広告

『友だちに本を貸してあげる』は「友だちに」を使うけど、『友だちを助けてあげる』は「友だちを」で受け手を表すのはどうして?
助詞の使い分け、整理したいです!
オンライン日本語教師のちゃそです!
「あげる・くれる・もらう」授受(じゅじゅ)表現は「~てあげる、~くれる、~てもらう」になると使う助詞が変わります。
今回は授受表現で使う助詞について整理していきます。
①友だちに本を貸してあげた
②友だちを助けてあげた
どちらも「~てあげる」がついた文です。
貸す相手、助ける相手も「友だち」ですが①は「に」②は「を」を使っています。
今回はこのような、受け手(受け取る人)や与え手(与える人)を、どんな助詞で表すのかを説明します。
授受表現の本動詞「あげる・くれる・もらう」についてはこちら↓
授受表現の補助動詞「~てあげる・~てくれる・~てもらう」についてはこちら↓
①物の授受(本動詞)の助詞

「本をあげる」や「飴をもらう」のような、モノのやり取りについての表現をみましょう!
モノのやりとりの場合、「あげる・くれる」「もらう」を本動詞(ほんどうし)と言います。
- 「あげる・くれる」は受け手を表す助詞『に』
- 「もらう」は与え手を表す助詞『に/から』
について見てみましょう!
あげる・くれる→「に」(受け手)
「あげる」「くれる」では、受け手を「に」で表します。

田中さんが
李さんに
本を あげた。
田中さんが
私に
本を くれた。

どっちも受け取る人を「に」で表せるんだね!
もらう→「に」「から」(出どころ)
「もらう」では、与え手(出どころ)を「に」または「から」で表せます。

李さんが
田中さんに
本を もらった。
李さんが
田中さんから
本を もらった。

『もらう』は「に」でも「から」でも使えるんだね✨
まとめると「人にあげる」も「人にもらう」、どちらも格助詞「に」ですが、それそぞれ意味が違います

格助詞「に」は意味が多いんだよね…!
チェックポイント
【本動詞の助詞】
『あげる/くれる』は、受け手を「に」
→「妹にあげる」
『もらう』は、出どころ(与え手)を「に/から」で表す
→「父{に/から}もらう」
補助動詞の助詞(~てあげる・~てくれる/~てもらう)
本動詞は、意味は違うけど、『に』を使っていればなんとかなりましたね!(笑)
動詞につく補助動詞(~てあげる・~てくれる/~てもらう)はそうはいかないのです。
くわしくみましょう!
「〜てもらう」の助詞(出どころ)

基本は「に」
「~てもらう」は本動詞とほぼ変わりません✨
「〜てもらう」では、与え手(出どころ)を「に」で表します。
李さんが 田中さんに 本を貸してもらった。
(私が)友だちに 引越しを手伝ってもらった。
(私が)兄に 駅まで連れて行ってもらった。
「から」が使える場合
「送る」「届ける」「教える」「ほめる」「話しかける」など、何らかの対象の移動を表す動詞がありますよね。
その場合は、「から」も使えます。

(私が)実家の母{に/から}みかんを送ってもらった。
その話は(私が)田中さん{に/から}教えてもらった。

迷ったら、与え手に「に」を使えばいい✨
「〜てあげる・〜てくれる」の助詞

間違いやすいのが、「~てあげる・~てくれる」の助詞です。
ですが、元の動詞の助詞をそのまま使うだけです。
例をみましょう
●「~てあげる」

①(私が)李さんに本を貸す。
→(私が)李さんに本を貸してあげた。
②李さんが 田中さんを手伝った。
→李さんが 田中さんを 手伝ってあげた。
③(私が)弟の宿題を手伝う。
→(私が)弟の宿題を手伝ってあげた。

元の文の動詞に「~てあげる」を付けただけですね!
●「~てくれる」

①先生が 私に 日本語を教えました。
→先生が 私に 日本語を教えてくれました。
②彼が 私を 助ける。
→彼が 私を 助けてくれた。
③田中さんが うちの子と 遊ぶ。
→田中さんが うちの子と 遊んでくれました。
※①②のように受け手が「私」の場合はよく受け手を省略します。

これも、元の文と主語がおなじだから、元の文に「~てくれる」付けるだけ!

だから、「~てあげる・くれる」は受け手を表す助詞も、元の文と同じなんだね!
「のために」「~に代わって」

「<人に>教える」とか、「<人>を助ける」とかの使い方はわかったけど、元の文に「人に」や「人を」みたいな受け手を表す格がない文はどうするのかな?

「踊る・飲む・走る」みたいな、もともと人物を取らない動詞のことだね?
その時は、「〜のために」「〜に代わって」を使います。
(文脈でわかるときは省略されるのが普通です。)

①林くんが、けがをした李さんの代わりに 走った。
→林くんが、けがをした李さんの代わりに 走ってくれた。
②病気で動けない私のために、田中さんが買い物に行った。
→病気で動けない私のために、田中さんが買い物に行ってくれた。
③野原さんが、酒の飲めない李さんに代わってワインを飲む。
→野原さんが、酒の飲めない李さんに代わってワインを飲んであげた。
よくある誤用
「〜てあげる・〜てくれる」は「Aが Bに〜てあげる/〜てくれる」という形で習うことが多いです。
そのため、受益者(受け手)を全部「に」だと思い込んでしまうことがあります。
それで、誤用が生まれやすいです。
でも元の動詞が「の」「を」「と」などを取る場合は、そのまま使うと言いましたよね!

元の文に「~てあげる/~てくれる」がつくだけだよね!
では、誤用例をくわしくみてみましょう!
誤用① 元の動詞が「の」を使う場合

❓彼は彼女にカバンを持ってあげた。
彼女が恩恵を受ける!と考えて「彼女に」としてしまったんですね。
でも元の文は「彼は彼女のカバンを持ってあげた」ですよね。
「~てあげる/くれる」は元の文の助詞そのまま使います。
✅彼は彼女のかばんを持ってあげた。
誤用② 元の動詞が「を」を使う場合

❓李さんが 田中さんに 助けてあげた。
これも、恩恵を受けるのが「田中さん」だから、「田中さん」に「に」を付けてしまったパターンですね。
でも元の文は「田中さんを助けた」ですよね。
✅李さんが 田中さんを 助けてあげた。
誤用③ 元の動詞が「と」を使う場合

❓田中さんが うちの子に 遊んでくれた。
これも「<人>と遊ぶ」と元の文では「と」を使いますよね。
✅田中さんが うちの子と 遊んでくれた。
助詞の間違いは、恩恵を受ける人を全部『に』で表すという誤解から来ていますね。
「~てあげる/くれる」は元の文に付けるだけ、と覚えておくことが重要ですね。
まとめ
授受表現の助詞について説明しました。
授受表現の助詞はこうです。
- あげる・くれるは「に」、もらうは「に・から」
- 〜てもらうは「に」(一部「から」)
- 〜てあげる・〜てくれるは元の動詞が取る助詞
なぜ授受表現の助詞で迷うのか、少し考えてみます。
格助詞「に」には
- 受け手を表す「に」(妹に本をあげる)
- 出どころを表す「に」(父に本をもらう)
など、ほかにも複数の意味があります😦
本動詞の「あげる・くれる」「もらう」はすべて『に』が使えるので、「授受表現の助詞は『に』で統一されている」と思い込みやすいんですよね。

私もそう思っちゃってたかも…💦
そして補助動詞になると、「〜てもらう」は本動詞と同じ『に(/から)』のままでした。

でも、「〜てあげる・くれる」は違いましたね!
「〜てあげる・くれる」は与え手の行為を表す表現です。
元の動詞(教える・助ける・遊ぶなど)にそのまま「〜てあげる/てくれる」をつけるだけ。
だから助詞も元の動詞の格を引き継ぎます。
助詞に迷ったときは、「~てあげる/くれる」は元の文に付けるだけ!と思い出すといいかもしれません。
私もまだまだ勉強中です!よかったら一緒にがんばりましょう♪
最後まで読んでくれてありがとうございます!
この記事を書くのに参考にしたもの