「あげる・もらう・くれる」の違い|誤用例から授受表現を見てみよう

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「あげる・もらう・くれる」の違い|誤用例から授受表現を見てみよう
お悩みちゃん
お悩みちゃん

「あげる」「もらう」「くれる」って、全部物のやり取りだと思うんだけど、どう違うんですか?
わかるようでわからないので、整理したいです!

オンライン日本語教師のちゃそです!

「あげもらい」の表現はわかるようでわからない。そんなことありませんか?

お悩みくん
お悩みくん

英語や他の言語の “give” や “receive” だけではなんか説明できないし…


今回は、誤用例を見ながら、「あげる・もらう・くれる」の使い方をざっくりとみていきましょう!




3つの動詞を整理しよう

「あげる」「くれる」「もらう」は、それぞれ使い方のルールが違います。

まずは3つの動詞について整理してみましょう。

  • あげる:与え手が主語。受け手は「私以外」
  • くれる:与え手が主語。受け手は「私(ウチの人)」
  • もらうもらう:受け手が主語


「あげる」と「くれる」は、どちらも与え手(渡す人)が主語になります。

受け手(受け取る人)が「私、またはウチの人」かどうかで使い分けます。

「もらう」は受け手が主語になります。

ちゃそ
ちゃそ

くわしくみましょう!



あげる・くれる

「あげる」と「くれる」はどちらも同じ状況を話しています。

どちらも与え手が主語になりますが、受け手が誰かによって使い分けます。



ここで出てくるのが日本語のウチ・ソトという考え方です。

「ウチ」とは自分や身近な人のことです。

家族・友だち・同僚などがウチ、面識のない人や他社の人などがソトです。

※ただし、この境界は場面や関係によって変わる”相対的”なものです。

ウチ・ソトの一例
お悩みちゃん
お悩みちゃん

お母さんのことを、家では「お母さん」外では「うちの母」と呼び方を変える、みたいな関係のことだね



あげる

「あげる」は受け手が「私以外」のときに使います。

自分から誰かにあげる場合だけでなく、第三者から第三者にあげる場合にも使えます。



例文を見ましょう

①私が田中さんにチョコをあげた。(私→田中さん)

②李さんが田中さんにチョコをあげた。(李さん→田中さん)

お悩みちゃん
お悩みちゃん

①なら「私」②なら「李さん」のように、与え手(=あげる人)について話しているね



くれる

「くれる」は受け手(受け取る人)が「私、またはウチ側の人」のときに使います。

受け手が「私、またはウチ側の人」ですから、第三者同士のやりとりには使えません。



例文を見ましょう

①田中さんが(私に)チョコをくれた。

②田中さんが私の弟にチョコをくれた。

※受け手が「私」のときは、「私に」を省くことが多いです。

ちゃそ
ちゃそ

日本語は、言わなくてもわかることは言わないことが多いです

お悩みちゃん
お悩みちゃん

「くれる」も、与え手(あげる人)について話しているね!
ここでは「田中さん」のことを話しているよね

お悩みくん
お悩みくん

でも受け手は必ず、自分かウチの人にかぎられるんだね!




また、「あげる」「くれる」は受け取った人が「よいものだ」と感じると話し手が考えるものに使います。

そのため、次のような場合は「渡す」「出す」などを使います。

❌先生に給食費をあげました。→ ✅先生に給食費を渡しました

❓先生がたくさん宿題をくださいました。→ ✅先生がたくさん宿題を出しました

お悩みくん
お悩みくん

宿題が大好きで良いものなら、「くださいました(くれました)」でもいいよね!

お悩みちゃん
お悩みちゃん

でも、宿題は一般的にはもらって嬉しくないものだから…ね!



そして、昔は「あげる」も「くれる」も「くれる」一つで表していたそうです!




あげる・もらう

「あげる」と「もらう」は、同じできごとを与え手の視点から話すか、受け手の視点から話すかの違いです。

①李さんが田中さんにチョコをあげた。(李さん側の視点)

②田中さんが李さんにチョコをもらった。(田中さん側の視点)

おなじことがらを、違った視点から話しているのです。

お悩みちゃん
お悩みちゃん

李さんの話をするのか、田中さんの話をしたいのか、誰を主語にするかの違いだね!





よくある誤用3つ

ここまで「あげる」「くれる」「もらう」をざっくりとおさえました。

次は、誤用例をみながら、何が違うのか、どうしてダメなのかを考えながら深めていきます!



誤用例① 「あげる」→「くれる」

❓田中さんが 私に チョコをあげました

「私」が受け取る側なのに「あげる」を使ってしまっています。

お悩みくん
お悩みくん

受け手が「私(ウチ)」のときは「くれる」を使うんだよね!

そうですね!なので、正しくはこうです。

✅田中さんが (私に) チョコをくれました




誤用例② 私に「もらう」?

ちゃそ:❓田中さんが 私に 飴をもらいました。

お悩みちゃん
お悩みちゃん

田中さんの側の視点で話すなら、これでOKじゃないの?

そう思うところなのですが・・・


「もらう」は与え手が「私」の場合には使いません

なぜなら、日本語は「私」が主語になりやすい言語で、自分がしたことを言うのが自然だからです。

お悩みくん
お悩みくん

田中さんがしたことじゃなくて、話し手(私)がしたことを言うのが自然なんだね

なので、今回は「私」を主語にした文を作ったほうが自然になります

✅ちゃそ:私が 田中さんに 飴をあげました




誤用例③ 「くれる」→「あげる」

❓李さんが 田中さんに チョコをくれました

「くれる」は受け手が「私またはウチ側の人」のときだけ使えます。

田中さんが第三者の場合は「あげる」を使います。

お悩みくん
お悩みくん

誤用例①の逆バージョンだね

✅李さんが 田中さんに チョコをあげました


ただし、もし田中さんが「ウチの人」であれば「くれる」も使えますよね。

ウチ・ソトは場面や状況によって変わります。

ちゃそ
ちゃそ

今回のような一文だけで判断するなら、第三者のやりとりかな?と思います





「もらう」と「くれる」の違い

ここからは受け手=私という前提で、「もらう」と「くれる」の違いを考えてみましょう!


「もらう」も「くれる」も、受け取る人は「私」です。

でも実際に使おうとすると、こんな疑問が出てきます。

お悩みちゃん
お悩みちゃん

「田中さんが私にチョコをくれた」と「私は田中さんにチョコをもらった」

これって同じことじゃないの?どっちを使えばいいの?


これは、同じ出来事を違う視点から描写しているだけなので、どちらも正しいです。

では、視点が違うとはどういうことなのでしょうか?


たとえばこんな場面を想像してください↓

A:あれ?その時計どうしたの?

B:あ、これ?誕生日にもらったんだ。

A:へー!いいな。かわいいー!

この場面ではAさんとBさんの2人で話しています。

「もらった」は『「私が」もらった』、つまり”私のこと“を話していますよね。



じゃあ、「くれる」だとどうなるでしょうか。

A:あれ?その時計どうしたの?

B:あ、これ?誕生日にくれたの。

A:ほう・・・ん?誰が?

「くれた」だけだと「誰が?」と思いませんか?

「くれる」は与え手が主語になる動詞です。

つまり、与え手の話をしています。


でもこの会話の流れでは、誰がくれたのか、わかりませんよね。

だから、誰の話をしているのかわからなくて、話が成り立たなくなるのです。


でも、「誰が」を明確にすれば、成り立ちます!

A:あれ?その時計どうしたの?

B:あ、これ?誕生日に父がくれたの。

A:へえーいいね!かわいい!

このように与え手(父)を入れれば、自然になります。

※文脈から与え手がわかっていれば、言わないこともあります。

ポイント

受け手が「私」の場合

「もらう」はそれだけで“私の話”として完結できるけど、
「くれる」は“与え手”の話をしているので、与え手が誰かわかる必要がある。





まとめ

授受表現の「あげる・もらう・くれる」について整理しました。

主語受け手の条件
あげる与え手私以外
くれる与え手私(+ウチの人)
もらう受け手制限なし(与え手は「私」以外)


授受の表現を「誰の話をしているか」で考えてみました。

「もらう」は私が受け取った話。

「くれる」は相手が私に向けて動いた話。

同じ出来事でも、誰を主役にして語るかで動詞が変わります。

補助動詞の「〜てあげる・〜てくれる・〜てもらう」についてはまたまとめる予定です。




この記事だけでは全てを説明できていないと思っています。

ですが、ほんの少しでも理解の助けになればうれしいです!




私もまだまだ勉強中です!よかったら一緒にがんばりましょう♪



最後まで読んでくれてありがとうございます!

この記事を書くのに参考にしたもの

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