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自動詞と他動詞、よくペアで出てくるけど、なかなか覚えられない学習者はどうすればいいのかな?結局、暗記するしかないのかな?そして、自動詞他動詞をちゃんと理解してもらえてるのか不安です…。
オンライン日本語教師のちゃそです!
自動詞・他動詞の指導、悩みますよね。
ペアで出てきても、多くて似ていて覚えられない。
覚えた人じゃないと解けないような問題もあります。
例えば、こんな問題。
ドアを(開いて・開けて)あります。
これって、「『〜てある』には他動詞を使う」と理解していても、 「開いて/開ける」のどっちが他動詞か覚えていないと答えられないですよね。
※厳密には「意志動詞」ですが、ここでは省きます。
詳しくは日本語の意志動詞と無意志動詞をゆるっと理解しよう

じゃあ結局、暗記するしかないのかな?って思っちゃいますよね・・・
私はオンラインの1対1で日本語を教えていて、所属するプラットフォームには文型復習のクラスがあります。
名前の通り「復習」なので、一度習ったことが分かっている前提で進みます。
特に自動詞他動詞を扱う課は、ペア動詞(対動詞)を覚えていないと解けない内容が多いです…。
でも、「似ている形の動詞を混乱しながらペアで覚えるより、どんな場面で何をどう使うかを覚えたほうが早いんじゃないか?」
そう思って、いろいろ調べてみました。
今回は、その中で私が気をつけたいと思ったことを書いてみます。
「正解はこれ!」というより、教えながら気づいたこととして読んでもらえたら嬉しいです。
- この記事の内容
- ・文型クラスで私が感じたこと
・自他を教えるときに気をつけたい2つのこと
・教科書では自他がどう扱われているか(いろどり初級1)
文型クラスでは、結局「暗記」が9割?
「開く/開ける」「入る/入れる」「つく/つける」…
初級で出てくる自動詞他動詞は、ペアのもの(対動詞)が出てくることが多いですよね。
でも、その場では覚えても、使うときに思い出すのに時間がかかる。
またどっちがどっちか混乱する。
- 日本語の自動詞他動詞ってどういうもの?
- 自動詞他動詞のペアがある動詞の形を覚える
- 絵などを見ながら練習する
①だけでもわかりにくいと感じる国の学習者が多いのに、さらに②で似たような形をどっちがどっちか覚えなければならない。
③で練習をしても、実際使う場面が出てきたときにリンクしづらい。

私も韓国語を勉強しているとき、①は理解できても②で形を覚えるのになんとなくふわっとで覚えてしまいました💦
じゃあ、私にできることは何だろう?
ここからは、私が気をつけたいと思っていることを2つ紹介します。
気をつけたいこと①:場面・文単位で覚える
ペアで覚えて使い分けるより、まず場面に合ったフレーズで形を覚えて、使いながら少しずつ感覚をつかんでいったほうがいいのでは?と思いました。
『日本語誤用辞典』には、こんな提案が書かれています。
学習者は動詞の自他の概念はわかっているが、実際に使う時に混同してしまうことが多い。他動詞・自動詞が正しく出てくるためには、対(ペア)で教えるのではなく(自他のペアはよく似ていて混同しやすい)、状況・場面、会話の中で個々に文単位で覚える練習をしたほうがよい
引用:『日本語誤用辞典』p.212~
ペアで「開く/開ける」「入る/入れる」と暗記しても、いざ使う場面では出てこない。
それより、「こういう場面ではこう言う」場面や状況で、文ごと覚える方が、実際の会話で使いやすい」ということですね。
では、どんな場面で練習するのがいいのでしょうか?
こんな提案がされています。
例えば、「電球が切れた」「水が出ない」 「エアコンがつかない」「トイレが流れない」など生活上のトラブルを申し出る練習から入るのも一つの方法である。
引用:『日本語誤用辞典』p.212~
これ、すごくいいなと思いました。!
生活のトラブルって、自動詞を使う場面がたくさんあるんですよね。
- パソコンが動かない
- 電気がつかない
- トイレットペーパーがなくなった
- コーヒーマシンから変な音がする
ペアで覚えようとすると、とどうしても

動く?動かす?だっけ?

自動詞使いたいけど、つく・つけるどっちだっけ?
というような不安がでてくるかもしれません。

「ペアで覚えられている」ことより、「困ったときに言える」方が、実用的ですよね
もしかして気づいた方もいるかもしれません。
上の例は、『いろどり 生活の日本語』初級1の13課-1「パソコンが動かないんですが…」に出てくるものです。
13課のこのセクションでは、「職場で困ったことを伝える」場面で自動詞がでてきます。


「ペアで教える」という形ではなく、場面に必要な形で文単位になっていて、誤用辞典の提案と同じ形になっています
気をつけたいこと②:自動詞=自然現象と説明しすぎない
とはいえ、テキストによってはペアでたくさん出てくることもありますよね。
私が使っているプラットフォームの復習用テキストもそうです。
その場合、自動詞・他動詞が何かを理解してもらうために、たくさんの例を出すことになります。
特にペアがある動詞は、他動詞が意志動詞、自動詞が無意志動詞になることが多いので
文脈ではなくペアの単語だけを提示すると、自動詞は「自動ドアが開く」のような自然・自動で起こる例になりがちです。

(左=人がドアを開ける(他動詞)、右=自動でドアが開く(自動詞))
そんなとき、『日本語誤用辞典』を読んでハッとした指摘がありました。
自動詞を定着させるために「自動ドアが開 (あ)く」「風で火が消える」のような自然現象の例を示し過ぎないように注意する。学習者は「自動詞=自然現象」と思ってしまいがちである。
引用:『日本語誤用辞典』p.212~
つまり、自動詞を紹介するときに「自動ドアが開きます」「風で火が消えました」のような例ばかり出していると、
学習者は「自動詞=自然に起こること」と思ってしまうかもしれない、ということです。

そうすると、人が関わっている場面で自動詞が使えなくなってしまう可能性がありますよね。
例えば、重いテーブルを頑張って押して動かしたとき。
「(やっと)テーブルが動いた!」と言いますよね。
押したのは自分(人)なのに、自動詞を使います。
他にも、コップをうっかり落としてしまったとき。
ハッとしてコップを確認したら、割れていた。
「あ〜、割れた…」って言いますよね。 割ったのは自分なのに、自動詞を使います。

左:人の動作に注目(他動詞)/右:ものの動きに注目(自動詞)
人が関わっていても、ものに注目するときは自動詞を使う。
これを伝えないまま「自動詞=自然現象」の例ばかり示してしまうと、誤解を生むかもしれません。

わたしは正直これを全然意志できてなかったなと思います。反省
まとめ
今回は、自動詞・他動詞の指導で私が気をつけたいと思っていることを書きました。
- 場面・文単位で覚えるとあれこれ考えすぎなくていい
- 自動詞=自然現象と説明しすぎない
教科書によっても違うし、先生方の教え方、学習者の学習スタイルも人それぞれです。
「正解はこれ!」と言える話ではないですが、教えながら気づいたこととしてシェアしました。
良い意味でも、失敗例としてでも、何かの参考になればうれしいです!
自動詞・他動詞のペアについては、こちらの記事で詳しく紹介しています👉
意志・無意志動詞についてはこちらの記事で詳しく紹介しています👉
最後まで読んでくれてありがとうございます!
この記事を書くために使ったもの紹介