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オンライン日本語教師のちゃそです🏐
大好きな『ハイキュー!!』のセリフから日本語の表現を学ぶシリーズです!
今回は青葉城西の司令塔・及川徹のセリフ「才能は開花させるもの センスは磨くもの」を取り上げます。
多くの読者・視聴者の心に残るセリフですが、その背後には彼の歩んできた道と、試合中に見せた“人間らしさ”が隠れています。

今回は、この言葉に込められた及川さんの思いを一緒に読み解いていきましょう!
- この記事で味わえること
- 「才能は開花させるもの センスは磨くもの」というセリフから、及川の“諦めない覚悟”を感じ取る
- この記事で扱う日本語表現
- 文型「〜もの(だ)」
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セリフ紹介「才能は開花させるもの」「センスは磨くもの」
では、実際のマンガの場面を見てみましょう!
引用:『ハイキュー!!』第17巻 第146話 才能とセンス(古舘春一/集英社)
及川「才能は開花させるもの センスは磨くもの」
一見すると「努力を肯定する言葉」のようですが、この言葉の背景を知ると、より深い意味が見えてきます。

追い詰められた場面で、最高のプレーをしながら放つセリフ!
文型解説「〜もの(だ)」
「~ものだ」について見ていきましょう。
“〜ものだ”は「当然」と言い切る表現
“〜ものだ”は、「そういう性質なんだ」と当然のこととして言い切る表現です。
例えば
- 「人は年をとるものだ」
- 「子どもはよく風邪をひくものだ」
どちらも「そうなるのが当然だ」という感覚をこめて言い切っています。

「それは当然・変わらないことだよ」って言いたい時に使うんだね。
「〜もの」なしとの違いを比べてみよう
「~もの」がない場合と比較してみましょう
「才能は開花させる」
→ ただの説明や個人の見解という感じがします。
「才能は開花させる『もの』」
→ 「これは当たり前の真実です」という、誰もが認めるべきことのように感じます。
「〜ものだ」をつけることで、「これが当然だ」という言い方になります。

「もの」をつけると、なんだか重みがでるね!
「本質」と「理想」2つの使い方
「〜ものだ」には大きく2つの使い方がありますが、実は根っこでつながっています。
①本質を表すとき(変わらない性質)
例:
- 「人間はいつかは死ぬものだ」
- 「人は誰だって失敗するものだ」
→ 時間が経っても変わらない、世界の真実・自然の法則を語るときに使います。
②理想・あるべき姿を表すとき
例:
- 「学生は勉強するものだ」
- 「自分のことは自分でするものだ」
→ 「〜すべきだ」という価値観や規範を語るときに使われます。
本質と理想の境界線はあいまい
面白いのは、この2つが重なり合うことです。
例えば
「子どもは外で元気に遊ぶものだ」
これは2つの意味で読めます。
- 「子どもってそういう性質だから当然」(本質)
- 「子どもはそうあるべきだから当然」(理想)
①は、子どもが外で泥だらけで遊んでいるのを心配そうに見ている親に「子どもはみんなこのぐらい元気でいいんだよ」となだめるように言うとき。
②は、家でゲームばかりしている子どもに「外で遊んで来い!」と言うときなどがイメージできます。
どちらも「当然でしょ?」という気持ちでつながっています。

「当然~するよね」って意味で、「本質」や「理想」と分類できるんだね
ハイキューで読む「もの(だ)」
春高予選準決勝の青葉城西vs烏野の激戦、試合終盤。
どちらも追い詰められた場面で、及川はコート外から超ロングセットアップという離れ業を成功させます。
まるで天才にしかできないようなプレーを見せた直後、彼は
才能は開花させるもの センスは磨くもの
と心の中で強く言い放ちます。
引用:『ハイキュー!!』第17巻 第146話 才能とセンス(古舘春一/集英社)
この言葉を分解してみると
- 才能は「開花させるもの」
- 才能は「ある・ない」で決まるのではない
自分で育てていくのが当然だ - センスは「磨くもの」
- センス(感覚)は生まれつきのものではない
努力によって磨いていくのが当然だ
と表現されています。
でも、多くの人は「才能やセンスは生まれつき、天才だけの特権」と考えがちです。
そこで及川はその常識を覆す新しい真理を見出して、「当然だ」として言い切っているんです。
理想から本質へ
おそらく最初は、理想としての気持ちから出た言葉だったのかもしれません。
「才能は伸ばすべき」「センスは磨くべき」そうあるべきという願いです。
しかし、牛若や影山という天才に挟まれながら努力を重ねてきた及川にとってこの理想は、
今や「当然の本質」、つまり誰にも動かせない真理になっています。

これが「〜もの」の力ですね!
「〜ものだ」という表現は
- 個人の意見を → 世界の真理に変える
- 軽い言葉を → ずっしり重くする
- 一時的な思いを → 永遠の真実にする
働きがあります。
だからこそ、及川のこのセリフは単なる個人の理想論ではなくなります。
努力でつかんだ確固たる信念として、私たちの心に深く響くのだと思います。

漫画・アニメの世界で強キャラであるはずの「大王様」から出た、努力の言葉!
まとめ:言葉に宿る“覚悟”
及川徹のセリフ「才能は開花させるもの センスは磨くもの」について解説しました。
“〜ものだ”は、ただの説明ではなく「それが当然だ」という思いを込めて言い切る表現です。
普通なら「才能は開花する」「センスは磨ける」で終わってしまいます。
そこに「〜ものだ」を使うことで、個人的な意見が普遍的な真理に変わるのです
多くの人は「自分は天才とは違う」とあきらめがちです。
でも及川は、才能もセンスも努力で花開かせるものだと信じてがんばるんです。
だからこそ、この言葉は”努力で積み上げてきた及川の覚悟”として、多くの人を励まし続けているんだと思います!

この言葉に奮い立たされた人は大勢いるはず…!
最後まで読んでくれてありがとうございます!
感想やお気に入りのシーンがあれば、ぜひコメント欄で教えてくださいね!
この記事を書くために使ったもの紹介
引用元について
本記事で使用している画像・セリフは著作権法第32条に基づき、教育・批評を目的として引用しています。
- 作品名:『ハイキュー!!』
- 著者:古舘春一
- 出版社:集英社
- 引用巻数・話数:第17巻 第146話 才能とセンス






