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「〜てあげる」「〜てくれる」「〜てもらう」って、似てるけどどう違うかな?
どうやって使い分けてるんだろう。整理したいです!
オンライン日本語教師のちゃそです!
前回の記事では「あげる・くれる・もらう」の本動詞としての使い方を整理しました。
本動詞とは、もの・所有権が移動する話でした。
今回は補助動詞の「〜てあげる・〜てくれる・〜てもらう」を見ていきます。
補助動詞は行為が移動する話です。
つまり、誰かが誰かのために行為をするということを表します。
補助動詞とは、動詞の「て形」の後ろにつなげる形のことです。

本を貸すなら☞「本を貸してあげる」「本を貸してくれる」「本を貸してもらう」のように作るよ
「貸す」という行為は同じでも、後ろにつく動詞によって感謝・恩恵のニュアンスが加わります。
(なぜ使うのかについては後でまとめる予定です)
今回は、そんな補助動詞の「〜てあげる・〜てくれる・〜てもらう」についてみていきましょう!
※「〜てあげる・〜てくれる・〜てもらう」には依頼表現や非恩恵的な用法など、この記事で扱いきれない用法もあります。
別記事で順次解説していく予定です。
「〜てあげる・〜てくれる・〜てもらう」を整理しよう
本動詞と同じく、3つの補助動詞にはそれぞれ方向性があります。
- 〜てあげる:自分(または第三者)が誰かのために行為をする
- 〜てくれる:与え手が自分(+ウチの人)のために行為をする
- 〜てもらう:受け手が主語になり、恩恵を受けたことを表す
「与え手」とは恩恵を渡す人、「受け手」とは恩恵を受け取る人です。
感謝するのは受け取った側の「受け手」です。
くわしくみましょう!
(与え手が)〜てあげる
主語が、誰かのために行為をするときに使います。
※受け手が「私以外」の場合に使います。
私が 田中さんに本を貸してあげました。
田中さんが 李さんを駅まで送ってあげた。
田中さんが 李さんに本を貸してあげた。
(与え手が)〜てくれる
与え手が、自分(またはウチ側の人)のために行為をするときに使います。
田中さんが (私に)本を貸してくれた。
友達が 私の宿題を手伝ってくれました。
田中さんが 私の弟に本を貸してくれた。
「私に」は言わなくてもわかるので、省略されることが多いです。

「~てあげる」との違いは、受け手が自分(ウチ)か、そうでない人かです。


受け手が「私(ウチ)」の場合は「~てくれる」を使えばいいんだね✨
〜てもらう
「~てあげる」「~てくれる」は与え手が主語でした。
「~てもらう」だけは、受け手が主語になります。
言い方がややこしくなりますが、受け手が「恩恵を受けとった/恩恵を受け取る行為をした」ことを表します。
李さんは田中さんに本を貸してもらいました。
(私が)友達に宿題を手伝ってもらった。
(私が)田中さんに駅まで送ってもらった。

受け手のできごと(恩恵を受け取ったこと)を話してるんだね✨
「~てあげる」との違いは、主語が「与え手」なのか、「受け手」なのかです。
つまり、与え手の話をしているのか、受け手の話をしているのかが違います。

「〜てくれる」と「〜てもらう」の違い
「〜てくれる」と「〜てもらう」の、受け手が「自分」の場合について考えます。
同じ出来事で、どちらも自然に使える場面があります。
・近くにいた人が(私に)道を教えてくれた。
・(私が)近くにいた人に 道を教えてもらった。

「道を教えてくれた」「道を教えてもらった」
どっちも話している状況は同じだよね?
では何が違うのでしょうか。
日本語文型辞典によると、
- 相手が自分から進んで行為をした場合は「〜てくれる」を使う
- こちらが頼んだ場合は「〜てもらう」を使う
ことが多いとされています。
例をみてみましょう!
- 「〜てくれる」相手が自分から進んで行為をした
- 道に迷っていたら、親切な人が道を教えてくれた。

- 〜てもらう:頼んで行為をしてもらう場面
- 道がわからなかったので、近くにいた人に道を教えてもらった。

ただしどちらも「多い」という傾向であって、絶対ではありません。
例えば『現代日本語文法②』ではお願いしていない場面でも「〜てもらう」が自然に使える場合があるとあります。
小学校3年生のとき、山本先生に教えてもらった。
なぜここで「もらう」を使うのか、私自身まだ明確な答えにたどり着けていません。
ただ「もらう」は受け手の「受け取った行為」を語る動詞ですよね。
お願いしたかどうかに関わらず、自分が恩恵を受けたことを語るときに使うのだと解釈しました😊
ポイント
〜てくれる:相手が自分から進んで行為をした場面で使われることが多い
〜てもらう:こちらが意志的に事態を引き起こすニュアンスがある。頼んで行為をしてもらう場面で使われることが多い
よくある誤用
ここまで「~てあげる」「~てくれる」「~てもらう」をざっくりとおさえました。
次は、誤用例をみながら、何が違うのか、どうしてダメなのかを考えながら深めていきます!
誤用① 「〜てくれる」をつけない
❓先生はいつも親切に教えます。
先生に感謝を伝えたい場面なのに、「〜てくれる」が抜けてしまっています。
「〜てくれる」がないと、先生が誰のために教えているのかわからず、感謝のニュアンスも伝わりません。

ただ、先生がしていることについて話しているって感じだよね
そうですね!なので、正しくはこうです。
✅先生はいつも親切に教えてくれます。

これなら先生への感謝のニュアンスが伝わるね!
誤用② 受身形を使ってしまう
❓お父さんに車で日光に連れて行かれました。
受身形にすると恩恵の感謝が伝わりません。

迷惑だったって感じがするよね
感謝を表したい場面なら「〜てもらう」を使います。
✅お父さんに車で日光に連れて行ってもらいました。

受身文についてはこちらで詳しく説明しています↓
誤用③ 感謝表現「~てもらってありがとう」?
❓教えてもらってありがとう。
感謝を表す表現が後に続く場合、「〜てもらう」は使えません。
「〜てくれる」を使います。

いけるような気もしないでもないんですが、やっぱりちょっと不自然ですよね
「ありがとう」は相手の行為に対して言うものです。
「〜てくれる」は相手の行為を語る動詞なので感謝の表現と自然に合います。
一方「〜てもらう」は「私が受け取った」という私の行為の話なので、感謝の表現と合わないのだそう。
✅教えてくれてありがとう。

似ているけど、「誰がしたことに感謝するのか」ということだね!
ちなみに、「~てもらう」の敬語「〜ていただく」であれば自然に使えます。
これは、敬語の配慮によって「私が働きかけた」というニュアンスが薄れるためだそうです!
✅教えていただいてありがとうございます。
待遇表現、すごいぞ!
「〜てあげる」の注意点
「〜てあげる」は相手のために行為をするという表現ですが、目上の人に対しての使い方には少し注意が必要です。
①恩着せがましくなる
目上の人や親しくない人に対して「~てあげる」を使うと失礼になることがあります。

「あなたのためにしますよ」と恩を売る感じがするのかも
❓課長、引っ越し手伝ってあげましょうか。

この場合は、申し出る「〜ましょうか」や「お/ご〜する」「〜させていただく」などの謙譲表現を使うといいです。
・手伝いましょうか/お手伝いしましょうか
・お手伝いいたします
・お手伝いさせていただきます

せっかく好意で言っているのに、なんか上から目線に聞こえてしまったらもったいないですよね
②敬語にすればOK!ではない
「~てあげる」にかぎらずですが、日本語は敬語にすればOKではないことが多いです。
「あげる」には敬語の「さしあげる」があります。
敬語ですが、直接使うとこちらも恩着せがましい印象を与えます。
❓先生、この傘、貸してさしあげましょうか。

確かに、なんか偉そうかも・・・
「使ってください/お使いください」とか、恩恵を与えないような表現がいいですよね。
ただし、先生がいない場合など、その場にいない人の話をするときは使えます。
A:あれ?今日は傘持ってきてないの?
B:先生が傘を持ってらっしゃらなかったから、貸してさしあげたんだ。

直接相手に使うのがよくないんだね
まとめ
「〜てあげる・〜てくれる・〜てもらう」は、誰かが誰かのために行為をすることを表す補助動詞です。
この表現を使うことで、誰のための行為かと感謝・恩恵のニュアンスが伝わります。

使い分けに迷ったときは、誰が主語で、受け手が誰かを確認してみてください。
注意点として、「〜てあげる」は目上の人や親しくない人に使うと恩着せがましく聞こえることがあります。
「〜てさしあげる」と敬語にしても同じです。

「〜ましょうか」などの表現を使うといいんだよね
本動詞「あげる・くれる・もらう」についてはこちら↓
私もまだまだ勉強中です!よかったら一緒にがんばりましょう♪
最後まで読んでくれてありがとうございます!
この記事を書くのに参考にしたもの