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「は」と「が」の違いがイマイチわかりません。
調べていても、だんだんわからなくなってきて…
学生に説明する以前に、自分がちゃんと理解できているか不安です。
何かポイントはありませんか?
オンライ日本語教師のちゃそです!
「は」と「が」の違いって本当に悩ましいですよね!
理解できたと思っても、すぐまたわからなくなってしまう・・・
「は」と「が」の違いに悩む前に、まず知っておきたいの3つのことについて紹介します!
みなさんは「は」と「が」の違いをうまく伝えられますか?
恥ずかしながら、正直ふわっとしか理解できていませんでした・・・。
「は」は主題で「が」は主語、新情報と旧情報など・・・
なんとなくは理解しているつもりでも、はっきりとしたことが言えませんでした。
この記事で、「は」と「が」の違いを一言で説明します!とは言えません。(すみません)
でも、この3つ
- 副助詞と格助詞の違いを理解する
- 日本語の基本構文は「~~は・・・」じゃない
- 「は」と「が」だけじゃなくて、「は」と「格助詞」全体を比べる
を知って、だいぶ考えやすくなりました!
もし今「は・が」迷宮にはまっているなら、ぜひ一度読んでみてください!
この記事の内容は、主に海老原峰子先生の書籍とYouTubeをはじめ、以下の本を参考にしまとめたものです。
もっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください▼
①副助詞と格助詞の違いを理解する
「は」と「が」の一番の違いは、「副助詞」か「格助詞」かです。
そもそも、格助詞と副助詞の違いはなんでしょう。
↑の絵は、人間が生きるのに毎日必要なものです。
でも、丸の中に一つだけ、違うものが混ざっていますね!
そうです。風邪薬です!
風邪薬は風邪をひいた時に飲むものですよね。
要するに、必要な時にだけ追加するものです。
これは、格助詞と副助詞の関係と同じです。
格助詞は文を構成するのに必要なもの、副助詞は必要な時にだけ追加するものなのです。
「は」は副助詞だから必要な時に追加するもので、「が」の代わりに使えるものじゃないです!
ここまでのまとめ
- 「が」は格助詞 「は」は副助詞
- 「格助詞」は必要なもの 「副助詞」は追加するもの
- 格助詞の代わりに副助詞を使うことはできない
「が」と「は」は、そもそも品詞の種類が違うので、使い方も違うということがわかりましたね!
②日本語の基本構文は「~~は・・・」じゃない!
学生時代に英語の構文で
- 第1文型 S+V
- 第2文型 S+V+C
- 第3文型 S+V+O・・・・
こういうのを習いましたよね!
日本語の基本の構文と言われたら、何を思い浮かべますか?
「これはペンです」「私は図書館へ行きます」とか・・・?
このように「~~は・・・」という文だと考える人が多いのではないでしょうか。
実はこれじゃないんです。
日本語は【述語】を中心に、複数の成分から構成されます。
要するに、「必要な言葉+述語」が日本語の基本なんです。
日本語と英語の文法は違う
もう一度言います。
日本語は「必要な言葉+述語」で構成します。
“必要な言葉”といっても、「文法的に必須」なわけじゃないです。
英語のSVO構文のように、主語や目的語が「文法的に必須」という意味ではないんです。
文脈やその会話の背景・状況など、情報として必要な時に、つけます。
必要なければ、述語だけでも完全な文になります!
日本語の「愛してる」は「私はあなたを」を省略しているわけではありません。
目の前に伝えたい相手がいれば、「愛してる」だけでいいのです。
正直、「愛してる」はそうそう使いませんが・・・(笑)
英語ももちろん”Love you”と言えたりしますが、それは「省略」です。
この辺のことはこちらの記事が参考になります!→英語の主語は省略できるの?|英語びより
日本語に戻りましょう。
「私はあなたを」は、情報として必要ないので、言っていないだけです。
必要なときにだけ追加する。これが日本語の基本なんです。
英語の構文みたいに必ず主語や目的語がなくても、正しい文として成立するんだね!
主語は特別じゃない
学生時代に、国語でも文法を習いましたよね。
「主語と述語が一番強い関係にあって、そこに他の修飾語が加わっている」と習ってきたようです。
たしかに、「主語と述語」の繋がりって特別な印象があるな・・・
でも、これは一度忘れてください!
日本語は「必要な言葉+述語」が基本です。
主語の地位が高いとか、必ず主語を入れなければならないとか、順番が決まっているとかそういう決まりはないです。
必要なら言う。必要ないなら、言わない。
「が」も「に」も「で」も「を」なども、必要なら言う。必要ないなら言わない。
すべて同等の関係なのです。
主語も目的語も場所も、必要なときだけ言う同じ立場のものなんですね!
話が下手な私は、よく「主語をいいなさい!」なんて叱られたもんですから、主語の地位が高いと思ってました!
ここまでのまとめ
- 日本語は「必要な言葉+述語」
- 必要な言葉は、情報として必要なければ言わなくていい
- 必要な言葉は、すべて同等(主語が大事!とかはない)
③「は」の役割はトピックを表すこと
ここからは、副助詞「は」について考えましょう!
「は」はトピック(主題)にしたい言葉に追加して使います。
〇〇について話したい時に、「〇〇は」とします。
必要な言葉は、すべて同等でしたよね。
同じように「は」は、主語「が」にだけ使うような、特別なものではありません!
他の必要な言葉にも、同じように使えるんです。
「は」の役割と、使い方について考えてみましょう!
「が」の替わりに「は」を使うわけじゃない
主語を表すために使う格助詞が「が」です。
しかし、私たちは昔から「~~は・・・」が基本の文だと教えられてきました。
そのせいで、主語に「は」と「が」のどちらを使えばいいかが、わからなくなっているんです。
主語には必ず「が」、トピック(主題)にしたい時には「は」を追加します。
とはいっても「は」と「が」だけを比べていては混乱するだけです!(笑)
なぜなら、「が」+「は」=「がは」になるからです。
形の上だけでは、「が」が抜け落ちるので、余計に混乱しちゃうんです。
「は」は、主語以外でも(目的語でも場所でも)全てをトピックにすることができます。
上の文なら、「夏休みに」も「教会で」も「日本語を」もトピックになれるんです。
まずは、トピックを表す「は」について説明します!
トピック(主題)とは、「〇〇について話したい」時に使う
主語と主題(トピック)って言葉が似ているから、余計こんがらがりますよね!
「〇〇について、言いたいこと・聞きたいこと=トピック」です。
例えば、田中さんについて話したい!と思ったら、「田中さん」がトピックになります。
ある言葉をトピックにしたい時だけ、「は」を追加します
トピックにしたい言葉に「は」を追加する
「〇〇は」は、通常文頭におきます。
文頭というより、文の上にきて電球をつけて、上から残りの部分を照らすイメージです。
「○○は」の後は、言いたい・聞きたい重要なことがきます。
「〇〇は・・・」をみつけたら、その後ろの「・・・」をよく聞かない(読む)といけません!
トピック「は」の使い方
さっきも言いましたが、ある言葉をトピックにしたい時に「は」を追加します。
いろいろな言葉につくことができます!
「夏休みに 教会で 友達が 日本語を 教える」
という文を例に見てみましょう。
↑青枠の「必要な言葉」のうちの一つが、トピックになった例をみます
(1)「夏休みに」をトピックにする場合
「夏休みに」に「は」をつけてトピックにして
夏休みについて「教会で友達が日本語を教える」と説明しています。
(2)「教会で」をトピックにする場合
「教会で」について言うと、「夏休みに友達が日本語を教える」と説明しています
(3)「友達が」をトピックにする場合
「友達が」について「夏休みに教会で日本語を教える」と説明しています。
形の上でだけ「が」が抜け落ちて、「友達がは」になります。
(4)「日本語を」をトピックにする場合
「日本語を」について「夏休みに教会で友達が教える」と説明しています。
これも形の上でだけ「を」が抜け落ちて「日本語をは」になります。
文中のどの成分でもトピックになる!
このように、文中のどの成分でもトピックになり得ます。
格助詞 | 格助詞+「は」 |
「へ」 | 「へ」+「は」=「へは」 |
「に」 | 「に」+「は」=「には」 |
「が」 | 「が」+「は」=「 |
「を」 | 「を」+「は」=「 |
「で」 | 「で」+「は」=「では」 |
助詞なし | 0+「は」=「は」 |
「が+は=がは」、「を+は=をは」というルールがあります。
「が」と「を」は形の上では脱落しますが、働きは持続します!
主語がトピックになる(「が」⇒「は」になる)のは特別なことではありません。
形式上、「が」が見えなくなっているだけで、主語が置き換わったわけでじゃないんです。
「は」=「トピックを表す」という働きだけです!
主語でも目的語でも、全部トピックにするのが「は」の働きですね!
「は」と「が」だけを比べるから、ややこしくなっちゃってたんだね!
ここまでのまとめ
- 「は」の役割は、トピック(主題)にすること一択!
- 「は」は「が」の代わりではない
- 主語「が」に「は」を追加するときは、形式上「
がは」になる。でも機能はそのまま。
まとめ:「は」と「が」じゃなく、まずは「副助詞」と「格助詞」を比べよう
「は」と「が」を比べる前に、知っておきたいことについてお話しました。
- 副助詞と格助詞の違いを知る
- 主語以外もトピックになることを理解する
- 「は」は「が」は比較するものじゃない
- 「は」と「ほかの格助詞」も同じように比べる
↓↓↓
- 「は」は副助詞「が」は格助詞で 別もの
- 「は」はトピックを表したいときに追加するもの
- 「は」は「が」の代わりに使うものじゃない
- 「は」はいろんな言葉について、トピックを表せる
まずはそれぞれの本来の役割を頭にいれておくといいですね!
わたしもまだまだ勉強中です(´;ω;`)一緒にがんばりましょう!
こちらの本には「は」について、「~は~が構文」や「うなぎ文」「こんにゃく文」についても詳しく書かれています!