普通体・丁寧体と普通形・丁寧形の違いとは【日本語教師の基礎】

広告

普通体・丁寧体と普通形・丁寧形の違いとは【日本語教師の基礎】
お悩みちゃん
お悩みちゃん

「普通形」と「普通体」って言葉が似ているけど、『形』と『体』の違いって何ですか?
「ご飯を食べる」は普通形?普通体?
いまいちよくわかりません…

オンライン日本語教師のちゃそです!

日本語教育っていろんな用語があって、大変ですよね。

参考書やテキストによって、使っている言葉が違っていたり・・・

ちゃそ
ちゃそ

実は私も教師になりたての頃は知識が曖昧で、よく混乱していました。

今回は「普通体・丁寧体」と「普通形・丁寧形」の違いについて紹介します。

この記事でサクッと違いを理解しましょう!



普通体・丁寧体とは

文体(文のスタイル)のことです。

話す相手や場面、文章の種類によって使い分けるものです。

例えばみなさん、職場で挨拶ときと、親しい友だちと挨拶するとき、丁寧さを変えますよね?

お悩みちゃん
お悩みちゃん

朝、友達となら「おはよー!」上司には「おはようございます」って挨拶するね!

一般的に、親しい友達と話すのは普通体、上司と話す時は丁寧体を使います。

  • 普通体:友だちや家族との会話、小説、日記など
  • 丁寧体:目上の人との会話、手紙、ビジネス文書など



普通形・丁寧形とは

動詞、形容詞、名詞の形(単語レベル)のことです。

「辞書形」「ます形」「ない形」のように、単語の形の話です。

(日本語教育の動詞の活用形についてはこちらで説明しています)



要するに、丁寧形は「です・ます」がつく形、それに対して普通形は「です・ます」がつかない形です。


普通形、丁寧形は「非過去肯定・非過去否定・過去肯定・過去否定」の形があります。

文字で書くとややこしそうですが、下の表の基本的な例を見てください♪

動詞「書く」
普通形丁寧形
非過去肯定書く書きます
非過去否定書かない書きません
過去肯定書いた書いた
過去否定書かなかった書きませんでした

い形容詞「おいしい」
普通形丁寧形
非過去肯定おいしいおいしいです
非過去否定おいしくないおいしくないです
過去肯定おいしかったおいしかったです
過去否定おいしくなかったおいしくなかったです

※否定形は今は一般的には表のとおりですが、「おいしくありません」「おいしくありませんでした」も使われます

な形容詞「元気」
普通形丁寧形
非過去肯定元気だ元気です
非過去否定元気じゃない元気じゃないです
過去肯定元気だった元気でした
過去否定元気じゃなかった元気じゃなかったです

※否定形は今は一般的には表のとおりですが、「元気出はありません」「元気出はありませんでした」もあります

な形容詞「学生(+だ)」
普通形丁寧形
非過去肯定学生だ学生です
非過去否定学生じゃない学生じゃないです
過去肯定学生だった学生でした
過去否定学生じゃなかった学生じゃなかったです

※な形容詞と同じタイプの活用です


お悩みくん
お悩みくん

とにかく「です・ます」の形は丁寧形、「です・ます」がない形は普通形だね!



尊敬語があれば丁寧体?

以前、こんな質問がありました。

「田中先生、いらっしゃいますか?」は「いらっしゃいます」という尊敬語があるから丁寧体ですか?

これは、、、惜しいです!丁寧体は正解です!

確かに文末に尊敬語があるんですが、尊敬語がある=丁寧体の文とは言えません。

この文は、文末の「いらっしゃる」という尊敬語が「いらっしゃいます」という丁寧形だから丁寧体になるのです

  1. 田中先生、いらっしゃる?(普通体)
  2. 田中先生、いらっしゃいますか?(丁寧体)

①②の文を使用している会話を想像してみてください。

お悩みちゃん
お悩みちゃん

①は先生が生徒に田中先生がいるかどうか聞いてる場面で使えそう!

お悩みくん
お悩みくん

②は生徒が職員室に来て、田中先生がいるかどうか他の先生に聞いてる場面とかかな?

文末に尊敬語を使っているからといって、丁寧体にはなりません。

尊敬語の『形』を見て判断しなければならないということですね!



授業ではどう使う?

普通体や普通形という言葉がどんな場面で使われているか見てみましょう!

ちゃそ
ちゃそ

国際交流基金の教科書「いろどり生活の日本語」を例に説明します


普通体が出てくる場面

『いろどり 初級1 第1課』では、久しぶりに会った人とのあいさつする場面が出てきます。

会話を聞いて、どんな関係の人と話しているのか、どんな文体で話しているのかを学びます。

ここで、普通体と丁寧体が出てきます。

参照:いろどり生活の日本語初級1 第1課
お悩みくん
お悩みくん

人とコミュニケーションをスムーズに取るには、相手との関係性によって文体を使い分ける必要がありますよね

お悩みちゃん
お悩みちゃん

そのためには普通体や丁寧体という文体の理解が必要なんだね!



普通形が出てくる場面

一方、普通形は文型(文の形)や接続などを説明するときによく出てきます。


例えば、『いろどり 初級1 第15課』。

薬局で薬の説明を受けている場面で、「咳を抑える薬です」のような名詞修飾がでてきます。

動詞で名詞を修飾するときには、【動詞の普通形+名詞】の形を使うと説明しています。

参照:いろどり生活の日本語初級1 第15課
参照:いろどり生活の日本語初級1 第15課



他にも第18課では、伝聞「そうです」の説明にもでてきます。

参照:いろどり生活の日本語初級1 第18課

このように文型など『形』を問題にする場合に、【普通形】という言葉が使われます。



まとめ:文のスタイルか形か

普通体(丁寧体)と普通形(丁寧形)の違いについて説明しました。

  • 普通体 = 文のスタイルを指す時に使う(どんな場面で誰と話すかなど)
  • 普通形 = 文型など形について問題にするときに使う


似ている言葉ですが、体=文体 形=単語の形 と覚えておけば大丈夫ですね!

話題に上ったときに、緊張せず使い分けられるようにしておきましょう~♪



最後まで読んでくれてありがとうございます!

この記事を書くために使ったもの紹介







コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA