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オンライン日本語教師のちゃそです!
先日、空港でのチェックインをテーマにした授業で、こんな場面がありました。
チェックインカウンターで席を変更してもらうという場面で生徒さんがこう言いました。
「すみません。窓側の席がほしいんですが、変更できますか?」
言いたいことはわかるし、意味も伝わるけど、「窓際の席がいい」のほうが自然ですよね。

ん~、でもどうやって説明すればいいんだろう?
「~がほしい」と「~がいい」の違いって何だろう?

いざ言語化しようと思おうと、少し戸惑いますよね
この記事では、それぞれの使い方と特徴を一緒に考えていきましょう。
- この記事でわかること
- ・「〜がほしい」の意味と使える場面
・「〜がいい」を使う場面
・教師として知っておきたいポイント
「〜がほしい」の意味と例文
「〜がほしい」は、あるものを手に入れたい・自分のものにしたいという話し手の願望を表す形容詞です。
「〜ほしい」を動詞の「〜たい」に言い換えると「持ちたい」「所有したい」という意味になります。

例文を見てみましょう!
①(お店で)「すみません、電池がほしいんですが、どこにありますか?」
②A:誕生日、何がほしい?
B:新しいスマホがほしい!
③A:最近忙しくて。もっと時間がほしいなあ。
B:わたしは時間よりお金がほしい。

全部、自分の所有物になる感じかな?

物理的なものだけでなく、時間やお金など抽象的なものも「自分のものにしたい・手に入れたい」という感覚があれば「ほしい」が使えるみたいだね
私は大学時代に韓国に1年留学したんですが、「~が欲しい!」と言いたい時、どう言えばいいかわかりませんでした。
友人に韓国語では「갖고 싶다(持ちたい)」と「動詞+고 싶다」で表現すると聞いて、日本語との違いに「ほおお!」と驚いたのを覚えています。
「〜がいい」を使う場面
「〜がいい」は、選択肢の中から選んだり、希望を伝えたりする表現です。
①A:飲み物、どうしますか?何がいいですか?
B:コーヒーがいいです。
②A:晩ご飯、行きたいお店ある?
B:ん~安くておいしい店がいいな。
③A:肉と魚、どっちがいいですか?
B:肉がいいです!

選んだり、希望を伝えたりするときに使ってるね

最初のチェックインの場面なら「窓側を希望します」という気持ちを伝えてる感じかな?
以前、台湾の幼稚園で働いてたときに、ちょっと寂しくなってしまった子どもがよく
「ママがいい~!」「パパがいい~!」と泣いていました🥺
これを「ほしい」に変えるとどうなるでしょう。
⇒「ママがほしい」というと、事情があって母親がいないような響きになってしまいます。
「ほしい」には「手に入れたい・所有したい」というニュアンスがあるので、こんな違いが生まれるのかなと思います。
「窓側の席がほしい」はなぜダメ?
- 所有物になるかどうか
- 動詞に置き換えてみる
という2つの視点で考えてみましょう。
① 所有物になるかどうか?
「ほしい」は「自分のものにしたい・所有したい」というイメージの表現でしたね。
乗り物の座席は一時的に使うものであって、所有するものではありませんよね。
だから「ほしい」は合わないです。

確かに、飛行機の座席は持って帰れないよね😮

飛行機を降りたら自分の席ではなくなるね
② 動詞に置き換えるとどうなるか?
「窓側の席がいい」を動詞を使った文に置き換えてみます。
- 「窓側の席に座りたい」→ ✅ 自然
- 「窓側の席を持ちたい・所有したい」→ ⚠️ ??
「座りたい」は体験・動作を望む表現なので自然です。
でも、「~がほしい」の意味の「持ちたい・所有したい」に置き換えると不自然になります。
これが「ほしい」が合わない理由です。

できるなら所有したいけどね~!

プライベートジェットがほしい…✈
乗り物の座席は係員に割り当ててもらうもの・選ぶものなので
「ほしい(所有したい)」よりも「いい(希望する)」の方が自然だと考えました。
教師として知っておきたいポイント
ここまでをまとめましょう
| ~がほしい | ~がいい | |
| 意味 | 手に入れたい・自分のものにしたい | 選びたい・希望を伝える |
| 使われやすい場面 | プレゼントの話・買い物・ほしいものの話など | チェックイン・飲食店での注文・座席を選ぶ場面など |
| 例 | 電池がほしい・新しいバッグがほしい | 窓側の席がいい・お茶がいい |
「ほしい」と「いい」は、自分の願望や要求を伝えるので一見似ています。
所有・取得のイメージがあるかどうかが大きな違いです。
授業のテキストには「窓側の席がいいです(中国語訳:我想要窗边的座位。)」と書いてありました。
私は中国語があまりできませんが、「我想要」は「ほしい」を表せるようです。
「~がほしい」と「~がいい」がどのような場面で使われやすいのかを知っておけば、伝えやすいと思います。

授業中、とっさに「所有の感じ!」「選択の感じ!」と伝えたら、生徒さんも納得してくれたようで一安心でした💦
まとめ
「~がほしい」と「~がいい」の使い方と、「窓側の席がほしい」と言わない理由を考えました。
- 「〜がほしい」は手に入れたい・自分のものにしたいという願望を表す
- 「〜がいい」は選択肢の中から選ぶ・希望を伝える表現
- 乗り物の座席は所有するものではなく一時的に使うものなので「ほしい」より「いい」が自然
「意味は通じるけど、なんか違う」「その言い方はあまりしないな」という感覚を言語化できると、授業の準備や急な質問に焦りにくくなります!

私はいまだにドキッとしますが・・・笑
とっさにでも、的を射た答えができるといいですよね。
最後まで読んでくれてありがとうございます!
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