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“知る”と“わかる”って、どう違うんだろう?
どっちも似ていて、生徒さんに聞かれたらうまく説明できないかも…
教えてくださーい!
オンライン日本語教師のちゃそです!
日本語を教えていて、こんな質問をもらうとちょっとドキッとしますよね。
だって、意味は似ていてもニュアンスはちがうし、説明できるようで説明しづらい…。
簡単に言うと
- 「知る」はそれまでなかった情報を『手に入れる』こと
- 「わかる」は、頭の中で『意味がつながる』こと
です。

でも授業中に生徒さんからいきなり「先生、どっちが正しいですか?」と聞かれて、説明しようにも焦ってしまったことがあります…。
この記事では、そんなモヤッとした疑問をスッキリさせるために、一緒にイメージを整理していきましょう。
「知る」と「わかる」の違いが簡単につかめるように、クイズと例文を使ってわかりやすく解説します。
「わかりますか」クイズ
ここで、ちょっとクイズです!
これ、なんの絵でしょう…?わかりますか?


うーん、ぼんやりしてて、輪郭しかわからない…ヘリコプターかな?
もう少しヒント!これならどうでしょう?


魚かな?グレーっぽいね?

なんだろう、フグみたいな形…?
・・・・・・
正解はこちら!ジャーン!!!

「サカバンバスピス」でした~!👏

あ~サカバンバスピスかあ!ぼやけてると全然わからないね~!

いや、そもそも“サカバンバスピス”って何…?知らない…聞いたこともない…

え!サカバンバスピス知らないの?!こんなにかわいいのに。

いや、普通知らないでしょ。今この絵を見て初めて知ったよ…
「知る」と「わかる」の違い
上のクイズでお悩みくん(お悩みちゃんも)は、ぼやけたイラストを見て
「魚かな?色はグレーっぽいな…」と考えていました。
ここで二人がしているのは”自分がもっている知識や経験を総動員し、必要なら調べたりして、推測する作業”です。
この段階は、まだ「わかる」ではなく、「わかろうとしている」「推測している」状態です。
そして、推測や調査を通じて不明瞭なものがはっきりした状態、つまり理解できた状態が「わかる」です。
⇒ 不明瞭なものを明確にした状態・問題が解決した結果を表すのが「わかる」です。

モザイクが外れて「じゃーん!サカバンバスピスでした!」と言われたとき、お悩みくんは初めてこの名前を耳にしました。
この瞬間、彼は今まで知らなかった「サカバンバスピス」という名前と存在を、知識として得ました。
⇒ 今まで知らなかった情報を一瞬で得るのが「知る」です。

チェックポイント
わからない … 見ても情報を受け取っても、まだ理解できていない状態。
知らない … そもそもその存在や名前を情報として持っていないこと。
「知る」は動作動詞・「わかる」は状態動詞

動詞についても注目してみましょう。
「知る」は動作動詞で、ある瞬間に新しい情報を得る動きを表します。
たとえば「初めてその事実を知った」のように、その事実を知らなかった状態から情報が入ってきた瞬間に「知る」という動きが起きています。
一方、「わかる」は状態動詞で、理解している状態を表します。
たとえば「意味がわかる」「英語がわかる」のように、「わかる」は“理解している状態”をあらわすのが特徴です。

「この曲、知ってる?」とは言えるけど、「この曲、知る?」のように、辞書形だと「これから知るつもり」みたいで変だね。

「わかる」は状態動詞だから、「この漢字の読み方、わかる?」と辞書形でも今の状態を表せるね。
まとめ:知る=新しい知識を得る、わかる=意味が明らかになる

「知る」と「わかる」の違いについて、ざっくりと解説しました。
- 知る:新しい情報・事実・経験を「得る」こと
- わかる:持っている情報や経験をもとに「意味や仕組みを理解している状態」
「知る」それまでなかった情報を『手に入れる』ことです。
何かを聞いたり見たりして、新しく知識や事実が自分の中に入ってくる瞬間を表します。
「わかる」は、頭の中で『意味がつながる』ことです。
すでにある情報を整理して、「ああ、そういうことか!」と理解している状態を表します。

パズルで例えると、「知る=ピースを手に入れる」「わかる=ピースがそろって絵が見える」って感じかな?
日本語を知っていても、わからないことがたくさんありますよね。
日本語がわかっていても、まだ知らない言葉もたくさんあります。
この記事を読んで、「知る」と「わかる」の違いが、少しでもわかってもらえたら嬉しいです!
最後まで読んでくれてありがとうございます!
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