「うれしい」と「楽しい」の違いとは

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「うれしい」と「楽しい」の違いとは
お悩みちゃん
お悩みちゃん

「うれしい」と「たのしい」って、どちらもいい感情・気分を表す言葉だけど、何が違うんでしょうか?

オンライン日本語教師のちゃそです!

先日、N1対策の授業を受けている生徒さんとこんなやりとりをしました。

私:「N1のクラスはどうですか?難しいですか?」

学習者:「ちょっと大変です。でもうれしいです。」

この「うれしいです」を聞いて、「ん?」と思いました。

正しくは「楽しいです」よね。

でも、その場ですぐ違いを説明できませんでした。



どちらもポジティブな感情を表す言葉なのに、なぜ「うれしい」ではダメなのか。

今回はこの2つの違いを整理してみます。




「うれしい」と「楽しい」について

Xで、「日本経済新聞・校閲グループの公式アカウント」で気になるポストがありました!

三省堂国語辞典のところに、こうあります。

「うれしい」は、あるいいできごとがあったときに使う。「楽しい」は、自分もそれに参加して、心が明るくなるときに使う。ひな祭りの日が来たことはうれしく、家族でひな祭りを祝うのは楽しい。

三省堂国語辞典8版

同じひな祭りを題材に、2つの違いが一文で示されています。

  • ひな祭りの日が来た(=いいできごとが起きた)→ うれしい
  • 家族でひな祭りを祝う(=自分が参加している)→ 楽しい
お悩みちゃん
お悩みちゃん

出来事に対して反応する「うれしい」

お悩みくん
お悩みくん

自分が体験・経験して感じる「たのしい」

これをふまえて、もう少し掘りさげてみます



「うれしい」とは

→いい出来事に対して反応する感情

自分にいいことが起きた瞬間の反応です。

自分が何かをしていなくても、ニュースを聞いただけ、知らせを受けただけでも使えます。

ちゃそ
ちゃそ

いいことが起きて、「やったー!」「ラッキー!」という反応かな?

例文①

A:合格おめでとう!
B:ありがとうございます。合格できて、うれしいです! 

(←合格といういい出来事が起きた)

例文②

A:侍ジャパンが優勝しましたね!
B:はい、本当にうれしいです!

(←自分は試合していなくても使える)

これらは「楽しい」には置き換わりません。



「楽しい」とは

→何かをしている中での感情。物事の性質にも使える。

「うれしい」が瞬間的に来るのに対して、「たのしい」はその時間の中でじわじわ生まれてくる感情です。

また「たのしい」は「楽しいお祭り」「楽しい授業」のように、物事の性質・属性を表すこともできます。

例文①

A:週末は何をしましたか?

B:友達とカラオケに行って、みんなで大合唱しました。すごく楽しかったです!

例文②

A:日本語のクラスはどうですか?

B:大変ですが、楽しいです!

これらも「うれしい」にすると、違和感を覚えますね。


ハイキュー!! 孤爪研磨の「たーのしー」

「うれしい」がパッと瞬間的に来るのに対して、「たのしい」はその時間の中でじわじわ生まれてくる感情だといいました。

バレーボール漫画『ハイキュー!!』に、激しい試合の最中に「たーのしー」とつぶやくキャラクター(孤爪)が登場します。

苦しくてしんどい、でも「終わらないでほしい」。

これはまさに「楽しい」の本質で、その時間・体験の中にいるからこそ生まれる感情です。

ちゃそ
ちゃそ

この場面で「うれしい」には置き換わりません

引用:『ハイキュー!!』第36巻 第322話 おれの勝ち(古舘春一/集英社)

引用:『ハイキュー!!』第37巻 第323話 ラストバトル(古舘春一/集英社)

お悩みくん
お悩みくん

そして試合が終わった後、試合中を振り返って「楽しかった」と言うんだろうな

お悩みちゃん
お悩みちゃん

因縁の対決「ゴミ捨て場の決戦」ができたことに対しては「うれしかった」だね✨



なぜ「(N1のクラスは)うれしいです」がダメなのか

最初の話に戻ります。

私:「N1のクラスはどうですか?難しいですか?」

学習者:「ちょっと大変です。でもうれしいです(?)。」

整理するとシンプルにこう言えます。

  • うれしい→(いい)出来事に対して反応する感情
  • 楽しい →何かをしている中での感情。また、物事の性質にも使える。

N1の「クラスを受ける」は自分がやっていることです。

クラスを受けている中での感情は「楽しい」です。

「うれしい」は出来事への反応なので、ここでは使えません。




もう少し比べてみます。

✅日本語の授業を受けているんですが、先生が優しくて、うれしいです

→これは、「先生が優しい」という、自分に起きたいい出来事への反応なので「うれしい」です。

✅ 日本語の授業を受けているんですが、楽しいです

→授業を受けるという体験の中にいるときの感情なので「楽しい」です。




もう一つ見てみましょう。

①みんなと一緒に勉強できて、うれしかったです

②みんなと一緒に勉強できて、楽しかったです

この2文はどちらも正しいですが、注目する場所が違っています。

①は「一緒に勉強できた」という出来事への反応

②は「みんなと一緒に勉強していた」という、その時間の中にいる感情です。

ちゃそ
ちゃそ

うれしいは「起きた(いい)こと」への反応で、楽しいは「起きている」ことに対する感情です




まとめ

試合が楽しい!試合に勝ってうれしい!

  • 「うれしい」→(いい)出来事が起きたことに対して反応する感情。
  • 「たのしい」→ 何かをしている中での感情。「もっと続いてほしい」という感じ。

楽しいもうれしいもポジティブな感情です。

何に対して反応しているのか、何に対して感じているのかが違います。



もし相手の母語で置き換えられる言葉があれば、それで伝えるのが一番早いと思います!

ですが、違いを知っておけば説明がしやすくなると思います。

最後はドリカムの「うれしい!たのしい!大好き!」で終わります

お悩みちゃん
お悩みちゃん

あなたに出会えてうれしい、一緒に過ごす時間が楽しい!



最後まで読んでくれてありがとうございます!

この記事を書くために使ったもの紹介(ありがとうございます✨)






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