「さえ」と「すら」の違いは?使い分けのコツを例文で解説

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「さえ」と「すら」の違いは?使い分けのコツを例文で解説
お悩みちゃん
お悩みちゃん

「さえ」と「すら」っていつでも置き換えられるのかな?何が違うんだろう…?

オンライン日本語教師のちゃそです!


「さえ」と「すら」は意味が似ていて、置き換えられることも多いですよね。

でも、「〜さえ…ば」や「ただでさえ」は「すら」で置き換えると違和感を覚えるものも。

この記事では、置き換え可能な場合と不可能な場合に分けて、例文とハイキューのセリフを使いながら整理します🏐




「さえ」と「すら」はどう違う?

「さえ」と「すら」は、どちらも取り立て助詞(副助詞)です。

極端な例・意外なものを強調するときに使われます。


「すら」の方がやや書き言葉・硬めの印象を持たれやすく、「さえ」の方が日常会話で表れやすいと言われています。

ちゃそ
ちゃそ

とはいえ、私は日常会話でも「すら」をよく使います

置き換えられる場合、意味はほぼ同じです。


使える文型に違いがあるため、置き換えができる場面・できない場面があります。


 置き換え可能:極限を表す使い方

例文を見てみましょう

「水すら飲ませてもらえなかった」

「水さえ飲ませてもらえなかった」

どちらも「水」という最低限のものも、もらうことができなかったという意味ですね。

「水」はもちろん、それ以上のもの、例えばジュースやお茶、お酒ももらえなかったという含みがあります。

お悩みくん
お悩みくん

「意外」な気持ちがあるよね

「すら」は、軽く見る気持ちが強いので、「こんなことも~ない」と、驚きやあきれた気持ちが強く表れるとも言われています。

ちゃそ
ちゃそ

ただ、意味に大きな違いはなさそうですね


ではここで、ハイキューのアニメと漫画のシーンを紹介します。

インターハイ予選で、伊達工と戦う東峰のセリフです。

引用:『ハイキュー!!』第6巻 第46話 ”背中の護り”(古舘春一/集英社)

引用:アニメ『ハイキュー!!』season1 第18話 ”背中の護り”(「ハイキュー!!」製作委員会 ©古舘春一/集英社)

漫画とアニメ、同じシーンなんですが、セリフが少し変更されています。

漫画:「ラストの1点すら決め切れずに 何が“エース”だ!!」

アニメ:「ラスト1本さえ決められずに 何がエースだ」

若干の言葉選びのニュアンス差はありますが、ほぼ同じ意味ですよね。

お悩みちゃん
お悩みちゃん

まさに、「置き換え可能」な例だね!

「~でさえ」「~ですら」についてはこちら↓




置き換え不可①:「〜さえ…ば」「〜さえ〜たら」

「〜さえ…ば」の“最低限の条件”を表す形は、置き換えができません。

漫画で見てみましょう


インターハイ予選、青葉城西と戦う烏野。

及川のサーブのすごさを理解している日向は、サーブを止めれば勝機はあると考えます。

引用:『ハイキュー!!』第5巻 第48話 ”指揮者”(古舘春一/集英社)

日向:「あのサーブさえなんとかすれ…!」

この「さえ」を「すら」に置き換えてみるとどうでしょうか?

✖「あのサーブすらなんとかすれば…」

お悩みちゃん
お悩みちゃん

うーん、変だね!


もう一つ見てみましょう。

同じくインターハイ予選。

烏野のムードメーカーである田中をつぶすため、及川にサーブで狙われている場面。

烏養監督は田中にアドバイスします。

引用:『ハイキュー!!』第6巻 第52話 エースの資質(古舘春一/集英社)

烏養:「セッターに返らなくても 上に上げさえすれ どうとでもカバーできる」

サーブで飛んできたボールを上に上げる。

コントロールはできなくても、上に上げるだけ。それができれば、カバーできる。

このような“最低限の条件”の「~さえ…ば」は、「すら」に置き換えることができません。

お悩みくん
お悩みくん

「上に上げすらすれば…」は、おかしいね!

「~さえ…ば」について、詳しくはこちら↓



置き換え不可②:「ただでさえ」慣用表現

「ただでさえ」のような、その形で使う慣用的な表現では置き換えができません。

引用:『ハイキュー!!』第8巻 第64話 流れを変える一本・2(古舘春一/集英社)

縁の下:「ただでさえ緊張する場面で 2・3年生差し置いて出る…みたいなプレッシャーもあるんじゃ」



「ただですら」と言いたくなる場面もあるかもしれませんが…少し不自然に感じられますね。

お悩みちゃん
お悩みちゃん

Xで「ただですら」を調べてみたけど1件ぐらいしか見当たらなかった!

「ただでさえ~」の詳しい使い方はこちら↓



まとめ:置き換えできない場合をおさえよう

取り立て助詞「さえ」と「すら」の違いについてお話しました。

  • 「さえ」「すら」は、極限・意外性の表現では置き換え可能
  • 「〜さえ…ば」や「ただでさえ」のような構文では置き換え不可


歴史的には「すら」の方が古く、「さえ」は後から登場した語だそうです。

機能の違いはその影響もあるかもしれませんが、現代語では用法で判断するのが確実です。



最後まで読んでくれてありがとうございます!

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引用元について

本記事で使用している画像・セリフは著作権法第32条に基づき、教育・批評を目的として引用しています。

  • 作品名:『ハイキュー!!』
  • 著者:古舘春一
  • 出版社:集英社
  • 引用巻数・話数:第5巻 第6巻 第8巻

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