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格助詞「に」って多すぎやしませんか?
しかも「友だちと会う・友だちに会う」とか「東京へ行く・東京に行く」とか
違いはあるのかな?教えてください!
オンライン日本語教師のちゃそです!
「に」は日本語でとてもよく使われる格助詞ですよね!
でも、意味が多くて学習者も迷いがち。違いを説明しようにもうまく言語かできなかったり…。

特に「を」「へ」「で」「と」など、ほかの助詞とどう違うのか?と聞かれると
意外とパッと答えるのが難しいですよね
そこで今回は、まず「に」の代表的な使い方を8つに整理したうえで
「に vs ○○」という形でよく比べられる助詞との違いを見ていきたいと思います!
調べたから貼るやつ 格助詞「に」 pic.twitter.com/DPftVDN5AJ
— ちゃそ@オンライン日本語教師 (@chaso_japanese) June 25, 2025
格助詞「に」の主な使い方【8選】
用法 | 前にくることば | 例文 | 説明 |
①存在場所 | 場所 | 図書館に新聞がある | 存在する場所 ✖で |
②到着点 | 場所・~の所 | イタリアに行く | 着く場所 △まで =へ |
③受け手 | 人 | 妹に本をあげる | 何かをあげる相手 |
④変化の結果 | 状態 | 信号が赤に変わる | 変わる・なる |
⑤移動の方向 | 場所・~の方 | 大阪に向かう | 向かう・来る |
⑥出どころ | 人 | 父に本をもらう | 情報・モノの出どころ =から |
⑦時間 | 時間 | 5時に起きる | ✖相対時名詞にはつかない |
⑧割合の分母 | 期間・量 | 50人に1人 | 「〜に1つ」など |

他にもあるみたいだけど、とりあえずよく使う8つだね!

動詞と組み合わせて覚えていきましょう✨
「に」と混乱しやすいもの
今回は、この中でも特に混乱されやすい以下の4つの使い分けに注目します:
- に vs を
- に vs へ
- に vs で
- に vs と

なんとなく理解しているものを言語化できるようにしていきましょう!
に vs を|通過の「を」と、着地点の「に」

「山に登る」と「山を登る」のように、動詞によって「に」と「を」のどちらも使えることがあります。
- 山に登る
- 目的地が「山」。山がゴール!
→山に登ったあと、足が痛くなりました(山がゴール)
- 山を登る
- 山の中を進んでいる感じ。山は“通過する場所”です。
→ 山を登っているとき、突然雨が降ってきました(山を移動中)

通過の場所「を」は、「空を飛ぶ」とか「道を渡る」と同じやつだね!
また、英語の「kiss ~」「キスする」など、日本語では「〜にキスをするのように、「に」を使って対象を表すことがあります。
英語のようにすべて「目的語=を」になるとは限りません。

どうしても目的語は「を」に置き換えちゃう気持ちはわかる!

「殺す!」は「お前を殺す!」で「を」なんだね…

対象への働きかけが強いと「を」
働きかけが弱いと「に」を使う場合が多いけど、全部ではないみたい…
に vs へ|到着点・方向の「へ」と、ぴたっと着く「に」
「駅に行く」「駅へ行く」のように、移動の方向や到達点を表すとき「に」と「へ」はよく似ています。
- どちらも「目的地」を表せる
- 「に」は“そこに到着”する感じ
- 「へ」は“その方向に向かう”イメージ
でも、決まった表現やピタッとくっつくような動作には「に」しか使えません。
- ピタッとくっつくような動作
- →壁{〇に?へ}絵を貼りました
- 慣用的に決まった表現
- →お風呂{〇に×へ}入ります
→電車{〇に×へ}乗ります
→会議{〇に×へ}参加します

「へ」はあくまで“方向”だけで、くっつく感じはないみたいだね?
に vs で|存在と動作の場所のちがい

- 「に」は“そこにいる”場所
- 「で」は“そこで何かする”場所
- 存在の場所
- →田中さんが公園にいます
- 存在の場所
- →田中さんが公園で遊んでいます

「住む」も”に”を使います

「日本に住んでいます」学習者が間違えやすいので
「~に住んでいます」と動詞と合わせて覚えてもらうと良さそうだね✨
に vs と|一方的に?一緒に?

「に」と「と」は、どちらも「人」といっしょに使えますが、意味が少し違います。
- 「に」:一方的に行う(偶然会う、意見を伝える など)
- 「と」:お互いに行う(約束して会う、いっしょに話す など)
例文を見てみましょう!
- 昨日駅で田中君「に/と」会いました
- ・「に」偶然会った感じ
・「と」約束して駅で会った
- 来年の留学のことを父「に/と」話しました
- ・「に」お父さんに決意を伝えた
・「と」お父さんと相談した
イメージを持ってみよう(ふんわりでOK)

違いを見てきたけど、いろいろあって迷っちゃうな~

じゃあ、ざっくりとイメージをもってみましょうか!
「に」はいろいろな場面で使われますよね。
大ざっぱに言うと、『着地点』や『くっつく場所』のようなイメージで覚えておくといいかなと思います。
そこに「たどり着く」「何かを置く」「ある状態になる」など、「どこに向かっていくのか/とどまるのか」がポイントになりそうです。


場所としての「着地点」
状態としての「変化のゴール」
人に何かを渡すときの「受け手」
…すべてが「に」でつながっていくね!
まとめ:何度もくりかえして覚えよう!
格助詞「に」と混乱しやすいものについて説明しました。
- に vs を:到着点と通過点
- に vs へ:接着面と方向
- に vs で:存在の場所と動作の場所
- に vs と:一方的と双方向
格助詞「に」は意味が多いので、動詞と合わせて覚えるのがいいです。
そして「他の格助詞とどう違うのか」を整理しておくと、自信をもって伝えられるようになります。
忘れても大丈夫なので、まずは『着地点』や『くっつく場所』のイメージを持ってふくらましていきましょう✨
最後まで読んでくれてありがとうございます!
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