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「書ける」「食べられる」「来られる」これって動詞の『可能形』?それとも『可能動詞』?どっちが正しいですか?
オンライン日本語教師のちゃそです!
「可能形」「可能動詞」、教科書や参考書によって呼び方が違ってちょっと混乱しますよね。
私もずっと「可能形」と呼んできましたが、「可能動詞」と書かれている教科書やWEBサイトもあって
「あれ?どっちが正しいの?」
と思うことがありました。
んん?
— ちゃそ@オンライン日本語教師 (@chaso_japanese) April 11, 2025
①五段活用(G1動詞)の今の可能の形(-eる)を「可能動詞」というけど、日本語教育では123グループ共に「可能形」とよぶ
②「可能形」はなくて、123すべて「可能動詞」だよ
(ない形・ます形…の活用とごっちゃになるから)
みなさんどっちですか?私は①の認識だったけど、違うのか…?🫨
今回は、「可能形」と「可能動詞」の呼び方の違いを整理してみます。
国語の文法とも合わせて比較しまみます。

私は国語教師ではないので、その辺はざっくりと読んでいただけると助かります!
可能形(可能動詞)の作り方については、こちらにまとめています👇
「国文法」での「可能動詞」
ここで少し中学高校時代の国語を思い出してみてください😊
私たちが中学や高校の国語で習った「国文法」の整理から見てみます。
「国文法」と日本語教育で使う「日本語文法」は整理する枠組みや用語が少し違います。
動詞には5種類の活用がありましたが、日本語文法との関係はこうです。
- 五段活用→1グループ
- 下一段・上一段活用→2グループ
- カ行・サ行変格活用→3グループ
国語文法では、「可能動詞」は五段活用の動詞(1グループ動詞)から派生した形のことを指します。
くわしく見ましょう
日本語文法の動詞のグループ分けについて知りたい方はこちら👇
可能は「れる・られる」をつけて作る
国語文法では、可能の意味は助動詞「れる・られる」をつけて作ります。
可能形の場合
- 五段活用:動詞の未然形+「れる」
- 上一段・下一段活用:動詞の未然形+「られる」
- 「来る」は「未然形+られる」、「する」は「できる」
そして、この「れる・られる」には可能も含め、4つの意味があります。
- 受身:「先生にほめられる」
- 可能:「郷土料理が食べられる」
- 自発:「ふるさとが思い出される」
- 尊敬:「先生が話される」

だから「2グループ動詞」と「来る」の受身・可能・尊敬は同じ形なんだね!

「弟に日記を見られた(受身)」「今日は早く帰ったから好きな番組が見られる!(可能)」「先輩、この映画、もう見られましたか?(尊敬)」
五段活用の可能の形は特別?
ところが、1グループ(五段活用)の動詞はどうでしょう?
- 書く(kaku)→書ける(kakeる)
- 読む(yomu)→読める(yomeる)
- 遊ぶ(asobu)→遊べる(asobeる)
このように、「-eる」という形になっています。
これも、もともとは未然形「行か」に助動詞「れる」をつけた「行かれる」だったとされています。
それが変化して、「行か(れ)る」の「(ar)」が抜けて「行ける」という形になったそうです。
(成り立ちには諸説あるようです)


今でもたまに「行かれる」とか「蹴られる」を可能の意味で聞くこと、あるよね
そして、この融合した「-eる」の形だけを、国語文法では「可能動詞」と呼んでいます。
それ以外は、動詞+助動詞「れる・られる」なのです。

五段動詞の可能形だけを、【可能動詞】と呼ぶんだね!
ちなみに、「食べれる」「見れる」「来れる」も「-eる」の形になっています。
ですが、これは「ら抜き言葉」と呼ばれるもので、本来の形ではありません。
なので「可能動詞」とは呼ばないということです。

ただし、使う頻度は上がってますよね
日本語文法での「可能動詞」と「可能形」
では、日本語教育の世界ではどうでしょうか。
日本語教育では、1〜3グループ全ての可能をあらわす形を、「可能形」または「可能動詞」と呼びます。
- 1グループ:「-u」→「-eる」(行くー行ける)
- 2グループ:「-る」→「られる」(食べるー食べられる)
- 3グループ:来る → 来られる/する → できる

国文法よりシンプルなまとめ方かも✨
「可能形」と「可能動詞」の使い分け
教科書や参考書を見ると、同じものを指していても呼び方が違います。
- 「可能形」と呼ぶ場合
- 他の活用形(ない形・ます形・て形など)と同じように、「動詞の活用形のひとつ」としてとらえている

確かに、辞書形(もしくは「ます形」)から可能形を作るって練習するもんね
- 「可能動詞」と呼ぶ場合
- 「行ける」「食べられる」を、「行く」「食べる」とは別の「独立した動詞」としてとらえる

「行ける」は「行けない・行けます・行ける…」と活用できるから、この分け方も理解できる!

どちらの呼び方も指しているものは同じです。
ただ、どう捉えるのかで違うようです。

私はずっと「可能形」と呼んできました
でも、可能形になった動詞は「書ける→書けない・書けます・書けて…」のように活用できます。
そう考えると、「可能動詞」と呼んだほうが混乱しなくてすむかも!と最近思ったりしています。
まとめ:教材や職場に合わせて使い分ける
「可能形」と「可能動詞」の違いについて話しました。
- 国文法では「可能動詞」は五段活用「-eる」の形だけを指す
- 日本語教育では1〜3グループまとめて「可能形」または「可能動詞」と呼ぶ
- 「可能形」と「可能動詞」、日本語教育で指しているものは同じ
結局どっちを使えばいいかは、働いている場所や使っている教科書に合わせるのがよさそうです。
同じ教室の中で先生によって呼び方が違うと学習者が混乱するので、教える場所では統一しておきたいですね。
可能形(可能動詞)の作り方については、こちらにまとめています👇
わたしもまだまだ勉強中です。よかったら一緒にがんばりましょう♪
参考文献・参考サイト
ありがとうございます