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日本語教師になって敬語を教えなきゃいけないんだけど、正直私も敬語って苦手…
尊敬語・謙譲語・・・うまく使い分けられているか不安です。
一度、敬語について整理しておきたいです!
オンライン日本語教師のちゃそです!
みなさん敬語は得意ですか?
私は大学卒業後、飲食店でフリーターをしてから24歳で日本語教師デビューをしました。
なので、簡単な接客敬語以外には本当に自信がなかったんです・・・。

質問されてもドキッとしないように、基礎を一緒に整理しましょう♪
この記事はいくつかの資料を参考にまとめています。
自分でしっかり勉強したいよって方はこちらがの文化庁の【敬語おもしろ相談室】がおすすめです!
敬語は5種類
敬語といえば「尊敬語・謙譲語・丁寧語」の3種類と習った人が多いと思います。
でも実は、敬語は5種類に分類されます。
文化庁の「敬語の指針」では、次の5つに分けています。
- 尊敬語
- 謙譲語I
- 謙譲語II(丁重語)
- 丁寧語
- 美化語

え、謙譲語が2つ?美化語って何だっけ・・・?
3種類の分類だと大まかすぎて、細かい違いが説明できないことがあります。
だから、より正確に整理するために5種類に分けられています。
5分類を見てみよう!
ここからは、5分類を一つずつざっくりと説明します
尊敬語:「いらっしゃる・おっしゃる」型
尊敬語は、相手や話に出てくる人を立てて述べる敬語です。
「立てる」というのは、その人を言葉の上で高く位置づけるということです。

例:
- 先生がいらっしゃる(先生が来る・行く・いる)
- お客様が召し上がる(お客様が食べる・飲む)
- 社長がおっしゃる(社長が言う)
「先生が来る」を「先生がいらっしゃる」と言うことで、先生を立てています。
尊敬語は、行為をする人(行為者)を立てる敬語です。
誰を立てるの?
たとえば「先生は来週中国へいらっしゃるんですよね。」と言う場合
尊敬語で立てる人は、次のような場合があります。
- 先生本人に直接話す場合
- 先生の家族など、先生側の人に話す場合
- その他の人(例えば友達)に話す場合
| 話している相手 | 立てる人 | 例 |
| 先生本人 | 先生 | (先生に)先生は来週中国へいらっしゃるんですよね。 |
| 先生の家族 | 先生 | (先生の奥さんに)先生は来週中国にいらっしゃるんですよね。 |
| 友達 | 先生 | (友達に)先生、来週中国にいらっしゃるんだよね。 |
このように、話している相手が誰でも、話に出てくる人(ここでは先生)を立てています。

尊敬語は、動作や状態の主体に対する敬意を表すものです
謙譲語I:「伺う・申し上げる」型
謙譲語Iは、自分から相手に向かう行為について、その向かう先の人を立てる敬語です。
他の言い方をすれば、動作の主体(自分(側))を低めることで、相対的に動作の受け手(相手)を高めることができます。

例:
- 先生のところに伺いたいんですが……(先生のところに行きたい・訪ねたい)
- 先生にお届けする(先生に届ける)
- 先生をご案内する(先生を案内する)

「先生のところに行く」を「先生のところに伺う」と言うことで
行為【行く】が向かう先の「先生」を立てています。
「向かう先」って?
「向かう先」というのは、行為が向かっている相手のことです。
「先生に本をお届けする」なら、届ける先の「先生」が向かう先です。
「先生のかばんをお持ちする」なら、「先生のために持つ」ので、先生が向かう先です。
誰を立てるの?
たとえば「明日先生のところに伺う」と言う場合
謙譲語Ⅰで立てる人は、次のような場合があります。
- 先生本人に直接話す場合
- 先生の家族など、先生側の人に話す場合
- その他の人(例えば友達)に話す場合
| 話している相手 | 立てる人 | 例 |
| 先生本人 | 先生 | (先生に)明日伺います |
| 先生の家族 | 先生 | (先生の家族に)明日先生のところに伺います |
| 友達 | 先生 | (友達に)明日先生のところに伺うよ |
このように、話している相手が誰でも、向かう先の人(ここでは先生)を立てることができます。

自分が何かをするときに、向かう相手がいる場合だね

行為をする自分を低めることで、相手を高くする表現なんだね!
謙譲語II:「参る・申す」型
謙譲語IIは、自分の行為を、話している相手に対して丁重に述べる敬語です。
『丁重語(ていちょうご)』とも言われます。
例:
- 私は今自宅におります(私は自宅にいる)
- 明日から海外に参ります(明日から海外に行く)
- はじめまして。山田と申します(山田という)

「明日海外に行きます」を「明日海外に参ります」と言うことで、話している相手に丁重に述べていますね
謙譲語Iとの違いは?
謙譲語Iと謙譲語IIは混乱しやすいですよね!!!
大きな違いは、立てる相手です。

敬う対象・意識する対象が違います。
- 謙譲語I:「向かう先」の人を立てる
- 謙譲語II:話している「相手」に丁重に述べる
たとえば
- 「先生のところに伺います」→ 謙譲語I(先生という「向かう先」を立てる)
- 「明日東京に参ります」→ 謙譲語II(向かう先はないが、話している相手に丁重に述べる)
上の例で、「東京に参ります」には、立てるべき「向かう先」(人)がいませんよね。

【東京】のことを立ててるわけじゃないよね!笑
東京ではなくて、話している相手に丁重に述べるために「参ります」を使っています。
これが謙譲語IIです。

謙譲語Ⅰは、「向かう先の人」、謙譲語Ⅱは「話している相手」
丁寧語:「です・ます」型
丁寧語は、話している相手に対して丁寧に述べる敬語です。
代表的なのは、文末の「です・ます」です。
例:
- 今日は12月18日です
- 毎朝6時に起きます
「今日は12月18日だ」「毎朝6時に起きる」と同じ内容です。
でも、「です」「ます」をつけることで、話している相手に丁寧に述べています。
たとえば、友だちと先輩と話すときを思い浮かべてください。
「先生が来た」ことを伝えるとき、何と言いますか?

友達に話すときは「先生が来たよ」かな?

先輩に話すときは「先生が来ました」っていうかな
話題は同じ「先生が来た」ですが、話す相手によって文末が変わります。
これが丁寧語です。

中学に上がると、部活の先輩に「敬語」を使うようになることが多いですが
まずはこの丁寧語(です・ます)を使うことから始まりますよね!
美化語:「お酒・お料理」型
美化語は、ものごとを美化して述べる表現です。
尊敬語・謙譲語・丁寧語とは少し性質が違います。
例:
- お酒
- お菓子
- お料理
美化語は、相手を立てたり、丁寧に述べたりするためではありません。
ただ、言葉を上品にするために使います。
例えば、独り言で「お酒は体にいいんだよなあ」と言う場合。
これは誰かを立てているわけではありませんよね。
ではなぜ敬語の一つなのでしょうか?
以前、女性の学習者さんが「買い物したいですけど、金がないです」と言って、ちょっとドキッとしたことがあります。

「お金がないです」の方が自然で柔らかいですよね
さっき、美化語は誰かを立てているわけではないと言いました。
でも、相手に配慮して話すときには美化語を使う方がふさわしいです。
だから、広い意味では敬語として扱われているんですね✨

「寿司」と「お寿司」とか、日常会話でもいろいろな言葉がありますね
まとめ:5分類の区別を意識してみよう
敬語は5種類に分類されましたね。
- 尊敬語:相手や話題の人(行為者)を立てる
- 謙譲語I:向かう先の人を立てる
- 謙譲語II:話している相手に丁重に述べる
- 丁寧語:話している相手に丁寧に述べる(です・ます)
- 美化語:ものごとを美化する(お酒、お料理)
特に混乱しやすいのは謙譲語IとIIでした
- 謙譲語I:行為が「向かう先」の人を立てる(先生のところに伺う)
- 謙譲語II:「向かう先」ではなく、自分の行為を話している相手に丁重に述べる(東京に参る)
尊敬語や謙譲語の詳しい使い方については、また別の記事で説明しようと思います。
まずは、敬語が5種類あることを押さえておきましょう!
日本人でも敬語は大変ですよね!
わからないことは一つずつクリアにしていけば大丈夫です!
私もわからないことばかりなので、日々、勉強していこうと思います✨
最後まで読んでくれてありがとうございます!
この記事を書くために使ったもの紹介
文化庁|【敬語おもしろ相談室】
