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間接受身について知りたいです。何が「間接」なんでしょうか?
「迷惑受身」というのは同じことですか?教えてください!
オンライン日本語教師のちゃそです!
「間接受身」という言葉、何が「間接」なのかよくわからない…。
間接受身は英語などにはない日本語特有の受身で、外国人学習者が理解しにくい受身のひとつです。
「迷惑受身」とも呼ばれますが、それだけでは説明しきれない部分もあります。

えー難しそう!大丈夫かな💦わーどうしよう!!!わー!わー!

ちょっと。こんなところで大声を出されたら困るんですけど。

…すみません。って、それ間接受身いいい!!!???
この記事では、間接受身とは何か、直接受身との違いもふくめて整理していきます!
受身の種類(直接・間接・持ち主)の概要はこちらにまとめています↓
直接受身についてはこちら↓
間接受身とは
間接受身とは、本来なら自分が直接影響を受けないはずの出来事なのに、影響を受けたことを表すものです。
もともとその出来事に関係していない人が主語になります。
「自分はその出来事に直接関わっていないけど、その影響がこちらにもきた」ということを表します。

んー?そもそも「直接影響を受ける」ってどういうこと?
次の文を見てください。
・先生が私を叱った。
・ 友だちが私に「かっこいい」と言った。

どちらも行為がダイレクトに「私」に向かっています。
「叱る」や「言う」の影響を受ける対象=「私」が文の中に登場しています。
これが「直接影響を受ける」です。

「叱る」や「言う」は私に向けられてることだね
これを影響を受けた側(=私)の視点・立場で語るのが「直接受身文」です。
→(私は)先生に叱られた。
→(私は)友だちに「かっこいい」と言われた。

私に対して叱ってる・私に対して言っている。
直接影響を受けてる文から作るのが「直接受身」なんだね!
では「直接影響を受けない」とは、どういうことでしょうか?
同僚が会社を辞めた。
この出来事、辞めたのは同僚です。
私は何もされていません(直接的な影響を受けていない)。
この文には、「辞める」の影響を受ける対象に「私」は入っていませんね。
でも!!同僚が辞めたせいで仕事が増えて、毎日残業になってしまったらどうでしょう?
結果として私にも影響がきていますよね。
その影響があったことを表現したいときに、間接受身を使います。
→(私は)同僚に会社を辞められて、残業続きだ。(間接受身)

最初に見た直接受身の「叱る」は、叱る対象がダイレクトに「私」です。
でも間接受身の「辞める」は、辞める対象は「会社」で、私ではありません。
それなのに、辞めたことで私が影響を受けてしまっています。

これが「間接的に影響を受ける」ということです
チェックポイント
『自分に直接向かってきた行為ではないのに、その出来事のせいで自分も影響を受ける』←こんなときに、間接受身を使います。
「迷惑受身」とも呼ばれる

「迷惑受身」って言われるものと同じなの?
間接受身は「自分が影響を受けた」ことを表すので、結果的に迷惑の意味になることが多いです。
そのため「迷惑の受身」とも呼ばれます。
迷惑の気持ちを表すので、「〜て困った」「〜て残念だ」のように後ろに感情を表す表現がくるが多いです。
・(私は)同僚に会社を辞められて、残業続きだ。
・(私は)赤ん坊に夜中に泣かれて、寝られなかった。

「残業続き」や「寝られない」も良い話ではないよね
そして迷惑の気持ちを表すので、間接受身の主語は人(有情物)のみです。
迷惑を感じる主体が必要なので、モノを主語にすることはできません。
✅ 田中さんは、隣人に夜中に大騒ぎされたらしい。(主語→田中さん(人))
❌ この靴は、雨に降られて、泥だらけだ。(主語→靴(モノ))
さらに「迷惑」と言っても、迷惑の幅はいろいろです。
- 軽い迷惑
- (私は)隣の人に騒がれて、眠れなかった。
- 重い被害
- 彼は交通事故で息子に死なれて、大きなショックを受けている。
- 迷惑ではない
- 夏の夕暮れ、(私は)風に吹かれながらビールを飲むのが好きだ。


「迷惑受身」とも呼ばれると言いましたが、間接受身文が全て迷惑を表すわけではありません。

迷惑かどうかより「出来事と自分が主観的に結びついている」というのが本質かもしれません✨
他動詞でも自動詞でも作れる
直接受身は他動詞が必要でしたが、間接受身は自動詞も他動詞も使えます。
これは間接受身と直接受身の大きな違いのひとつです。
直接受身についてはこちら↓
直接受身は、直接影響を受けるので、能動文にいた人・モノが主語になります。
先生が私を叱った。 <能動文>
(私は)先生に叱られた。 <直接受身文>
影響を与える対象・受ける対象があるということは、『他動詞』を使う必要があります。
他動詞とはこちら↓
ですが、間接受身の主語は能動文にもともといない人でしたよね。
同僚が会社を辞めた <能動文>
(私は)同僚に会社を辞められた <間接受身文>
だから動詞の種類を選ばず、自動詞からも他動詞からも作れます。
例を見てみましょう!
- 自動詞の例
- 雨が降った。→(私は)雨に降られた。
妻が家出した。→(私は)妻に家出されて、困った。
隣の人が騒いだ。→(私は)隣の人に騒がれて、眠れなかった。

- 他動詞の例
- 隣の席の人が大声で話した。→(私は)隣の席の人に大声で話されて、集中できなかった。
ライバル記者が特ダネを書いた。→(私は)ライバル記者に特ダネを書かれた。


日本人にとっては、間接受身文の方が自由にのびのびと作れるかもしれませんね!?
動作主を表すのは「に」のみ
直接受身では動作主を「に・によって・から」で表すことがありました。
ですが間接受身の動作主は「に」のみです。
✅ (私は)雨に降られた。
❌(私は)雨によって降られた。
受身文の助詞の使い分けについてはこちらにまとめています↓
まとめるとこうです。
| 直接受身 | 間接受身 | |
| 使う動詞 | 他動詞のみ | 他動詞・自動詞 |
| 主語 | 人・モノなど | 有情物(人など)のみ |
| 動作主を表す助詞 | に・から・によって | に |
間接受身と「V-てもらう」
間接受身と「~てもらう」は、意味的に対立する関係です。
次の文を見てみましょう!どんな状況だと思いますか?
- 髪を切られた。
- 髪を切ってもらった。

①は迷惑!とか、勝手にされた!って感じがするかも

②はありがとう!とか、美容師さんにお願いして、って感じかな
同じ「髪を切る」という出来事なのに、『間接受身』か『~てもらう』かで気持ちが真逆になりますね
間接受身は「迷惑・被害」、てもらうは「恩恵・ありがたい」気持ちを表すことができます。

「間接受身」と「~てもらう」はセットで覚えると整理しやすそうですね
教科書から見る「間接受身」
「実際の授業で間接受身がどう出てくるのか?」を知っておくと、教えるときのイメージが湧きやすいです。
学習者にとって間接受身は直接受身より複雑なため、教科書では少し後のレベルで登場することが多いです。
国際交流基金のテキストいろどりでは、初中級の第4課で出てきます。
(いろどりは、入門→初級1→初級2→初中級の順にレベルが上がります)
「アパートやマンションの管理会社から騒音などの苦情を受けたとき、状況を説明しながら対応する」というCan-doの中で扱われます。



使われる場面や状況がとてもわかりやすく、説明も多言語で見られます。
無料で公開されているので、ぜひチェックしてみてください
まとめ
間接受身について説明しました。
| どんな受身? | 直接影響を受けないはずの出来事で間接的に影響を受ける |
| 使う動詞 | 自動詞・他動詞 |
| 意味 | 迷惑の意味になることが多い |
| 動作主の格 | 「に」のみ |
| 主語 | 有情物(人) |
英語などには無い使い方なので、教えるとなるとどう説明していいのか迷うのが間接受身だと思います。
ですが、日本人にとっては実は作りやすい受身かもしれません!
動詞の種類を選ばないので、「〜られた=迷惑!嫌だ!」という気持ちを伝えたいとき、どんな動詞でも受身にできてしまいます。
そして動作主はすべて「~に」で表せばいいのです。
- あいつに先に行かれた!
- (私の気持ちに)勝手に共感されて、勝手に納得されても、全然うれしくない!
- 急に来られても困る!
- そんなところで寝られたら邪魔!

個人的な感想ですが、「なんでもあり感」が間接受身のおもしろいところかもしれません✨
直接受身についてはこちら↓
動詞の受身形の作り方はこちら↓
私もまだまだ勉強中です!よかったら一緒にがんばりましょう。
最後まで読んでくれてありがとうございます!
この記事を書くのに参考にしたもの