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オンライン日本語教師のちゃそです!
最近マンガを読んでいて気になった表現があるんです。
引用:『ハイキュー!!』第17巻 第148話 宣戦布告(古舘春一/集英社)
『ハイキュー!!』で、青城の岩泉が負けた試合を振り返りながら、自分が決められなかったトスを振り返り、悔しさを噛みしめて言います。
岩泉:「あれを決められずに、何がエースだ!!!」

「何が〇〇だ」ってどういう意味だろう?
この「何がエースだ」という表現、日本人には感覚的には分かるけど、いざ「どういう意味?」と聞かれると説明に戸惑いそうだと思いました。
そこで、この記事では、「何が〇〇だ」という表現の意味と使い方を、マンガやSNSの実例から分析してみようと思います!
「何が〇〇だ」の意味
「何が〇〇だ」は、「〇〇」という部分を強く否定する表現です。
さっきのハイキューの例で言えば
「何がエースだ」= 「エースなんかじゃない」「エースとは呼べない」
この表現には、ただの否定ではなく、失望・呆れ・怒り・批判といった強い感情が込められています。
文法的には修辞疑問文の一種です。

正直、「修辞疑問文」ってことば、初めて知りました
疑問文を使っているけど、実際には質問しているわけではありません。
相手に答えを求めているのではなく、自分の強い否定の気持ちを表現しているものです。
「何が〇〇だ」|使用例
このフレーズは、マンガや日常会話、SNSでもよく使われています。

実際の使いかたを見てみよう~!
例1:ラストの1点すら決めらずに何が“エース”だ!!
引用:『ハイキュー!!』第6巻 第46話 ”背中の護り”(古舘春一/集英社)
烏野のエース・東峰旭が、伊達工業戦で鉄壁のブロックに立ち向かう決意をするシーン。
東峰:「ラストの1点すら決め切れずに 何がエースだ!!」
意味: エースならこれを決められるはずだ!しっかりしろ!(自分を奮い立たせる)
前回の試合でトラウマになっていた東峰が、再び立ち向かう決心をした場面です。

同じ「何がエースだ」でも、さっきの岩泉のシーンとはちょっとだけ違う感じがするかも

岩泉は自分を責めていて、東峰は自分を奮い立たせるために使っているよね!
例2:な~にがツアーや
『カラオケ行こ!』で中学生の聡実が、ヤクザの狂児に「(ヤクザの事務所周辺の)ツアーしてくれないんですか?」と興味本位に尋ねたシーンです。
引用:『カラオケ行こ!』(和山やま/KADOKAWA)
聡実:「ツアーしてくれないんですか?」
狂児:「な~にがツアーや そんな大したもんちゃうよ しょっぼ~いビルやけど」
意味: ツアーなんてするほどのものじゃないわ(呆れ)

聡実くんは中学生でヤクザというか狂児さんの住む世界にちょっと興味あるって感じだよね

でも狂児からしたら、こっちの世界なんて、ツアーするほど大したもんじゃないって呆れた感じで言ってるんだね
例3:何がのほほんやアホッタレ!!!!
狂児はカラオケ大会、聡実は中学最後の合唱祭の前日。
狂児が「聡実くんはのほほ〜んと歌いや」と言ったことに対して、聡実がキレて言い返すシーン。
引用:『カラオケ行こ!』(和山やま/KADOKAWA)
聡実:「何がのほほんやアホッタレ!!!!僕かて必死にやってきたわ!!なんも知らんくせに勝手なこと言うな!!」
意味: のほほんとしてるわけじゃない!のほほんとできるわけがない!(怒りの反論)

一生懸命やって来た合唱部の最後の大会で不安になってピリピリしてたんだね

自分も3年間がんばってきたし、今も不安なのに、軽く言われたような気がして傷ついたんだね!
例4:何がジャンボだよ、、
大好きなお笑い芸人レインボーのジャンボたかおさんのX(旧Twitter)投稿です
何がジャンボだよ、、情けない、、、 pic.twitter.com/y4UrUNDVYE
— レインボー ジャンボたかお (@kando_jjj) May 10, 2023
「何がジャンボだよ、、情けないっ、、、」
意味: ジャンボなんて名乗っているのに、自分よりジャンボな人がいるじゃないか。
自分なんて全然ジャンボじゃない…(自己批判・自虐)

ジャンボたかおさんは公式プロフィールによると183㎝/130kgだそうです!!!

ジャンボたかおさんが小さく見えるほどの、もはやトリックアート✨

相方の池田さんも177cm/68kgで男らしい体つきなのに、ジャンボさんの横だと普通の女性体型に見えるのがすごい!笑
使い方の注意
「何が〇〇だ」は強い否定感情を伴う表現なので、使う場面には注意が必要です。
こんな場面では使わない方がいい!
- 目上の人に対して
- フォーマルな場面
- ビジネスシーンや丁寧な会話が求められる場面
こんな場面だと使いやすい
- 親しい友人同士の会話や冗談で
- 自分への批判(独り言的に)
- 自虐ネタなど
状況によってはケンカ腰に聞こえる表現なので、相手との関係性をよく考えて使う必要がありますね!
まとめ
「何が〇〇だ」について説明しました
- 「〇〇」を強く否定したいときに使う表現
- 失望、呆れ、批判、怒りなどの強い感情を伴う
- 感情が強くでるので、使う場面に注意が必要
日本人なら感覚的に理解できるけれど、いざ説明しようとするとちょっと難しい表現の一つです。
でも日常会話やマンガやアニメ、SNSなどではよく出てきます。
興味がわいたら、ぜひ意識して見てみてくださいね♪
最後まで読んでくれてありがとうございます!
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