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「~れる・~られる」の受身形はよく見るけど、なんでそんな言い方をするの?
どうしてわざわざ「AがBを誘った」じゃなくて、「BがAに誘われた」って言うの?
オンライン日本語教師のちゃそです!
日本語でもそれ以外の言語でも、受身文ってありますよね。
受身じゃなくても表現できそうなのに、なんで受身文ってあるんだろう?って思ったことありませんか?

なかったらすみません!笑
受身は出来事を“どの立場から伝えるか”に合わせて変わる形の一つなんです。
つまり、立場や視点を変える文型なんです。
今回は、「なぜ受身文を使うか」について、説明します!
ハイキューのセリフで見てみよう
引用:『ハイキュー!!』第9巻 第76話 クリエイター(古舘春一/集英社)
このセリフは、漫画『ハイキュー!!』に登場する谷地さんが、お母さんにうれしそうに話している場面です。
谷地:「私男子バレー部のマネージャーに誘われたんだ!」
このセリフの背景は、こうです
- マネージャーに誘ったのは潔子さん
- マネージャーに誘われたのは谷地さん(=話し手)
受身:影響の「受け手」が主語になる文
受身文は、「誰が何をしたか」ではなく、「誰がどうされたか」に注目する文なんです。
普通、何もなければ影響を与えた人「与え手」が主語になります。
でも、受身文では影響を受けた人「受け手」が主語になるんです。

さっきのセリフから考えてみます。
まず、普通の文(=能動文)では
- 潔子さんが私(谷地さん)を誘った
でも、このセリフでは
- 私(谷地さん)が(潔子さんに)に誘われた
このように、影響を受けた人=「受け手」が主語になっています。

📌 受身文は、「誰が何をしたか」ではなく、「誰がどうされたか」に注目する文なんだね!
なぜ受身を使うの?
受身文は「影響の与え手より影響の受け手の方が重要である」ときに使います。
直接受身は影響の受け手を主語にする文です。一般に,影響の与え手と受け手では,影響の与え手を主語にする方が普通です。つまり,「何らかの理由がなければ」,影響の受け手を主語にすることはないということです。
では,その「理由」は何かということですが,それは,「影響の与え手より影響の受け手の方が重要である」とまとめられます。
谷地さんのセリフでは、「潔子さんが誘った」ことよりも、「私が誘われた!」ということが、一番大事です。
さらに、受け手が「私(=話し手自身)」だったとき
👉 話し手にとって「私」より大事なものはありません!
だから、「私が誘われた」という受身の形が、とても自然に使われているのです。
まとめ:受身は「受け手の立場」で話す文
受身文を使う理由について話しました。
- 「誰が影響を受けたか」に注目する文型
- 話し手がどの立場から話しているかを表す文
- 「私」が受け手のときは、自然と受身が使われる

受身は、「伝えたいことをどの立場から話すか」、視点を選ぶ文型なんですね!
最後まで読んでくれてありがとうございます!
この記事を書くために使ったもの紹介
引用元について
本記事で使用している画像・セリフは著作権法第32条に基づき、教育・批評を目的として引用しています。
- 作品名:『ハイキュー!!』
- 著者:古舘春一
- 出版社:集英社
- 引用巻数・話数:第9巻 76話 クリエイター