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オンライン日本語教師のちゃそです🏐
今回は、アニメ「ハイキュー!!」で私が一番好きなシーンの一つ、インターハイ予選・青葉城西戦での菅原と影山の交代シーンについて語りたいと思います!
インターハイ予選、青葉城西vs烏野高校。
菅原と交代でコートに戻る影山に、声をかけます。
引用:『ハイキュー!!』第7巻 第57話 “ブレイク”(古舘春一/集英社)
「勝てよ」
そう言いかけて、菅原さんは言い直します。
「勝つぞ」
たった3文字の違い。でもこの一言に、多くのハイキューファンが心を震わせました。
実はこのニュアンスの違い、下の記事によると英語版では「Let’s win」→「Let’s win this thing」と訳されていて、ほとんど同じ意味になってしまい、海外のファンには伝わりづらかったそうです…。

ここ重要なのにいい!(´;ω;`)
いつかハイキューファンの外国人に質問された時のために(!?)
今日は、この「勝てよ」から「勝つぞ」への言い換えに込められた意味を、日本語の文法的な観点から解説していきます!
「勝てよ」と「勝つぞ」の違い
参照:©古舘春一/集英社・「ハイキュー!!」製作委員会・MBS
「勝てよ」は影山に勝利をたくすような意味になります。
「勝つぞ」は一緒に戦って勝つことを意志表明しています。
詳しくみましょう。
「勝てよ」:命令形+終助詞「よ」
構造: 「勝つ」の命令形「勝て」+ 終助詞「よ」
今回の使い方:
命令形に、聞き手の知らないことに注意を向けさせる「よ」がついている形です。
上昇調「勝てよ↑」で発音されています。
この場合、やわらかい励ましの意味になります。

「勝てよ↓」と下降調になると、非難するような意味になるので注意です
勝つことを影山に託している感じです。

菅原さんは、試合の行方を外側から応援する感じだね?
「勝つぞ」:「勝つ」+終助詞「ぞ」
構造: 辞書形「勝つ」+ 終助詞「ぞ」
終助詞「ぞ」の基本機能:話し手の強い意志・決意を表す。
今回の使い方:
「ぞ」は聞き手(話す相手)がいてもいなくてもいいです。

気合を入れるときに「今年は絶対に東大に合格するぞ!」って決意表明する時とかね
今回は聞き手(影山)に向けて使っています。
そうすると、聞き手の行為を促すことになります。
「勝つぞ」と菅原自身の強い意志を表しつつ、影山にも一緒に「勝つ」ことを促しています。

菅原さんも、コートにいるみんなと一緒に戦う仲間として、チームの内側にいる感じだね!
チェックポイント
「勝てよ」:影山に勝利を託す言葉。菅原さんは外側から応援する立場です。
「勝つぞ」:みんなで勝つという言葉。菅原さんも一緒に戦う仲間として内側にいます。
シーンの背景:菅原さんの葛藤と成長
では、なぜ菅原さんはこの言葉を言い換えたのでしょうか。
それは、正セッターじゃなくても、自分も烏野の大切な仲間として、みんなと一緒に戦っているんだと気づいたからです。

す、すがさーん!!!そんなの当たり前なのにー!
天才に奪われた座と、取り戻した自信
「天才1年にレギュラーを譲った可哀想な3年生」
周りから見れば、そう見えるでしょう。
菅原は烏野高校バレー部の3年生セッター。
しかし天才1年生・影山に正セッターの座を奪われてしまいました。
もちろん悔しさもあるけど、以前、菅原はこう言っていました。
引用:『ハイキュー!!』第3巻 第19話 本音(古舘春一/集英社)
「俺のトスで、またスパイカーが何度もブロックに捕まるのが怖くて」
「圧倒的な実力の影山の陰に隠れて…安心してたんだ」
でもこの青城戦で、菅原は影山に代わってコートに入り、確かにチームの流れを変えました。
正セッターじゃなくても、自分にできることがある。
自分も烏野を勝利に導くための一員なんだ!
そう実感した瞬間だったのかもしれません。

菅原さんは、自分で引いていた線を、自分で乗り越えたんだね!

「うちの連中はちゃんとみんな強い」の中に、自分も入れられたのかな…✨
まとめ:たった3文字で変わる菅原さんの想い
「勝てよ」から「勝つぞ」へ。
このたった3文字の言い換えですが、そこには菅原の覚悟が詰まっています。
- 「勝てよ」=影山に託す(菅原は外側)
- 「勝つぞ」=みんなで勝つ(菅原も内側)
自分を含め、みんなで勝利を目指すんだ――そんな菅原さんの想いが、この一言に込められているのです。
こんな小さな言葉の違いで、人の心の動きまで表現できる。

日本語が母語で嬉しかった瞬間です!
ハイキューは主役の天才・日向影山の成長だけでなく、周りの先輩や大人たちも素晴らしいのが魅力ですね!
最後まで読んでくれてありがとうございます!
感想やお気に入りのシーンがあれば、ぜひコメント欄で教えてくださいね!
この記事を書くために使ったもの・参考にしたもの紹介






