
今後日本国内で働くか海外で働くか悩んでいます。
国内の方が安心できそうだけど、海外にも行ってみたい。
どちらがいいか教えてください!
こんな疑問にこたえます。
本記事の内容
- 国内と海外 日本語教師の仕事の違い
- 国内と海外の長所と短所
本記事の信頼性
- 2012年日本語教師養成講座420時間修了
- 日本語教育能力検定試験 合格
- 現役オンライン日本語教師
- 国内海外で日本語教師の経験あり
2011年に日本語教育能力検定試験に合格し、2012年に養成講座420時間を修了しています。
2012年と2018年に台湾で計2年の日本語教師経験があります。
2017年には大阪で日本語教師をしていました。
2019年5月から中国系のオンライン日本語学校で講師を始めて、現在約1年です。
日本語教師を始める際、日本と海外どちらで働こうか悩みますよね。
国内と海外はそれぞれに良い点と注意すべき点があります。
その条件を踏まえてから勤務先を決めても遅くありません!
それぞれの違いと特徴をお伝えします!
Contents
日本国内と海外の違い
日本で教える場合と海外で教える場合のおおまかな違いをまとめました。
日本国内 | 海外 | |
教師 | 日本語ネイティブ | 日本語ネイティブ+現地人 |
生徒の国籍 | さまざま | 現地の人 |
使う言語 | 日本語 | 日本語+現地の言語 |
勤務先 | 日本語学校 | 塾・学校・日系企業etc |
その他の業務 | 進路指導etc | 現地の教師サポートetc |
日本国内で日本語教師をする特徴
日本国内の日本語学校で勤務する人がほとんどです。
①教師は日本人で資格を持っている人
- 日本語教師養成講座420時間修了
- 日本語教育能力検定試験合格
- 大学で日本語教育を専攻または副専攻
教師は日本語ネイティブの人がほとんどです。
要するに日本人、または日本で生まれ育った人です。
基本的に上記のいずれかの資格を持っている人がほとんどです。
②生徒の国籍はさまざま(アジア多い)
日本国内の日本語学校に通う生徒は以下が多いです。
- 日本で進学したい人
- 留学生
- 結婚などで来た人
- 就職のため
日本語学校で勉強している人の多くは高校卒業以上の大人です。
国籍は様々ですが、アジア系が多いです。
③使う言語(英語は不要)
授業中は日本語で話します。
授業は「直接法」という日本語で日本語を教える方法です。
生徒はいろんな国から来ているので、日本語が共通語になりますね!
よく「英語必要ですか?」と聞かれますが、アジア系の学生が多いです。
日本人のように英語ができない人ももちろんいます。
ですので基本は、日本語を使って日本語を教えます。
④勤務地・時間
- 勤務地:国内の日本語学校
- 勤務時間:平日の朝~夕方
- クラス形態:グループレッスン
教える場所は日本国内の日本語学校です。
日本語学校は基本朝から夕方まで、通常の学校と同じです。
夜間クラスをしている学校もあります。
授業は基本的にグループレッスンで、約5~20人を一緒に教えます。
⑤仕事内容
- 日本語を教える
- 進路指導
国内の日本語教師は、日本語を教えるだけでは終わりません。
大学や専門学校に進学する生徒が多いので、進路指導が必要になります。
願書や必要書類を集めるサポートや面接指導なども教師が手伝う場合があります。
ただし、常勤と非常勤では仕事の内容が変わります。
非常勤の先生は授業に関することのみでOKという学校もあります。
海外で日本語教師をする特徴
まず、基本はアジア圏での勤務です!
ヨーロッパや欧米での求人もありますが、結構限られています。
①教師は日本人と現地人(無資格OK?!)
海外の学校では、日本より資格の基準が低い場合があります。
- 420時間修了よりも4大卒
- ネイティブであれば無資格でOK
就労ビザの関係で、大卒でないとビザが発給されない場合があります。
4年制の大学を卒業していることが条件とされることも多いです。
なので、高卒の有資格者より大卒の無資格者の方が優先されやすいです。
また、日本語ネイティブであれば無資格でもOK!というところも結構あります。
海外では日本人の教師と現地の教師が協力してクラスを受け持ちます。
一緒に授業をするのではなく、週の半分は日本人、残りは現地の教師という感じです。
ただ、現地の教師レベルはかなり差があります。
N1レベルで問題なく会話し教えられる人もいれば、教えるにはほど遠く日常会話すら危ういレベルの人も。
②生徒は現地の人
海外で学ぶ生徒の目的は様々です。
- 趣味で勉強
- 転職のため
- 大学試験のため
- 親の教育方針
海外では国によって学習者の目的が違います。
ベトナムなど東南アジアでは日本で技能研修生になるために勉強している人も多いです。
中国や韓国ではビジネスで使う人から趣味の人まで様々です。
台湾やシンガポールは、日本でも子どもが英語を習うように幼少期から日本語を勉強させる親も多いです。
また中国では日本でいうセンター試験の科目に日本語を選択できるので、高校生の学習者も多いです。
英語が苦手で日本語を選ぶ学生も多いんだとか。
③使う言語
- 日本人教師:日本語
- 現地人教師:現地の言語
日本人教師は基本は日本語で授業をします。
ただ学校によってルールが異なります。
日本人教師は現地語使用禁止のこともあるし、初級クラスで「読みましょう」など簡単な指示を現地語を使う学校もあります。
日本語教師は現地の言葉が出来なくても、仕事には問題ありません。
ただ、出来るにこしたことはないです。
現地人教師の授業は間接法という現地の言葉を使って日本語を教えています。
週の半分は現地の先生が授業をし、残り半分は日本人教師と分けていることが多いです。
④勤務地・時間
- 勤務地:日本語学習塾 現地の小中高等学校、幼稚園など
- 勤務時間:早朝または午後~23時ぐらいまで 週末勤務あり
- グループレッスン プライベートレッスン
教える場所は、海外の日本語学習塾が主です。
日本でいう英会話スクールのようなところです。
東南アジアでは技能研修生送り出し専門の学校も多くあります。
また、語学塾だけではなく、現地の小中高等学校に派遣される場合もあります。
日系企業に派遣されそこで授業を行うこともよくあります。
アジア圏では幼稚園での幼児日本語教育の仕事もあります。
学習塾は社会人が仕事後に通うので、授業は午後から夜遅くまであります。
また社会人や学生が通いやすい週末にも授業があります。
韓国では、出勤前の早朝時間に授業があります。
基本的に昼間が自由時間で、早朝と夕方からの授業が多いです。
レッスンはグループレッスンやプライベートレッスンも多いです。
子どもなら兄弟で一緒にレッスンを受けることもあります。
⑤仕事内容
日本語を教えること+現地の先生のサポート
基本的には日本語を教えることに集中できます。
進路相談をされ情報を提供することはあっても、現地スタッフが担当することが多いです。
また、現地の先生の日本語レベルが危うい場合は指導やサポートをすることもあります。
国内で日本語を教える長所と短所
国内で日本語を教える際のメリットとデメリットについて説明します!
日本国内で働くメリット
- 日本国内で働ける
- 各国で教えられる技術が身に着く
- 勤務時間が朝~夕方
- 経験が評価されやすい
日本で働くメリットは、日本国内に住めるということです。
何を言っているんだ?と思うかもしれませんね(笑)
日本語教師は海外で働く場合、日本では考えられない環境に置かれる場合があります。
住み慣れた日本を離れずして異文化交流を行えます!
また、色んな国の学生がいるので、どの国の学生にも教えられる教授法が身に付きます。
そのため転職する際も日本語教師としての経験が評価されやすいです。
また、国内の日本語学校は朝~夕方まで勤務のところが多いです。
友人との予定も合わせやすいですよね。
日本国内で働く際の注意点
- 非常勤講師からスタート
- 日本語を教える以外の業務がある
日本語教師は、すぐに専任で雇ってもらえることは少ないです。
まずは非常勤からスタートする人も多く、生活のため色んな学校を掛け持ちしたり、別のアルバイトをする人も多いです。
教師の仕事だけで生計を立てられるまでは数年かかる可能性もあります。
また、生徒は留学生です。
海外で生活しているわけですからトラブルがあった場合サポートする必要が出てくるかもしれません。
進路指導や面接練習など、日本語を教える以外にも仕事があります。
ただ、こういった面も楽しめる人にはとても良いかもしれません!
海外で日本語を教える長所と短所
海外で働くメリット
- 海外で生活が出来る
- 仕事しながら現地の文化や言語も勉強できる
- 授業以外の仕事が少ない
- その国の人に特化した教え方が身に付く
- 現地語が理解できる場合、教えやすい
海外で教える場合、求人さえあれば好きな国で仕事ができます。
生活しながらその国の文化に触れることもできるし、言語を勉強することもできます。
また、その国の人が間違いやすい部分や教え方のコツが身につきます。
ずっと同じ国で働く場合、このスキルは重宝されます!
また日本の学校のように進路指導などの仕事はあまりありません。
授業にだけ集中することができます。
また現地語が出来る場合、学生のわからないところを説明できるので教えやすいです。
海外で働く際の注意点
- 給料は現地の人と変わらない
- 海外生活でのストレス
- 体調面の不安
- 勤務時間
- 他の国の人には教えにくい
まず1番の問題は給与面です。
求人では「現地の大卒程度」だとかいてあることがほとんどです。
すなはち「生活はできるが遊ぶにはちょっと」という価格です。
また海外の教師はずっと「外国人教師」の立場なので、数年働いて給料が上がることもあまり期待できません。
また、海外の環境が合わない場合もあります。
食事や衛生面など日本では当たり前のことが海外ではできないことも多くあります。
普段は許容できる文化の違いも、仕事で疲れがたまっている時には受け入れられないこともあります。
また、日本語教師の仕事に終われてしまうと現地の言葉を勉強する時間がありません。
仕事中は日本語を使うので、自然に外国語が身に付くということはありません。
そして体調を崩した時、その国の医療に合うかどうかも心配です。
また勤務時間は早朝や夕方から夜遅くのことが多いです。
会社や学校が終わった後から授業が始まるのでどうしてもこのような時間になります。
また週末も授業がある場合が多いです。
早朝も夜も授業がある場合は昼間の空いた時間に休みを取ったりすることが多いです。
気をつけないと生活が不規則になり、体調を崩しやすいくなります。
また、一つの国で教えるということは、身に付けたスキルがその国以外では通用しない可能性があります。
中国や台湾では漢字指導は日本との違いを示す程度でOKだったりします。
また韓国語と日本語の文法は似ているので、それに慣れてしまうと別の国で対応することが困難になります。
将来的に国内や別の国で教師を目指すのであれば色々な教え方を調べておいたほうがいいです。
まとめ:結局国内海外どちらに就職すべきなの?
- 行きたい国が決まっているなら海外
- ひとまず日本語教師の経験を積みたいなら国内
国内外どちらにも良い面と注意すべき面があります。
行きたい国が決まっていて、その国に長く居たいなら海外の求人を探すといいと思います。
ただなんとなくどちらにしようか悩んでいるのであれば、国内で経験を積んでから海外へ出るのもおすすめです。
また20代で海外に出たいからという理由なら、日本語教師でなくてもワーキングホリデーという手もあります。
ワーキングホリデーで海外生活と勉強をしながら、アルバイトで日本語教師をすることもできます。
海外では常勤講師より非常勤講師の方が時給が高い場合が多いです。
ビザ発給費用や保険など引かれるものがないからです。
結論:国内外どちらにも優秀な先生はいます!
自分のライフスタイルや人生設計に合った方を選んで、悔いのない教師生活を送れるといいですね!