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伝聞表現の「そうだ」の使い方と他の表現の違いがはっきりわかりません。
似ている表現との使い分けも合わせて教えてください!
オンライン日本語教師のちゃそです。
そうだ・ようだ・らしい・みたいだ・・・など、使い分けがわかりにくい文型ってありますよね。
今回は、伝聞の表現「そうだ」に絞って使い方と使い分けを解説します。
- 「そうだ」の意味と使い方
- 「らしい」との使い分け
- 「~と言っていた」「~とのことだ」との使い分け
まず、伝聞の「そうだ」と「らしい」の意味はほぼ同じです。
違いは”情報源の明確さ”です。
「らしい」の方が「そうだ」に比べ情報源が不明確な場合によく使われます。
噂話なんかに使われてるよね!
それぞれの使い方を含めて解説していきます!
※この記事ではシンプルに伝聞の用法のみ話しています。
「おいしそう」や「雨がふりそうだ」の様態については取り上げていません。
ではいきましょう!
伝聞の表現「そうだ」
例文から見ましょう。
・駅前に新しいカフェができたそうですよ。今度行ってみませんか?
・新聞によると昨日の雪で新幹線が遅れるそうです。
- 接続
- 動詞・形容詞・名詞の普通形に接続
- 意味・用法
- どこかで聞いたり、何かで読んだりした内容を伝えています。
伝えるときに話し手は自分の”早く伝えたい”とか、”価値がある情報だ”という気持ちをふくんでいます。
「~によると」「~の話では」「~から聞いたんだけど」などがいっしょに用いられることが多いです。
ただ聞いたり見たりしたことを伝えるんじゃなくて、話す人の気持ちが含まれているんだね!
伝聞の表現「らしい」
これも例文から見ましょう。
・田中さんは来週神戸に引っ越すらしいです。
・山田さん、どうやら会社を辞めるらしいよ。
伝聞表現の「そうだ」と「らしい」はほぼ同じ意味です。
ですが、「~らしい」は”状況からの判断”を表す場合と、”伝聞”を表す場合の両方にまたがった表現です。
“状況からの判断”を表す表現とは、下のような文です。
例:王さんは咳をしている。風邪を引いているらしい。
これは、「ようだ・みたいだ」とほぼ同じ意味です。
(この表現については、別記事でまとめる予定です)
伝聞「そうだ」と「らしい」の違いは情報源と関心度
伝聞表現の「そうだ」と「らしい」の意味は、ほぼ同じですが
- 「そうだ」は情報源がはっきりしている場合に使われるようなことが多い
- 「らしい」は噂などの情報源が不明確な場合によく使われる傾向がある
- 「らしい」はちょっと、人ごとのような感じがある
という違いがあります。
・本人に聞いたんですが、田中さんは来月神戸へ引っ越すそうですよ。
・噂によると、田中さんは来月神戸へ引っ越すらしいですよ。
「らしい」は情報源がはっきりしてないから、噂なんかでよく使われるんだね!
だから責任を持って発言する場所(医者の診断、論文など)には不適切になることがあります。
なんか「らしい」って、ちょっと関西弁の「知らんけど」みたいな感じするかも!
確かに・・・「田中さん、来月引っ越すらしいで!知らんけど(‘ω’)ノ」
迷いやすい表現の比較
伝聞「そうだ」は「らしい」のほかにも似ている表現があります。
というか、私が実際にどう説明すればいいか迷った
- ~と言っていました
- ~とのことです
の2つの表現との違いについて紹介します!
〇「そうだ」VS「~と言っていた」
「そうだ」はどこかで聞いたり、何かで読んだりした内容を伝えていますよね。
「~と言っていました」は<誰に聞いたか>が明確なんです。
①駅前に新しくできたカフェ、おいしいそうですよ。
②駅前に新しくできたカフェ、田中さんがおいしいって言ってました!
①は情報源が友だちかもしれないし、ネットやテレビで見たのかもしれないですよね。
②は「田中さん」から聞いたってわかっていますね。
確かに、「駅前のカフェ、おいしいって言ってました!」って言われたら
「誰が?」って聞き返したくなっちゃう。
〇「そうだ」VS「~とのことだ」
「そうだ」は、話し手の何らかの気持ちが含まれていると話しましたよね。
「~とのことだ」は話し手が客観的に事実を伝える表現です。
聞いた話を話し手の気持ちを込めることなく、事実だけを伝えています。
少し硬めの表現で、ビジネスやニュースでよく使われます。
ニュースやビジネスの伝言・報告でよく聞きますよね
ただ伝えるか、伝える際に気持ちがこもっているか、の差があるんだね!
問題を解いてみよう!
( )の中に【~そうだ ~らしい ~と言っていた ~とのことだ】のどれが入りますか?
適切な形にして入れてみてください。(使えるのは、各1回だけです)
問題
(会社で)
A:聞きましたか?さっき田中さんから聞いたんですけど、高橋さん、仕事を辞める(①)ですよ。
B:え、本当ですか?なんでですか?
A:私もよく知らないんですけど、なんか、部長ともめた(②)ですよ…。
B:え~。そうえば前に、小山さんも、部長と口論になったことがある(③)…。
A:うちの部は、部長に問題があるみたいですね・・・
C:こらこらあなたたち、おしゃべりもいいけど、手も動かしてね。
AB:すみません課長~
C:ところで、✖〇商事の件はどうなった?
A:先ほどお電話がありました。工場でトラブルがあり、納品が予定より2日ほど遅れる(④)です。
C:わかった。ありがとう。
どうでしたか?
なんか、どれも入りそうな気もするけど・・・
こんな風に考えられます↓
①は「田中さんから聞いた」情報源がハッキリしているので(そう)
②は「よく知らないんですけど」があるので情報源が曖昧で(らしい)
③は「小山さんが」言っていた、とれば(と言っていました)
④はビジネスの場面なので(~とのこと)かな?
でも正直①と②なんて、「そう」でも「らしい」でもいけそうですよね。
結局は、状況/話す人の「気持ち」や「考え方」でどちらを使うかが変わりそうだね
ところでみなさんは、日常会話で伝聞「~そうだ」を使いますか?
私はほとんど使わないんです。
テレビのナレーションで聞くとか、ちょっと丁寧に話そうとするときとかは使いますが
友人や家族と話すときは、やっぱり「~らしい」とか「~って言ってた」を使うと思います。
そう考えると、「らしい」は事実かどうかわからない情報だからどこか人ごとっぽい感じはするけど、
【関心度が低い】とは言えない気がしますね!
まとめ:伝聞「そうだ」と「らしい」の違いは情報源の明確さ
伝聞の「そうだ」と、その使い分けについて説明しました。
「そうだ」はどこかで聞いたり、何かで読んだりした内容を伝えています。
話し手は自分の(早く伝えたいとか、価値がある情報だという)気持ちがあります。
伝聞の「らしい」もほぼ意味は同じです。
違いは
- 「そうだ」は情報源がはっきりしている
- 「らしい」は噂などの情報源が不明確な感じ
でした。
だから、「らしい」は噂などに使われやすいです。
「そうだ」は「らしい」に比べて、幅広く使えます。
ですが、日常のフランクな会話では「そうだ」が必ず情報源をはっきりと伝えるわけじゃないですよね。
「らしい」も情報源が必ずしもぼんやりしているとは言えないですよね。
「そうだ」も「らしい」も意味的にはほぼ同じです。
結局は話す人の「気持ち」や「考え方」、どんな「状況」かでどちらを使うかが変わります。
私は家族や友人との会話で、ほぼほぼ「そうだ」は使っていないです
このような違いを知っておけば、もっと気持ちが伝わりやすくなりそうですね!
調べるのに使ったもの↓