“日本語教師として必要とされた”と思い込んだ私の失敗談

広告

“日本語教師として必要とされた”と思い込んだ私の失敗談

オンライン日本語教師のちゃそです!

先日、Xでこんなポストをしました。


正直書くかどうか迷ったのですが…

今後同じような失敗をしないように反省も込めてここに残すことにしました。



はじめに

3月から5月末まで、あるアジアの国向け日本語教育プロジェクトに関わっていました。

その体験を、この記事にまとめます。

この記事は、日本語教師としての私の失敗談です。正直恥ずかしいです。


けれど同時に、これから同じような話に出会うかもしれない人たちに向けて、また、自分が同じ失敗を繰り返さないように書くことに決めました。

※国名は「あるアジアの国」として伏せます、すみません。


オファーの始まり:海外教育支援の誘い

3月中旬のある日、SNS経由で「あるアジアの国の人にオンラインで日本語を教える先生を探している」という連絡が来ました。

  • 現地の言語は不要
  • 日本に来る予定の技能実習生や、現地小中高生への日本語教育
  • 将来的には日本に行った後の実習生たちの相談役的な授業も

といった内容で、話は始まりました。

最初に私は、「日本語教師の薄給に疲れ、今年は働き方を見直している最中で、必ずしも受けるとは限らない」と伝えたうえで、Zoomで話を聞くことになりました。



広がっていく構想と期待

Zoomでの話は、夢のあるものでした。

このプロジェクトは、「あるアジアの国の若者の将来のために」というその国の事業家の思いから始まりました。

その事業家の仲介役として、日本人のAさんからお話を伺いました。

  • 国の小中高生に日本語を教える新しい事業を立ち上げたい
  • 他にも、日本に来る予定の実習生への授業を担当してもらいたい
  • 現地の教師への教育支援もお願いしたい
  • ゆくゆくは相談役としても関わってほしい

さらにミーティングが進んでいくにつれ、プロジェクトのスタートメンバーとして「固定給で交渉する」という話も出ました。

「生活も大事だから」と言われ、正直嬉しかったです。

額自体はそこまで高くはなかったけれど、授業数を考えるとかなり良かったです。

今の中国プラットフォームの仕事と合わせれば「これなら贅沢をしなければ、オンライン日本語教師の仕事だけで全然生活できる!」と思えました。


ミーティングと準備の日々

その後、もう一人、日本人教師もメンバーとして加わり、ミーティングをしていきました。

  • 授業計画の相談・共有
  • 使用教材の検討
  • 教科書や授業内容を決めるプレゼン資料の準備
  • 現地の事業家との打ち合わせ

など、プロジェクトを進めるための動きが活発になっていきました。


事業家の方は多忙なようで、基本的には仲介役の日本人Aさん、もう一人の先生、私の3人で話を進めました。


給与に関しては、Aさんが事業家側に交渉してくれるとのことでした。

なので、私たちは主に授業についての内容を決めるためにミーティングやLINEでの相談を行いました。

この段階では、契約書はまだ交わしていませんでした。(ここが問題!)



話し合いの中でも「固定給で交渉していく」「その方向で進めよう」という前提が共有されていました。

この時点で、すでにある程度の話は進んでいて、事業家側もその方向で了承しているのだと認識していました。




そしてミーティングでは、たびたびAさんから

「プロジェクトのスタートメンバーとして、思ったより重要なポジションで考えているみたいだよ」

「将来的には授業は他の先生に任せて、プロジェクトの中核のようになってもらうと思う」

などという話がありました。



私たちは、固定給であることや、プロジェクトのスタートメンバーとして責任ある立場なんだと理解し、真剣に関わっていました。



すれ違っていた“前提”

ただ、今振り返ってみれば、事業家側が本当に望んでいたのは

  • 学習者が日本人と日本語で話すチャンスを増やすこと
  • できれば高くない給料でそれを実現すること

だったのだと思います。


そして、私たちに共有されていた「固定給で」という話は、仲介役のAさんの提案にすぎなかったようです。

仲介役を通していたため、私たちは事業家側の本音や現実を確認することが難しく、そのまま信じて突き進んでしまいました。




Aさんが私たちを騙そうとしていたわけではないと思います。

実際に、私たちの生活や働き方を考えて交渉を進めようとしてくれていたのだと思います。

今となっては真実はわかりませんが…



ただ、事業家側の希望と、Aさんの提案にあまりにも大きなギャップがあった。

そして私たちもまた、Aさんの言葉を完全に信じ切っていました。


そこが、最大の失敗点でした。



話が変わった瞬間

5月下旬、「6月からテスト授業を始めよう」という話が出たそのタイミングで、思いもしなかった連絡が来ました。

仲介役のAさんが、事業家と授業料の具体的な交渉をしたところ

  • 固定給の内容と額にドン引きしている
  • 固定給ではなくコマ給でやって欲しい

とのことでした。


提案されたコマ給だと、固定給と言われていた収入の2割にまで減ります。


コマ給は、相場より若干安いぐらいかな?と思います。

めちゃくちゃ安いわけではないですが、(高くもない)ここまでやってきたこともあり

私たちは驚き、「準備時間も含めたらマイナスになる」と伝えました。


コマ給になるにせよ、せめてもう少し上げてほしかったのです。



でも、返ってきた答えは――

60過ぎの日本人教師に依頼することにした。その金額でやってくれるから。」

というものでした。


悔しさと整理

コマ給の金額は、最低時給を下回るような額ではないです。

最初にこのコマ給で打診されていたら、多分断りました(笑)

ですが、オンラインで教えてみたいと思っている人なら、受ける人もいるだろうなと思える額でした。


「資格なしでオンラインで日本語を教える」のなら、普通にバイトするよりはほ~んの少しだけ割のいいバイトにはなります。



でも、私たちは「固定給で、且つこれからプロジェクトを動かす立場」と言われて関わってきました。

 それが、契約前に、さらに本格的に始まる直前にひっくり返されました。

さらに交渉すると「あ、じゃあ安くやってくれる人にお願いするわ」と言われてしまった。



それまでのすべてが、“なかったこと”にされたようでした。


せめて準備やミーティングへの対価を、と交渉しましたが

  • 固定給の話は確定ではなかった
  • 契約が結ばれていないから無効
  • そもそもミーティングや準備は強制ではない

という回答。


たしかにそうかもしれません。謝罪の言葉も多少はありました。

でも最後には、「あなたたちが無知なだけで、こうなるのは事業としては当然のこと」という内容だったように感じました。


最初からこの提案(コマ給)だったなら、断ることもできたのに。

ちゃんとした意思疎通が取れず、間で勝手に話しが膨らみすぎてしまった結果これです。

最後に:一番悔しいのは、自分自身に対して

よく考えれば、固定給という話自体が現実的でなかったです。

そのアジアの国の事情を考えれば、コマ給でも多くは出せないことは予想できたはず。



でも、私は提案された話を信じ切ってしまった。

最初は「ほんまに大丈夫か?」と思っていましたが…

仲介者の言葉、日本語教師での生活の安定、未来の可能性、そして「教育支援」という理想に…!爆



はたから見れば、うまい話に乗せられたバカな人ですよね。

最後には「日本語教師としての経験も資格も、ここでは別に価値はない。意味もない。」と言われたような結果になってしまった。

実際ミーティングで、私が資格を取っていることを知らなかった時に、ちょこっと言われてましたので…


こんなこと、前々からわかっていたはずなのに、それを見抜けなかった自分にがっかりしました。

次回からは、どんなに魅力的に見える話でも、契約書を交わすまでは絶対に動かない。

これを徹底しなければなと思います。

ちゃそ
ちゃそ

冷静に考えれば当然なんですけどね…能天気でした…

そして、私のようなヘマをする人はいないと思いますが…

この経験が、同じような道を歩くかもしれない誰かの「判断材料」になればと思います。


















コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA