輩!さすがです!
烏野の先輩たちのやさしさ
この場面がすてきなのは、その“やばすぎる緊張”を先輩たちがちゃんと察しているところ。
次の場面では、烏野の先輩たちがふざけたようなポーズで「一本ナイッサーブ!!」と声をかけています。
わざとおもしろく、山口の緊張をやわらげようとする姿が描かれています。
引用:『ハイキュー!!』第8巻 第64話 流れを変える一本・2(古舘春一/集英社)
ただでさえ、日向・影山・月島の1年生3人にレギュラーを奪われている先輩たち。
後輩をうらやみ妬むわけでもなく、言葉の裏にある空気や感情を理解して、自然にフォローできる。
そんな烏野の先輩たちのあたたかさも、「ただでさえ」から繋がるセリフから伝わってきます。

烏野はすごい1年はもちろんだけど、先輩にも恵まれたチームだよね!
まとめ:「ただでさえ~」に続く、後輩への励ましに感動!
「ただでさえ」は、“普通の場合でもそうなのに、さらに…”という気持ちを込めて、状況の大変さや感情の高まりを強く印象づける表現です。
『ハイキュー!!』の中でこの言葉が登場する場面では、山口の立場やプレッシャーがどれほど大きかったのかが一言で伝わります。
そしてその状況を、先輩たちがちゃんと理解し、支えてくれている。
そんなチームの空気感ごと、このセリフには詰まっているのかもしれません。
文法のルールだけではなく、感情と一緒にことばを読むことで、表現の深さがもっと見えてくる――
この記事がそんなきっかけになればうれしいです!
最後まで読んでくれてありがとうございます!
この記事が楽しく日本語を学ぶきっかけになればうれしいです。
感想やお気に入りのシーンがあれば、ぜひコメント欄で教えてくださいね!
この記事を書くために使ったもの紹介
引用元について
本記事で使用している画像・セリフは著作権法第32条に基づき、教育・批評を目的として引用しています。
- 作品名:『ハイキュー!!』
- 著者:古舘春一
- 出版社:集英社
- 引用巻数・話数:第8巻 第64話 流れを変える一本・2