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オンライン日本語教師のちゃそです🏐
「〜ておく」の文型を調べていたとき、私はふと気になりました。

「準備のために前もって何かをする、とあるけど…マンガに出てきた『覚えておけよ』って、何の準備?」

ケンカのシーンで「おぼえとけよ!(おぼえておけよ)」セリフ、よく見るよね?
教科書に載っている例文なら「なるほど」と思えるのに、
実際の場面で使われると「あれ?」と考え込んでしまう表現ってありませんか?
私にとって、「〜ておく」は、まさにそのひとつです!笑
今回は、ハイキュー!!の及川徹のセリフ「絶対に覚えておけよ」を入り口に
「〜ておく」が持つ「この先を見据えた感覚」を深掘りしていきます
- この記事で扱う日本語表現
- V-ておく
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「取るに足らないこのプライド 絶対に覚えておけよ」の文脈
春高宮城予選の準決勝。烏野に敗れた及川の前に、牛島若利が現れます。
牛島は「忠告」と称して、こう言いました。
引用:『ハイキュー!!』第17巻 第148話 宣戦布告(古舘春一/集英社)
お前は道を間違った
もっと力を発揮できる場所があったのに
取るに足らないプライドの為に
お前はそれを選ばなかった
中学でも高校でも一度も勝てなかった相手から、自分の選択を「間違い」と言われる。
このシーンで及川が返した言葉がこれです。
引用:『ハイキュー!!』第17巻 第148話 宣戦布告(古舘春一/集英社)
聞けよ牛島
俺は自分の選択が間違いだと思った事は一度も無いし
俺のバレーは何ひとつ終わっていない
取るに足らないこのプライド
絶対に覚えておけよ
及川のいつもの軽さや茶目っ気が、このシーンには一切ありません。
冷静で、でも真っすぐな圧力。
「覚えておけよ」という言葉が、やけに頭に残りました。

静かながら迫力を感じるシーンです
💡ここで、「覚えておけよ」と「〜ておく」を使うのは、なぜなのでしょうか?
「覚えていろよ」と「覚えておけよ」は何が違う?
喧嘩やライバル関係のシーンでは「覚えとけよ!(覚えておけよ)」というセリフをよく見かけます。

では「覚えていろよ」でもいい気がするんだけどなあ?
では、なぜ「覚えておけよ」を使うのでしょう?
| 表現 | ニュアンス |
| 覚えていろよ | 記憶にとどめろ (状態の継続を命令) |
| 覚えておけよ | この先に何かが来るから、その時まで覚えていろ (先を見越した行動を命令) |
「覚えていろよ」は、相手に記憶し続けることを求める表現です。
一方「覚えておけよ」には、この先に何かが起こることを前提として、今から準備しろという感じがあります。
つまり「〜ておく」を使うことで、及川の言葉には「未来」が紛れ込んでいるのです。
「〜ておく」が持つ「この先を見据えた感覚」
「〜ておく」の基本的な意味は、あとに起こることを予想して、前もって何かをするということです。
よく前もって何かをすると説明されますが、目的がはっきりしている場合だけではありません。
例を見てみましょう。
- はっきりした目的がある例
- 来月韓国に旅行するから、自分で注文できるように韓国語を勉強しておくつもりです。
「韓国に旅行する」というはっきりした目的がありますよね。
対して、こちらの文には「何のために」が明示されていません↓
- 目的が漠然としている例
- 若いうちに、いろいろなことをしておきたい。
漠然と「この先の何かに備えて」という感覚でも「〜ておく」は問題なく使えます
「~ておく」について詳しくはこちらの記事で解説しています
「覚えておけよ」が示す、及川徹のこの先
及川のセリフに戻ります。
引用:『ハイキュー!!』第17巻 第148話 宣戦布告(古舘春一/集英社)
俺のバレーは何ひとつ終わっていない
この言葉は、自分のバレーにまだ先があるという宣言です。
牛島に対して「次は絶対勝つ」とも「いつかやり返す」とも、明確には言っていません。
でも「覚えておけよ」の「〜ておく」には、この先に何かが来ることを見越した感覚が含まれています。
この先、自分の選択が間違っていなかったことを牛島に見せる場面が必ず来る。
その日が来るまで、この俺のプライドを忘れるなよ!
そういう「いつか」が、「〜ておく」の中に静かに宿っているのだと思いました。
「いつか」はまだ形になっていない。
でも「〜ておく」は、そんな曖昧な未来にも使える表現なのです!

「取るに足らないこのプライド」がどうなったのかは、「ハイキュー!!10thクロニクル」でぜひ確認を✨
まとめ:「〜ておく」が運ぶ、未来への覚悟
青葉城西キャプテン及川徹の「取るに足らないこのプライド覚えておけよ」から、文型「~ておく」を深堀りしてみました。
「〜ておく」は、この先に何かが来ることを見越して前もって行動する表現です。
「何のために?」という目的がはっきりしていなくても使える表現です。
だから、まだ形になっていない「いつか」に向けた行動にも使えます。

及川の「覚えておけよ」が力を持つのは、まさにそこだと思います✨
「いつか証明する場面が来るから、その日が来るまで忘れるなよ!」
という先を見越した感覚が「〜ておく」の中に宿っています。
「取るに足らない」と言われたプライドで、いつか自分が正しかったことを証明してやる。
そういう静かで真っすぐな感情が、「〜ておく」という文型に乗っていました。

めちゃくちゃかっこいいと思いました!!
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最後まで読んでくれてありがとうございます!
感想やお気に入りのシーンがあれば、ぜひコメント欄で教えてくださいね!
この記事を書くために使ったもの紹介
引用元について
本記事で使用している画像・セリフは著作権法第32条に基づき、教育・批評を目的として引用しています。
- 作品名:『ハイキュー!!』
- 著者:古舘春一
- 出版社:集英社
- 引用巻数・話数:第17巻 第148話 宣戦布告


