「〜てから(起点)」と「〜たあとで」の違い

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「〜てから(起点)」と「〜たあとで」の違い
お悩みちゃん
お悩みちゃん

生徒さんが「中学生になった後で温泉に入っていません」と言いました。
「中学生になってから」のほうが自然だと思うんですけど、なぜなのか、うまく説明できなくて……。

オンライン日本語教師のちゃそです!

先日、日本に留学中の生徒さんと温泉に行ったかについて話していたときのことです。

教師:日本に来てから、温泉に入りましたか?

学習者:中学生になった後で温泉に入っていません。

言いたいことはわかりますよね。

でも、「中学生になってから」のほうが自然に聞こえませんか?

お悩みちゃん
お悩みちゃん

どっちも中学生になった後の話なのに、何が違うんだろう?


この記事では、「~てから(起点)」と「~たあとで」の意味と、なぜ上の文が不自然なのかについて説明します。

※「ご飯を食べてからお風呂に入る」のような順番を表す「〜てから(順序)」については、こちらの記事で紹介しています↓





「〜たあとで」は前と後の話

お悩みちゃん
お悩みちゃん

そもそも「〜た後で」って、どういう意味なんだろう?

まず、「〜たあとで」を使った例を見てみましょう。

この薬はご飯を食べたあとで飲んでください。

薬の飲み方を説明している場面です。

ご飯を食べるのが先で、薬を飲むのが後だと話していますね。

「AたあとでB」は、このように、Aが先で、Bが後であることを表します。

お悩みくん
お悩みくん

前後関係を表しているんだね




「〜てから」はスタート地点の話

次に、「〜てから」を見ていきます。

最初に話した、学習者の文を「〜てから」に直しましょう。

教師:日本に来てから、温泉に入りましたか?

学習者:中学生になってから、温泉に入っていません。

「中学生になってから」は、「中学生になった」ところをスタート地点にしています。

そして、温泉に入っていない状態が、中学生になったところから今まで続いていることを表しています。

このスタート地点を「起点」といいます。

お悩みちゃん
お悩みちゃん

前と後の話じゃなくて、そこからスタートする話って感じかな?


「〜てから」の「から」は、「東京から大阪」「1時から2時」の「から」と同じです。

起点を表す「〜てから」は、「〜」から始まる期間の話をする形です。

今回の文と同じ使い方の例を見てみましょう

  • 妹は、家に帰ってきてから、ずっと部屋にいる。
  • 夏休みになってから一度も学校に行っていない。

「AてからB」の形で、どの文もAから始まって、今までの期間ずっとBが続いていることを表しています。


※今回は生徒さんの誤用について考えるため、「〜てから」のスタート地点(起点)から今まで同じ状態が続いている例を取り上げました。

ただ、起点の「〜てから」の後ろに来るのは、いつも続いている状態とは限りません。

運転免許をとってから、鈴木君は3度反則切符を切られた。

これは、運転免許をとったところから始まる期間の中で、反則切符を切られたことが3度あった、と言っています。

起点の「〜てから」は、スタート地点から始まる期間を表します。

後ろの部分では、期間の中で何があったかを言います。





「中学生になった後で」はなぜ不自然?

お悩みちゃん
お悩みちゃん

「~あとで」と「~てから」が違うのはなんとなくわかったけど・・・
「中学生になった後で」も、中学生になった時点ははっきりしていますよね?

そうですね。

「中学生になった」という時点は、どちらの文でもはっきりしています。

違うのは、「中学生になった」がスタート地点になっているかどうかです。


「中学生になった後で温泉に入っていない」は、中学生になるのが先、温泉に入っていないのが後、という先と後の話になってしまいます。

言いたいことは理解できますが、学習者が伝えたかった「中学生になったところから今までずっと」という意味は

「~あとで」では出せません。


同じような例を見てみましょう。

✅1月になってから、(ずっと)残業が続いている。

❓ 1月になったあとで、(ずっと)残業が続いている。

お悩みちゃん
お悩みちゃん

「1月になったあとで」だとやっぱり不自然だね?

「1月になったところからずっと残業が続いている」と言いたいときは、「〜てから」を使います。

「〜た後で」には、起点を表す使い方がないからです。



置き換えられる「〜てから」もある?

お悩みちゃん
お悩みちゃん

でも、「〜てから」と「〜た後で」って、置き換えられることも多くないですか?

次の例をみます

原作を読んでから映画を見た。

原作を読んだあとで映画を見た。

この「〜てから」は、原作を読むのが先、映画を見るのが後、という順番を表す「〜てから(順序)」です。

前と後を表すという点で「〜た後で」と重なるので、置き換えられます。



一方、「中学生になってから」は、スタート地点を表す「〜てから(起点)」です。

「〜た後で」に置き換えると、スタート地点の意味が出なくなります。

お悩みくん
お悩みくん

「〜てから」には、順序を表すものと、起点を表すものがあるんだね


起点か順序かを見分けたいときは、「〜てから」に「は」をつけてみる方法があります。

起点の「〜てから」は、「は」をつけても自然です。

順序の「〜てから」に「は」をつけると、不自然になります。

✅中学生になってからは、温泉に入っていません。(起点)

❓ 原作を読んでからは映画を見ます。(順序)





まとめ

「~てから(起点)」と「~たあとで」の違いについてみてきました。

  • 「〜た後で」は、先と後の話(前後関係)
  • 「〜てから(起点)」は、スタート地点から始まる期間の話


今回の文で、学習者に説明するときは、その後ずっと続いているかどうかについて見てみるといいと思います。

1時から2時のように、期間を言う表現を出せば、「その間ずっと」という意味が伝わりやすいと思います。

最後まで読んでくれてありがとうございます✨

私もまだまだ勉強中です!よかったら一緒にがんばりましょう!




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