【続編】「は」と「が」の違いに悩む前に知っておきたいこと【3つ】

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【続編】「は」と「が」の違いに悩む前に知っておきたいこと【3つ】
お悩みちゃん
お悩みちゃん

「は」と「が」の違いがイマイチわかりません。
新情報・旧情報とか、調べていてもだんだんわからなくなってきて…
学習者に説明する以前に、自分がちゃんと理解できているか不安です。

オンライ日本語教師のちゃそです!


「“は”と“が”って、どう違うの?」

日本語を学ぶ人・教えたことがある人なら、誰もが一度はぶつかるこの疑問。

教科書では「“が”は新情報で、“は”は旧情報」なんて言われるけど

それじゃ、なんだかスッキリしない……



実は、この“モヤモヤ”の原因は、「“は”と“が”だけを、直接比べようとしているから」 なんです。



この2つ、そもそも「種類が違う助詞」なんです。

  • 「が」は格助詞(=述語に必要な情報を伝える)
  • 「は」は副助詞(=話題として取り出す)

つまり、文の中での役割そのものが違う。


だから、「どっちが主語?」とか「置きかえられる?」という疑問にハマる前に

まずは日本語の文のしくみと、助詞の役割や違いを知っておくことがとても大事なんです。

ちゃそ
ちゃそ

恥ずかしながら、以前は私も正直ふわっとしか理解できていませんでした…。


✅この記事でわかること

  1. 日本語文の基本
  2. 格助詞のはたらき
  3. 「は」と「が」の違いの出発点

この記事が「“は”と“が”の違いがわからない…」と悩んでいる人にとっての最初の一歩になればと思います。

一緒に、ゆっくり整理していきましょう!

この記事の内容は、主に海老原峰子先生の書籍とYouTubeをはじめ、以下の本を参考にしまとめたものです。
もっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください▼

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以前、こんな記事を書きました。



しかし、自分で読んでいてちょっとわかりにくいなと思ったので書き直したものが今回の記事です。

以前のと被っている内容が多いですが、よければどうぞm(__)m



第1章:日本語は「述語」が主役のことば

まず、日本語の文の大きな特徴から見てみましょう。

私たちは、学生時代に英語の構文でこういうものを習いましたよね。

  • 第1文型 S+V
  • 第2文型 S+V+C
  • 第3文型 S+V+O …


じゃあ、日本語の文型は何?と聞かれたらどう答えますか?

お悩みちゃん
お悩みちゃん

「私は田中です。」とか「私はご飯を食べます」とか…?


このように「~~は…」という文を考える人、多いのではないでしょうか。

ちゃそ
ちゃそ

実はこれじゃないんです!



日本語は文型じゃなくて、述語が肝なんです!

述語とは【動詞・形容詞・名詞+だ】です。これが大事なのです。

詳しくみましょう!


日本語は「必要なことば」+「述語」でできている

日本語文の中心になるのは「述語」です。

英語のように「主語・動詞・目的語(SVO)」といった語順が重要な言語とは異なります。

日本語の文は「述語」とそれに必要な情報を伝えれば、成り立つんです!

ちゃそ
ちゃそ

文型じゃなくて述語★命!




たとえば、英語で「I love you」と言うときは、「I(主語)」も「you(目的語)」も必要ですよね。

でも日本語では、「愛してる」だけでちゃんと通じます。

日本語では「私はあなたを」を省略しているわけではないです。

今目の前に気持ちを伝えたい相手がいて、「愛してる」と言えば、それだけで成り立つのです。

正直、「愛してる」はそうそう使いませんが……(笑)

お悩みちゃん
お悩みちゃん

必要なければ付けない。
必要なら付け足していくってスタイルなんだね!



✅日本語の文の基本

  • <必要な情報>+【述語】
  • 必要なら【述語】に情報を付け足す
  • 必要なければ【述語】だけでもOK

【述語】がメインで、それに必要な語を足していくのです。



そして、この「必要なことば」と述語との関係をつなぐために欠かせないのが

次章で紹介する「格助詞」なんです!


いってみましょう!



 第2章:格助詞は“文の骨格”をつくる

次は「必要なことば」と「述語」をつなぐのに欠かせない格助詞についてみていきます。


英語ではSVOなど文型で「主語・述語・目的語」などを表しますよね。

じゃあ日本語ではどうするのでしょうか?


そこで、格助詞の出番です!

述語と“必要な情報”の関係を表すのが格助詞

第1章で「日本語は〈述語+必要な情報〉でできている」と説明しましたね。

【教える】という述語があるとして、「必要な情報」たとえば「いつ、どこで、誰が、何を」などはどうやって表すのでしょうか?



そのカギになるのが格助詞です。



格助詞は、述語と関係のある言葉(名詞)をつないで

「いつ」「どこで」「だれが」「なにを」など“述語との関係”を表します。



たとえば次の文

🟩 夏休みに 教会で 友だちが 日本語を 教える。



この文には4つの格助詞が使われています

  • に:いつ教えるのか(=時) → 夏休み
  • で:どこで教えるのか(=場所) → 教会
  • が:だれが教えるのか(=主語) → 友だち
  • を:何を教えるのか(=目的語) → 日本語

このように、格助詞は述語「教える」との関係を表しています。


日本人ならどの格助詞を使えばいいか大体推測はできますが…

格助詞がないと述語との関係がわからなくなるものもあります。



例えば「教会教える」を「教会教える」に変えても、文章として成り立ってしまいます。

なので格助詞を使って述語との関係を示さなければなりません。


それによって文の“骨格”がつくられていきます。

ちゃそ
ちゃそ

格助詞は文を構成する必須要素なのです!

お悩みくん
お悩みくん

でも文脈や状況で必要なければ言わないよね。文を構成する上での話だね!





格助詞に上下関係はない!

英語はSVOのように、最初に主語がくる文型でしたよね。

じゃあ、日本語はどうでしょうか?

学生時代に、国語で日本語の文法を習いましたよね。

「主語と述語が一番強い関係にあって、そこに他の修飾語が加わっている」と習ってきたようです。

国語文法


「主語が一番えらい」と思われがちですが、日本語の文では実はそういう“上下関係”はありません


「友だちが」も「日本語を」も「教会で」も、すべて“必要なら言う”情報です。

同レベルなんです。



たとえば

必要な言葉だけ追加する
A:夏休み、何するの?
B:日本語を教えるよ。
A:へー、どこで?
B:教会で。


このように、必要な言葉は文脈に応じて足したり引いたりできます。

英語のように、必ず主語を言う必要はありません。

お悩みちゃん
お悩みちゃん

主語も目的語も場所も、必要なときだけ言う同じ立場のものなんだね!

ちゃそ
ちゃそ

話が下手な私は、よく「あんたの話は主語がない!」なんて叱られてましたから、主語の地位が高いと思ってました!





そして日本語では語順を変えても意味はほぼ変わりません。

※ただし、大事なことを後ろで言う言語なので文脈にもよる部分もあります。

語順を変えても意味は変わらない(※文脈によるが)
夏休みに 教会で 友だちが 日本語を 教える。

友だちが 夏休みに 日本語を 教会で 教える。

最初に主語を持ってくる必要もありません

これは、格助詞が述語との関係を表してくれるので、語順に頼る必要がないからです。

お悩みちゃん
お悩みちゃん

格助詞って文を構成する大事なものなんだね!



第3章:「は」と「が」の違いの出発点

ではここから、「は」と「が」の違いについて見ていきましょう!

「は」と「が」は何者なのか?把握しましょう

「は」と「が」は、そもそも“助詞の種類”がちがう

「は」と「が」のちがいを理解するために、まず押さえておきたいのがこのポイントです!

  • 「が」は格助詞(=文の骨格をつくる、述語にとって必要な情報
  • 「は」は副助詞(=話題として取り出す



文を人の体にたとえてみましょう。

  • 「が」「を」「に」「で」などの格助詞は、体を動かすために必要な栄養のようなもの。

  • 一方、「は」「も」「だけ」などの副助詞は、必要なときだけ使う薬やサプリのような存在です。
副助詞格助詞
ちゃそ
ちゃそ

風邪をひいたときには風邪薬が必要ですが、毎日は飲みませんよね



同じように、「は」は いつも使う助詞ではなく、“必要なときだけ使う”助詞なんです。






副助詞「は」は、話題にしたい要素を取り出す

「は」を使うのはどんな時でしょうか?

それは――何かを話題にしたいときです。



「は」は、格助詞ではなく副助詞なので、文の“骨格”に必要ではありません。

そのかわり、話し手の「視点」や「関心」を表すことができます。





たとえば:

🟩 夏休みに 教会で 友だちが 日本語を 教える。


この文では、「夏休みに」に「は」がついています。

文の骨格をつくるのは「が」「で」「を」などの格助詞でしたよね。


「夏休みに」ついて話題にしたくて、「今からこれの話をするよ!」と副助詞「は」でマークをつけているイメージです。

ちゃそ
ちゃそ

つまり、「は」は格助詞の置きかえではなく、“別レイヤーの情報”なんです

お悩みちゃん
お悩みちゃん

話題にしたいところに目印のように「は」を追加してるんだね!


整理:格助詞は必須のもの・副助詞は追加するもの

ここで一度、「格助詞」と「副助詞」の基本的なちがいを整理しておきましょう。

格助詞(が・を・に・へ・と・から・より・で・まで)
👉文の骨格をつくるもの
👉名詞のあとについて、述語との関係(主語・目的語・場所など)を示す

「パン 食べる」
「友だち 来る」
「学校 行く」
副助詞(取り立て助詞)(は・も・こそ・さえ…)
👉いろんな言葉(名詞・動詞・副詞・助詞など)につく
👉話し手の“気持ち”や“取り立て”を示す(追加・強調・限定・対比など)

「今日 行きます(追加)」
「子どもですらわかる問題です(極端な例)」
お悩みくん
お悩みくん

こう見ると、格助詞と副助詞の役割は違うってなんとなくわかりますね





まとめ:「は」と「が」まずは“役割”を知ることから

「は」と「が」の違いについて悩むまえに、知っておきたいことについて紹介しました。

  • 「“は”と“が”」は、そもそも「助詞の種類が違う」
  • 「が」は格助詞で、文の骨格をつくる
  • 「は」は副助詞で、「話題」にしたいものをマークする

二つが別ものだからこそ「“は”と“が”の違い」だけを見ようとしてもモヤモヤするのです。

必要なのは、「は」と「が」は置き換え可能ではないという視点です!

お悩みちゃん
お悩みちゃん

でも「猫がご飯を食べています」と「猫はご飯を食べています」みたいな文はどう説明するの?これは置き換わってるんじゃないの…?



これは実は「が」が消えて見えるだけで、働きは残っているんです。

これについては 次回、「は」を追加する方法についてくわしく見ていきます!


「“は”って、追加するだけ?」「“が”の代わりってわけじゃないの?」

という疑問を、整理していきましょう ✨



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