普通形と辞書形はどう違う?【日本語教師の基礎】

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普通形と辞書形はどう違う?【日本語教師の基礎】
お悩みちゃん
お悩みちゃん

「食べる」は辞書形?それとも普通形?どっちなんだろう…

オンライン日本語教師のちゃそです!

日本語の活用には「〇〇形」という名前がたくさんあって、少し混乱してしまいますよね。

この記事は「普通形」と「辞書形」の違いについて解説します。

  • 辞書形も普通形に含まれるのに、なぜ別の名前があるの?
  • 授業でどう使い分ければいいの?

この疑問をスッキリ解決しましょう!





辞書形とは(活用形の1つ)

辞書形 = 動詞の活用の1つです。「基本形」とも言われます。

動詞にはいくつかの活用形があって、よく使うのがこちらです。

お悩みちゃん
お悩みちゃん

学生時代にならった、未然形・連用形・終止形・・・・ってやつだね!

「行く」「食べる」「する」は辞書で調べるときに載っている形なので、「辞書形」といいます。

お悩みくん
お悩みくん

「辞書形」とは、動詞の活用形の1つってことだね!

(動詞の活用についてはこちらに詳しく書いています↓)




普通形とは(丁寧形と対になる概念)

普通形 = 丁寧形(です・ます形)と対になる形です。

丁寧形が「です・ます」のつく形で、普通形は「です・ます」がつかない形です。

普通形丁寧形
非過去肯定食べる食べます
非過去否定食べない食べません
過去肯定食べた食べた
過去否定食べなかった食べませんでした
お悩みくん
お悩みくん

普通形は「非過去肯定・否定/過去肯定・否定」の4つもあるんだね!

(普通形について詳しくは、こちらをどうぞ↓)




辞書形と普通形が混乱してしまう理由

それは、普通形の4つの中に「辞書形」が含まれているからです。

動詞の辞書形(食べる)は、普通形の1つ(非過去肯定形)でもあります。

普通形
非過去肯定食べる(辞書形
非過去否定食べない(ない形)
過去肯定食べた(た形)
過去否定食べなかった
お悩みちゃん
お悩みちゃん

だから「辞書形=普通形?」と混乱してしまうんだね

分類の軸が違う

  • 辞書形 = 動詞の活用形の名前(辞書形、ます形、ない形、た形…)
  • 普通形 = 丁寧形と対比したときの呼び方(普通形 vs 丁寧形)


「食べる」は、活用形で言えば【辞書形】です。

普通形か丁寧形か?の話になれば、【普通形】です。

お悩みちゃん
お悩みちゃん

見ている角度が違うんだね!



授業ではどう使う?【失敗談あり】

「辞書形」「普通形」2つの用語、授業ではどんな場面で使われているでしょうか?

文型の接続について説明するときに、よく使われています。

それぞれどんなものがあるか見てみましょう!



「辞書形」が出てくる場面

もちろん、動詞の活用形を覚える場面でも出てきます。



今回は辞書形に接続する文型をみてみましょう


例えば、いろどり初級1第16課「1.具合が悪そうですね」では、体調が悪い人が、ほかの人のアドバイスを聞く場面がでてきます。

参照:いろどり生活の日本語初級1

よく眠れないときは、ぬるいお風呂にゆっくり入るといいですよ

この相手に軽いアドバイスをする「~といいです(よ)」は、動詞の辞書形に接続します。

(いろどりでは、「辞書形」=「V-る」と表記してあります)

参照:いろどり生活の日本語初級1
お悩みくん
お悩みくん

この場面での表現は「辞書形(V-る)」に接続するから、ない形やた形など他の活用形を使わないってことだね

お悩みちゃん
お悩みちゃん

確かに「お風呂に入ったといいですよ」って言えないよね



「普通形」が出てくる場面

こちらもいろどりで見てみましょう

例えば、いろどり初級1第18課「1.おめでとうございます」では、誕生日や結婚のお祝いを言う場面がでてきます。

参照:いろどり生活の日本語初級1

JLPT、合格したそうです

お子さんが生まれたそうです

この「~そうです」は、すべての普通形に接続します。

(※今回の表現は動詞以外の形容詞・名詞も全て使えますが、これは文型によって違います。)

参照:いろどり生活の日本語初級1
参照:いろどり生活の日本語初級1
お悩みちゃん
お悩みちゃん

お子さんが生まれたそうですね
来月、結婚するそうですね
昨日、パーティーに行かなかったそうですね・・・ 動詞の形、いろいろ言えるね!

お悩みくん
お悩みくん

すごくざっくりだけど、辞書形は一つ!普通形はたくさん!と覚えておけばいいかも笑



【失敗談】普通形が何か、よくわかっていなくてタイムロスした話

恥ずかしいですが、失敗談を正直にシェアします。

日本語教師になりたてのころ、この「普通形」がいまいち理解できていませんでした。

『普通形に接続する』とあっても「普通形ってなんだっけ…」と理解できないまま、頭の中でどんな形で接続しているかを都度考えていました。


例えば、伝聞の「そうです」

「えっと、来るそうです。来ないそうです。来たそうです。来なかったそうです。来ているそうです、もいけるな?」って具合にです。


そして

ちゃそ
ちゃそ

なんて複雑なんだ!無理!覚えられない!!!!

って思ってました・・・。


普通形=「です・ます」がつかない形って理解していれば、あとは名詞やナ形容詞の接続だけ注意すればよかったんです。

無駄に時間を使っていました。


10年以上も前の話なので、今となってはいい経験ですが

新人で慣れない環境で、さらに授業準備もしんどすぎた頃に

基本的な知識を忘れてしまったせいでおきた悲劇でした。

ちゃそ
ちゃそ

養成講座も検定試験の内容も、知識を実践に結び付けることが大事だなと深く思いました



まとめ

辞書形と普通形の違いについてい説明しました。

  • 辞書形:動詞の活用形の一つ
  • 普通形:丁寧形に対して「です・ます」がつかない形のこと

文型に接続するときに、辞書形やた形だけが使えたり、普通形が使えたりします。

なのでこの違いが必要なんですね!



最後まで読んでくれてありがとうございます!

この記事を書くために使ったもの紹介



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