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「もしかして」「もしかしたら」「もしかすると」って字面も意味も似てるよね？
どんな使い分けがあるんだろう…教えてください！
オンライン日本語教師のちゃそです！
「もしか〜」で始まることば、日本人なら使い分けできてるけどいざ説明するとなるとちょっと困りませんか？
どれも「たぶん〇〇かもしれない」と思っているときに使われますが、
それぞれ使う場面や込められた気持ちが少しずつちがうんです。
この記事では、「もしかして」「もしかしたら」「もしかすると」の使い分けを、できるだけわかりやすく整理します。
最後に漫画『ハイキュー!!』のセリフから自然な使い方を読み取ってみます。
（※ハイキューに興味のない方は、最後の部分はスキップしていただいて大丈夫です！）
この違いを言語化できるように一緒にみていきましょう！
もしかして：確かめたいときに出てくる言葉
「そうかもしれない。でもちがうかもしれない」。
そんなふうに二つの可能性の間で迷っているときに、「もしかして」が使われます。
自分の中で気づいたときに独り言のように言う場合もあるし、そのまま相手に確認する形で使うことも多いです。
- 「もしかして、今日ってテストですか…！？」（相手に質問）
- 「もしかして……あの人、泣いてた？」（自分の気づき）
この「もしかして」には、「〇〇かもしれない／〇〇じゃないかもしれない」という二者択一的な迷いと
その答えをたしかめたい気持ち（疑問・推量）がこめられています。
#君の名は
— ライスオメガ (@next_omega_) June 30, 2019
もしかして……入れ替わってる？？ pic.twitter.com/tscz0UoHLx
もしかしたら：起こる可能性が低いことを予想するとき
「もしかしたら」は、「〜かもしれない」と一緒に使われることが多いです。
起こる確率・可能性の低い結果を推量します。
要するに、 自分の中で思っているはっきりしない予想や不安を伝える言い方です。
- 「電車が遅れていて…もしかしたら、遅刻するかもしれません。」
- 「いつもおしゃべりな彼が何も言わない。もしかしたら、怒っているのかも…。」
「もしかして」のように「どっちだろう…？」と確認するのではなくて、自分の考えや予感を表現しています。
よく「猫は液体だ」と言われますが、最新の研究によると、猫はどれだけ幅が狭い隙間でもほとんどためらわずに突き進むことが分かりました。まるで「自分、からだ柔らかい方なんで！」と言わんばかりの行動です。もしかしたら、猫自身も自分のことを「ほぼ液体」だと思っているのかもしれないですね🐈笑 pic.twitter.com/yxNdziPSXB
— 獣医にゃんとす (@nyantostos) June 29, 2025
もしかすると：ちょっと意外な可能性を考えたとき
「もしかすると」は、「そんなはずないと思っていたけれど…ゼロではないかもしれない」
そんなふうに、少し驚きや意外性をふくんだ予想を表すときに使われます。
「もしかしたら」に比べて、可能性がかなり低いので、実現したら自分でも驚くだろうという「意外さ」のニュアンスが強いです
- 「もしかすると、忘れているのかもしれない。」
- 「まだ10月だけど、こんなに寒いならもしかすると明日は雪が降るかもしれないね！」
現実に起こる可能性がかなり低そうに感じられても、 「そうなるかもしれない」と気づいたときに使われる表現です。
３つの違いをまとめてみましょう
「もしかして」は二つで迷っているとき
「もしかしたら」と「もしかして」は意外性の強さの違いがあります。
| 表現 | よく使う形 | 特徴・ニュアンス |
|---|---|---|
| もしかして | 「もしかして〇〇？」 | 二者択一的に迷っているとき／確認したいとき |
| もしかしたら | 「もしかしたら〇〇かもしれない」 | 起こる可能性が低い／自分の中ではっきりしていない予想 |
| もしかすると | 「もしかすると〇〇かもしれない」 | 意外・驚きのある予想／可能性は低いが否定できない |
似ているけど、やっぱり少しずつ違うんだね！
ハイキューで見る「もしか〜」の使い分け
（※ハイキューに興味がない方はとばしてください）
アニメ『ハイキュー!!』には、「もしか〜」を使った自然なセリフが登場します。
ここでは、それぞれの使い方を、場面の背景と一緒にご紹介します。
！てことは もしかして…！？（確かめ）
引用：『ハイキュー!!』第5巻 第35話 強敵たち （古舘春一／集英社）
常波高校：
「（烏野は）でも最近はもう大した事ないって聞いたけど」
「！てことはもしかして…！？」
「うっかり！？」
「かつて全国レベルだったそのチームにかてちゃったりとかして！？」
インターハイ予選初戦で当たる相手の烏野が、今はもう強豪ではなくなったと聞いた常波のバレー部員たちの会話です。
これは「えっ、勝てるってこと!?」という驚きと予想が一気にこぼれたセリフです。
相手にたずねているわけではありませんが、「勝てるかもしれない！？」という確かめたくなる気持ちがにじんでいます。
いつも負け通しの自分たちにも勝てる可能性が…！って冗談っぽく考えてるんだね！
わたしも弱小バスケ部員だったので、常波の人達の気持ち、わかります！笑
もしかして青城のリベロのあれを…！？（確認）
引用：『ハイキュー!!』第10巻 第84話 それぞれの進化 （古舘春一／集英社）
東峰：「もしかして青城のリベロのあれを…!?」
春高に向けて、本格的な練習を始める烏野高校バレー部。
勝つために、メンバーそれぞれが新しい挑戦を始めています。
リベロである西谷が「俺のトス、打ってもらっていっスか！」と練習を申し出たとき、東峰は驚きつつも、あることを思い出します。
──過去の試合で、青城高校のリベロがトスを上げていたあのプレー。
その記憶と今の西谷の行動が重なり、ひとつの可能性に気づいた瞬間です。
自分の中で浮かんだ予想を「質問」の形でつぶやくように口にしているこのセリフは、「もしかして」の自然な使い方としてとても印象的です！
ここでさらに旭さんに気合が入るのがいいね✨
もしかしたら（未来への希望をふくむポエミーな予想）
引用：『ハイキュー!!』第2巻 第15話 化学変化 （古舘春一／集英社）
1年生が入部し、初めての練習試合に挑んだ烏野高校バレー部。
試合の中で繰り出されたのは、日向と影山による“変人速攻”という新しい武器。
まだバラバラに見えるふたりのプレーでしたが、周囲の部員たちもその可能性に気づき始めます。
武田先生はその様子を見て、こう語ります。
武田：「今この瞬間もどこかで世界を変えるような出会いが生まれていて──（略）──
もしかしたら…東の小さな島国の北の片田舎の ごく普通の高校のごく普通のバレーボール部かもしれない」
これは、「そんなはずないかもしれないけれど、そうだったらすごいことだ」という希望をこめた予想です。
「もしかしたら」は、このように少し確率の低い未来に向かって、可能性を語るときによく使われます。
可能性は低くても、希望を持った話にも使えます！
ポエミーな武ちゃん、いいよね✨
先生の言葉にはいつも希望とか励ましとかが入っていて、こんな大人が周りにいる烏野は最高だね！
もしかするともしかするんじゃねえの!?（冗談まじりの意外性）
引用：『ハイキュー!!』第29巻 第259話 押せ押せドンドン（古舘春一／集英社）
春高第2回戦の相手は、優勝候補の稲荷崎高校。
会場にいた多くの人が、稲荷崎が勝つだろうと考えています。
でも烏野は同点まで追い上げます！
観客：「おいおいもしかするともしかするんじゃねえの!?」
「ワンチャン烏野が勝てるかも!?」と、ちょっと冗談交じりで、でもあり得るのでは？！と考えているセリフです。
「もしかすると」はこのように、ちょっと信じがたいけど期待したい！というときにも使われます。
この観客カップル、何気に好きな人多いんじゃないでしょうか！
俺もしかすると…つーか多分 バレーあんま好きじゃないや（意外な本音）
引用：『ハイキュー!!』第40巻 第351話 身軽 （古舘春一／集英社）
中学時代の星海と昼神。
昼神は、「才能ない、スランプだ」と嘆くチームメイトに苦手意識を感じてしまいます。
「自分が強くなればいい」と考え、だれよりももストイックに練習に打ち込み反省しバレーをやってきた昼神が半泣きで溢した本音です。
昼神：「…俺 もしかすると…つーか多分 バレーあんま好きじゃないや」
本当は薄々感じていたけれど、ようやく自分でも言葉にした、というようなセリフです。
心の奥にあった、でも言えないような意外な気持ちに気づいたようです。
バレー一家に生まれたからこそ、当たり前のようにバレーが好きになって、楽しさとそして見えない苦悩が生まれてたんだよねきっと(´；ω；`)
今の冷静な昼神くんがあるのも、この時の星海くんと話せたお陰なんだよね！
まとめ：もしかトリオを使い分けよう！
- もしかして：二二者択一に迷って確認したい
- もしかしたら（～かもしれない）：起こる可能性が低い予想
- もしかすると（～かもしれない）：実現したら自分でもびっくりするような予想
「もしかして」「もしかしたら」「もしかすると」は、すべて「たぶん〇〇かも」という気持ちを表します。
意味的に置き換え可能なことも多いです。
話し手の気持ちの強さや、その場面よって自然な使い方が少しずつ変わってきます。
この違いを理解しておくと、授業中に質問されたときにうまく説明できるかもしれません！
ぜひ、身近な会話やドラマ・アニメの中でも「もしか〜」を探してみてくださいね！
最後まで読んでくれてありがとうございます！
この記事を書くために使ったもの紹介
引用元について
本記事で使用している画像・セリフは著作権法第32条に基づき、教育・批評を目的として引用しています。
- 作品名：『ハイキュー!!』
- 著者：古舘春一
- 出版社：集英社
- 引用巻数・話数：第5巻 第35話 強敵たち,第10巻 第84話 それぞれの進化,第2巻 第15話 化学変化,第40巻 第351話 身軽,第29巻 第259話 押せ押せドンドン