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動詞の可能形(可能動詞)の書ける・飲める・食べられるなどが、どうして「無意志動詞」になるのかわかりません
オンライン日本語教師のちゃそです!
動詞って活用だけじゃなくて、いろんな分類もあってややこしですよね。

意志動詞・無意志動詞、自動詞・他動詞、動作動詞・変化動詞・瞬間動詞…はああ!
可能形(可能動詞)は、意志動詞から作ります。
「書く」は意志動詞なのに、可能形「書ける」になると無意志動詞になります。

ここが悩みの種でした…
この記事では、可能形がなぜ無意志動詞なのかについてお話します。
一緒にみていきましょう!
※現在、動詞の可能形を「可能動詞」とよぶことが多いそうです。
この記事では、「可能形」で統一しています。
目的「V-ように」は無意志動詞に接続する
まずは可能形がよく使われる文型、目的「V-ように」をみてみましょう
①日本語の会社で働けるように、日本語を勉強しています。
②子どもにも読めるように、漢字にふりがなをつけた。

「V-ように」の前の「働ける」も「読める」も可能形(可能動詞)だね
次に、「V-ように」の説明をみてください
- 目的を表す言い方です。
- 「ように」の前の部分は、「ように」の後に続く動作や行為の結果、そうなってほしい状態を表しています。
- 「動詞の辞書形+ように」で使われる動詞は、「わかる」「できる」のような状態を表す動詞や、「座れる」のような可能動詞です。
「働く」のように意志性のある動詞を使うことはできません。
(例)
〇 日本の会社で働けるように、日本語を勉強しています。
× 日本の会社で働くように、日本語を勉強しています。引用:<いろどり生活の日本語 初級2 10課>

要するに、「V-ように」の前は無意志動詞がくるんだね

でも、どうして可能形が ”無意志動詞” なのかな?
可能形は状態を表す=無意志動詞
動詞の可能形は、「無意志動詞」になります。
これは、可能形が 「状態」を表すものだからなんです。
例文でみてみましょう
文の“焦点”が違う
・書く:自分の意志で“行動”する<意志動詞>
・書ける:その“行動が可能な状態”にある<無意志動詞>

うん!うーん、なんかわかるようなわからないような…。
能力ある・状況が整ってるから「できる」こと
可能形は、「行動が可能な状態」を表しています。
じゃあ「行動が可能な状態」を、状況可能と能力可能で考えてみましょう。

状況可能…能力可能?それ、なんですか?
簡単に説明すると、可能形は2つに分けられて
- 状況が整っているからできる→状況可能
- 能力があるからできる→能力可能
があります。
それぞれの例文を見てみましょう。
- 能力可能
- 「(たくさん練習したから)今は1000m泳げる。」
- ⇒泳ぐ能力(スキル)を持っている状態
- 状況可能
- 「プールの工事が終わったから、今日から泳げる。」
- ⇒泳げる状況が整っている状態
どっちも「泳ごう!」って意志で動いてる話じゃなくて、 「泳げるという状態になったこと」を話しています。

だから、無意志動詞になるんだね
「状態」とは、自分が今どういう状況・状態にあるかを表しているものです。
そこに「よし!やろう!」という能動的な意志は含まれていないんです。
可能形も、次のような状態を表すものと同じというわけです。
- 本がある
- 「そこにある」という状態を表してるだけ。誰かが置いたかどうかは関係ない。
- 電気がついている
- 「電気がついた状態になってる」だけで、人の意志とは関係ない。

ほうほう、なんとなく「状態=無意志」が理解できた気がする!
おまけ:行かない vs 行けない
もう一つ、可能形に意志がない例を…
私は大学時代に韓国に交換留学した経験があります。
渡韓してまだ間もないころ、韓国には스승의 날(教師の日)があると聞きました。
私はその存在を知らず、当日に国際交流チームの先生に挨拶に行きませんでした。
なので後日、先生たちのところに改めて挨拶に行くことにしました。
当時は留学したてで、韓国語もほとんどできなかったので、韓国育ちのバイリンガルの友人に表現をチェックしてもらいました。
私が「先生にご挨拶に行かなくてすみません」と言ったら、友人が「“行かなくて”じゃなくて“行けなくて”って言わないと、“わざと行かなかった”って感じになって失礼な感じがするよ」と教えてくれました。
あ〜なるほどなと!
「行けなくて」だと“自分の意志じゃない”ってニュアンスが伝わるなと。
だから可能形が「無意志動詞」って言われるのか…と 納得できました。

「能力をもっている”状態”」という説明もわかるんけど、私にはこのエピソードが一番腑に落ちました!
まとめ:可能形は”行動が可能な状態”を表す=無意志動詞
可能形が無意志動詞であることについて、説明しました。
可能形は、”行動が可能な状態・できる状態”を表します。
「状態」は自分が今どういう状況・状態にあるかを表しているもので、意志は含まれていません。
なので、無意志動詞になる ということでした。

深く考えるとわからなくなりそうなので、この辺で笑!
わたしもまだまだ勉強中です。よかったら一緒にがんばりましょう♪
この記事を書くのに参考にしたもの