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『無意志動詞・意志動詞』と『自動詞・他動詞』ってリンクしてるのかな?
自動詞は全部無意志動詞で、他動詞は全部意志動詞ってこと?
オンライン日本語教師のちゃそです!
「つくーつける」「開(あ)くー開ける」のような自動詞と他動詞ペアって、無意志動詞と意志動詞になっていますよね。
だから、自動詞=無意志動詞、他動詞=意志動詞といえるのでしょうか?
答えは、半分は正解で、半分は違うんです。

え?でも「つくーつける」「あくーあける」「消える―消す」「壊れるー壊す」「閉まるー閉める」…みんな自動詞=無意志動詞だし、他動詞=意志動詞だと思うんだけど?

でも「行く」とか「泳ぐ」は自動詞だけど、意志動詞だよ?
今回は自動詞他動詞のペアがある動詞(例:「つくーつける」)と、ペアがない自動詞(「行く・降る」など)という2つの角度から見ていきましょう!

今回はそのへんを整理してみましょう~!
自動詞他動詞のペアがある動詞の基本についてはこちら👇
ペアがある自他動詞は「自動詞=無意志動詞」が多い
自動詞・他動詞には、「ペアがある動詞(有対動詞)」と「ペアがない動詞(無対動詞)」があります。
※自動詞・他動詞の種類については、こちらの記事をどうぞ👇
「閉まる/閉める」「割れる/割る」みたいにペアがある動詞の場合
- 自動詞は無意志動詞
- 他動詞は意志動詞
になることが多いです。
初級日本語文法と教え方のポイントにもこんな記載がありました
自動詞と他動詞がペアで存在する場合、その自動詞は無意志動詞になります。
例:つく、閉まる、決まる、変わる、かかる、なおる、こわれる、割れる、など。
出典:『初級日本語文法と教え方のポイント』p.252
「閉まる」「割れる」って、自分の意志でコントロールできない動きですよね。
だから無意志動詞です。
逆に、ペアの他動詞の方「閉める」や「割る」は、人が意志を持ってやる動作なので意志動詞になります。
なぜそうなる?

なんでペアの自動詞は無意志動詞になることが多いんだろう?
初級を教える人のための日本語文法ハンドブックを読んでいてヒントになる記述を見つけました👇
自動詞は、「走る、泳ぐ」のような意志的自動詞と「割れる、落ちる」のような非意志的自動詞に分かれますが、後者には形態的・意味的に類似した他動詞を持つものがあります。これを「自他の対応がある」と言います。
出典:『初級を教える人のための日本語文法ハンドブック』p.96
つまり、自動詞には2種類あって
- 意志的自動詞:走る、泳ぐ、行く、立つ など
- 非意志的自動詞:割れる、落ちる、閉まる、壊れるなど
そして、ペアの他動詞があるのは「非意志的自動詞」のほうなんです。

「割れる」「閉まる」みたいな非意志的(=無意志)自動詞に、ペアの他動詞があることが多いんですね
だから、自動詞他動詞ペア(対動詞)の自動詞は、無意志動詞であることがほとんどなんですね!
ちなみに、ペアがある自動詞の中にも、意志的にも使われるものがあります。
たとえば「並ぶ/並べる」「入る/入れる」などです。
主語が人などのとき(意志的):「列に並ぼう」「お風呂に入る」
主語がものや事象のとき(無意志的):「木が並んでいる」「ヒビが入る」「目にゴミが入る」

これらは、「ペアの自動詞=無意志」という大まかな傾向から少し外れてますね
自動詞でも意志動詞?
ここまでは「ペアがある動詞」の話でしたが、ペアがない動詞(無対動詞)の場合についても見てみましょう!
ペアがない自動詞って、どんなものがあるでしょうか?

雨が「降る」、星が「光る」、空が「曇る」とか?
上の「(雨が)降る」「(星が)光る」「(空が)曇る」は無意志動詞です。
確かに、自動詞には無意志動詞が多いんです。
では、次の自動詞の動作をするとき、意志はあるでしょうか?
「走る」「泳ぐ」「行く」「来る」「立つ」

「走ろう」と思って走るし、「泳ぎたい」と思って泳ぐかな
「走る」「泳ぐ」「行く」「来る」「立つ」などは、意志をもってする行動ですよね。(基本はですが)
「走ろう」「立ちなさい」「行きたい」のように、意志的な表現もできます。
つまり、「自動詞は無意志動詞が多い」といえど、意志動詞の自動詞もちゃんとあるのです。
意志動詞・無意志動詞については、こちらの記事にまとめてあります👇
知っておきたい注意点
ここまでの話で、学習者に教える前に知っておきたいポイントがあります。
なぜ自動詞と他動詞や、意志動詞と無意志動詞という分類が必要なのでしょうか?
文型によって「自他」で見るか「意志・無意志」で見るかが違う
文型によって、「自動詞・他動詞」で考えるものと、「意志動詞・無意志動詞」で考えるものがあります。
- 意志動詞・無意志動詞で考える文型
- ・「〜てください」(依頼)→ 意志動詞につく
- ・「〜(よ)う」(意向)→ 意志動詞につく
- ・「〜たい」(願望)→ 意志動詞につく
- ・「〜ておく」「〜てみる」→ 意志動詞につく
- 自動詞・他動詞で考える文型
- ・「〜てある」→ 他動詞(+意志動詞)につく(例:ドアが閉めてある)
- ・「〜ている」(結果状態)→ 自動詞につく(例:ドアが閉まっている)
他動詞につく?意志動詞につく?

問題です!『「~てください」は他動詞につく』で合ってますか?

ん~「ドアを開けてください」「電気をつけてください」他動詞につくからマル!
・・・答えは△!笑
「~てください」は意志動詞につきます。
が!先日ネットでこんなやりとりを見かけました。
中国語ネイティブの日本語学習者さんが、授業で日本語の先生から「『〜てください』という文法は、前に他動詞しか付けません」と教わったそうです。
でも学習者さんは「実は自動詞も付けられるよ」と気づいて、「立ってください」を例に挙げて先生に伝えたそうなんです。

学習者さん、めちゃくちゃ鋭い👏
でも先生に怒られてしまったそう…
怒られながらも「やっぱり変じゃないか?間違っていませんか?」とネットで質問を投稿していました。
これは私の勝手な想像ですが、もしかするとこの先生、ペアの自他動詞だけを軸に「〜てください」を考えていたのかもしれません。
ここからは私が勝手に考えてみた原因です↓(合ってるかはわかりません・・・)
初級の教科書で「自動詞・他動詞」をテーマとして扱うときは、ふつう「閉まる/閉める」「割れる/割る」のようなペアの動詞ですよね。
ペアじゃない動詞のときに、わざわざ「これは自動詞ですよ」と強調されることってあまりないですよね。
しかも、ペアの動詞って、自動詞=無意志、他動詞=意志になることが多い。
だから、頭の中でいつのまにか「他動詞=意志、自動詞=無意志」というイメージが出来上がってしまうんだと思います。

ペアの自他動詞を使って考えると、「意志・無意志」で考えなければいけない問題の答えが同じになっちゃうことが多いですよね

「~てください」は意志動詞を使う文型けど、「開けてください」「つけてください」「消してください」と”他動詞を使うもの”だと誤解しちゃうんですね💦
⇒『「〜てください」は”意志動詞”につく』という視点が抜けたまま
『「〜てください」は”他動詞”につく」』というルールに置き換えてしまう。
その結果、「立ってください」「走ってください」みたいな意志的自動詞のことが抜け落ちてしまったのかな?と思います。
実はわたしも昔、「自動詞・他動詞=ペアがあるものだけの話」だと思い込んでたことがあります…
昔「自動詞他動詞=ペアがあるもの」だと思い込んでたことがありました😭
— ちゃそ@オンライン日本語教師 (@chaso_japanese) May 9, 2026
自動詞・他動詞は大きく3つに分類するとこれ
①有対動詞(ペアあり)
②無対動詞(ペアなし)
③自他同形動詞(両方使える)
まとめてみました( ..)φ #日本語教師https://t.co/jkTiXeCLFe

動詞の分類方法はいろいろあるので悩ましいところですが、「いろいろな分け方がある」ということを忘れないようにしたいですね!
※ちなみに、「〜てください(てくれ)」は基本的には意志動詞につきますが、祈るような気持ちで無意志動詞に使うこともあります。
「(店が)まだ開(あ)いててください!」「もっと光れ!」「あってくれ!」みたいな言い方。
これは基本とは異なる用法ですね。

私の大好きなVTuberがよく「(商品が)あってくれ~!」と使っていて気になってましたが、これで解決です✨
まとめ
「自動詞=無意志動詞、他動詞=意志動詞なのか?」について話しました。
こたえはNOです!
自動詞は無意志動詞、他動詞は意志動詞になることは多いですが、全てではありません。
- 有対動詞の場合:自動詞=無意志、他動詞=意志になることが多い
- 自動詞でも意志動詞(立つ、走る、行く)がある
- 文脈で意志/無意志に変わることもある(落とす、入る、忘れる など)
「自動詞=無意志、他動詞=意志」というイメージは、ペアの動詞に関しては多くの場合当てはまります。
でも、それを全部の動詞に当てはめてしまうと、教えるときに混乱します。
わたしもよく混乱しますが、少しずつ理解していこうと思います✨
意志動詞・無意志動詞の基本についてはこちらにまとめてます👇
最後まで読んでくれてありがとうございます!
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