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『眺め』と『景色』って、どう違うんですか?どっちも “見えるもの” のことだと思うけど…
でも、「紅葉の景色」は自然だけど、「紅葉の眺め」はちょっと変な感じがするし…。
教えてください~!
オンライン日本語教師のちゃそです!
先日、授業中に「景色」と「眺め」は何が違いますか?と質問されてドキっとしてしまいました。
この記事では「景色」と「眺め」の違いを、それぞれの意味や例文を使って解説していきます!

生徒さんに聞かれたときに、すぐ答えられるように一緒に準備しましょう!
授業中に突然「景色」と「眺め」の違いについてドキッとした!なんとか答えられたけど調べ直したので貼る pic.twitter.com/3K7CnWkezY
— ちゃそ@オンライン日本語教師 (@chaso_japanese) July 23, 2025
「景色」と「眺め」の違い

景色: 戸外の広い自然で客観的に 鑑賞の対象になりうるもの。 対象が中心 。
眺め:戸外 にある主観的に見る価値のありそうなもの。 見る人の意識が中心。
引用:類義語使い分け辞典p315
「景色」と「眺め」は、どちらも“目で見えるもの”について使いますが、何に注目しているかが違います。
「景色」は、見えている自然や場所そのものに注目している言葉です。
たとえば、山・海・空・紅葉など、見る対象そのものが主役です。
一方「眺め」は、それを見ている人の目線や気持ちが中心です。
「どこから見るか」「どんなふうに感じているか」が大事で、同じ場所でもその時・その人によって印象が変わることがあります。
チェックポイント
「景色」は“見えるものが主役”
「眺め」は“見る人の視点や意識が主役”
「景色」とは?
外に広がる自然のようすを、見て楽しむ言葉。
見えるもの(対象)が中心です。
郡上八幡の夏景色が美しい。 pic.twitter.com/rjivjKaRC5
— Kanata (@asagi_photo0921) July 16, 2025

特に、「きれい」「美しい」「感動する」といった見て楽しむ対象になるものです
たとえば
- 富士山の景色はどの季節でも素晴らしいです
- この庭の夕暮れの景色は最高です
- 湖のほとりで景色を楽しんだ
「景色」は、「山」「川」「海」など自然の広がりそのものを“見る人とは関係なく”、客観的に美しいものとして見ることばです。
つまり「景色がいい」と言えば、「その場所にある自然や街並みそのものが美しい」という意味になります。

「景色」は、見えるものそのものが中心なんだね!

鑑賞の対象になりうるものに「景色」と使えます
「眺め」とは?
外のようすを、見る人の気持ちや目線からとらえた言葉。見る人の意識が中心です。
「眺め」は、「眺める」という動詞からできた言葉です。
【眺める】
①そのものに気持ちをすいよせられたようにじっと見る。
②遠くのものを、ゆったりとみる。引用:「例解新国語辞典」
つまり、「何が見えるか」だけでなく、見る人がどこにいて・どんなふうに見ているかが大事になります。
たとえば
- このホテルの窓からの眺めが気に入っています
- 富士山頂からの眺めは最高だ
- 晴れの日はこの窓からの眺めが気持ちいいけど、雨の日はちょっとさびしく感じる。
同じ場所でも、時間や天気、自分の気分によって眺めの印象は変わります。

見る人の視点・感覚が中心の言葉なんだね
「眺め」は、「自分がそこに立って見ている」視点や気持ちが入る表現です。
つまり「眺めがいい」と言えば、「今ここから見ているこの光景が、気持ちよく感じられる」という“見ている自分”の感覚が中心です。
入れかえはOK?
「景色」と「眺め」は、どちらも「見えるようす」を表す言葉ですが、すべての場面で入れかえて使えるわけではありません。
特に注意したいのが、動詞との組み合わせと、使う文の文脈(状況)です。
〇「景色を見る」
✖「眺めを見る」
「景色を見る」は自然な言い方です。
→ 「景色」は見えるものそのものなので、「見る」といっしょに使えます。
「眺めを見る」は不自然です。
→ 「眺め」はもともと「見る」という意味をふくんでいる言葉なので、「見る」とセットにすると意味が重なってしまいます。
そのかわりに
- 「眺めを楽しむ」
- 「眺めに感動する」
- 「眺めがいい/悪い」
といった表現が自然です。

「眺め」自体に「見る」という意味が入ってるから、「眺め+感想」が使いやすいんだね。
さらに、「眺め」を使うときは「どこから見たのか」「どう見えたのか」という情報がいっしょにあると、より自然な表現になります。
たとえb
- 「山の上からの眺めがすばらしい」
- 「この窓からの眺めが落ち着く」
このように、「眺め」は見る人の場所や視点が大事な言葉なので、そうした文脈を入れると、より伝わりやすくなります。
チェックポイント
「景色」は鑑賞の対象そのものなので、「見る・眺める」などの動作といっしょに使える。
「眺め」は見る人の気持ちや視点が中心で、気持ちや印象をあらわす言葉と合わせるのが自然。
まとめ:「何を見るか」と「どう見るか」
「景色」は、山や海など、見える自然のようすです。
「眺め」は、そこから見えるようすや、それを見ている人の気持ちが大事な言葉です。

- 富士山の景色がすばらしい(=対象が中心)
- この部屋からの眺めが落ち着く(=見る人の気持ちが中心)
このような例文、そして言葉だけではわかりにくいので絵を使って少しずつ理解を深めていけるといいなと思います。
最後まで読んでくれてありがとうございます!
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