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「先生、レポートを見ていただけませんか」「先生、レポートを見てくださいませんか」
どっちも丁寧な依頼だと思うんですけど…使い分けってあるんですか?
オンライン日本語教師のちゃそです!
「てくださいませんか」と「ていただけませんか」、どちらも丁寧な依頼の表現として出てきますよね。
意味も用法もほぼ同じように見えるので、学習者からこの2つの違いを聞かれて困ってしまったことがあります。

「~ていただけませんか」の方が丁寧って聞いたけど、その理由は何なんだろう?

どっちも丁寧に感じるから、どちらが丁寧かと言われても実はよくわからないかも💦
ちこの2つの違いを理解するには、「〜てあげる・〜てくれる・〜てもらう」の知識が役に立ちます。
今回は、依頼の場面でこの2つがどう違うのかを整理していきます!
授受表現の基礎についてはこちら↓
形の確認
まずは、「~てくださいませんか」と「~ていただけませんか」の形をざっくり確認しましょう!
- てくださいませんか:「くれる」の尊敬語「くださる」の否定疑問形
- ていただけませんか:「もらう」の謙譲語「いただく」の可能形「いただける」の否定疑問形

そもそも「くださる」は尊敬語、「いただく」は謙譲語と言う違いがあるのか!
もう少し順を追って見てみましょう。
~てくださいませんか:くれる → くださる(敬語)→ くださいませんか(〜ませんかの形)
~ていただけませんか:もらう → いただく(敬語)→ いただける(可能形)→ いただけませんか(〜ませんかの形)
「いただける」は「もらえる」の敬語ですよね。可能形です。
つまり「ていただけませんか」は「してもらうことができますか」という可能の意味を内側に持っています。

「~ていただけませんか?」は、可能形を使ってるんだね
ポイント
✔「くださる」は尊敬語 「いただく」は謙譲語
✔「~ていただけませんか?」は「可能形+ませんか?」の形
「聞いていること」が違う
「~てくださいませんか」と「~ていただけませんか」の違いの前に
「くれる」と「もらう」の主語の違いを確認しておきましょう。

- くれる:与える人が主語。
- もらう:受け取る人が主語。
「くれる」は与え手が主語の文です。
「田中さんが私にチョコをくれた」は、 「田中さん」がすることの話をしています。
「もらう」は受け手が主語の文です。
「私が田中さんにチョコをもらった」は「私がチョコを受け取る」という「私」がすることの話をしています。

「くれる」は田中さんの行為、「もらう」は私の行為について話しているんだね✨
この違いが、依頼表現でも「相手に何を聞いているか」の違いとして現れます!

『~てくださいませんか』(くれる系)は、与える側の、相手が主語です。
「あなたがやってくれますか」と相手の意志を直接たずねる形です。
先生、レポートを見てくださいませんか。
≪先生、(先生が)(私の)レポートを見てくれますか?≫
『~ていただけませんか』(もらう系)は、受け取る側である自分が主語です。
「私がしてもらえるかどうか」と自分が恩恵を受けられるかどうかの可能性をたずねる形です。
先生、レポートを見ていただけませんか。 (先生、レポートを見てもらえませんか。)
≪先生、(私が)(先生に)レポートを見てもらうことができますか。≫
どちらの依頼文も、表面上は主語が出てきません。
日本語は文脈から明らかなことは言わない言語なので、「先生が」「私が」を言いいません。
この場面では、直接目の前の相手にお願いしているので、言わなくても伝わるからです。

だから、見た目には同じような表現に見えてしまうんだね
でも文の中には「誰が主役か」という視点が、ちゃんとあります。
そのまま依頼表現にも引き継がれています。
チェックポイント
『~てくださいませんか(~てくれますか)』は、相手が「~してくれる」かどうかの意志を直接たずねる
『~ていただけませんか(~てもらえますか)』は、自分が恩恵を受けられるかどうかの可能性をたずねる
なぜ「~ていただけませんか」の方が丁寧なのか
「~ていただけませんか(もらう系)」の依頼表現がより丁寧に感じられる理由は、聞き方が間接的かどうかです。
「てくださいませんか」は、相手に直接「やってくれますか」と意志を確認する形です。
一方「ていただけませんか」は、「私がしてもらうことができるかどうか」と、自分側の可能性としてたずねる形になっています。

相手に直接「やってくれますか」と意志を聞くのではなく、「私がしてもらえるかどうか」という自分側の話として聞く形ですね!
相手のことではなく、自分のことについて聞くので、間接的な聞き方になり、丁寧に感じる
ということだそうです☝
確かに「あなた、私のためにやる?できる?」ってダイレクトに聞かれるより、「私、あなたから受け取るチャンスある?」って聞かれた方が柔らかい感じはしますね!笑

日本人らしい気遣いなのかもしれないね
まとめ
「~てくださいませんか」と「~てくださいませんか」の違いについて説明しました。
どちらも丁寧な依頼表現ですが、「ていただけませんか」の方が間接的な分、丁寧度が高くなります。
| 依頼表現 | 主語 | 聞いていること | |
| ~てくださいませんか | くれる(くださる) | 相手 | 相手の意志 |
| ~ていただけませんか | もらう(いただく)の可能形 | 自分 | 自分が受けられるかどうか |
「くれる系は相手が主語、もらう系は自分が主語」という視点を伝えると、〜てくれる・〜てもらうの知識とつながって理解しやすくなるかなと思います!
あげる・くれる・もらうについてはこちら↓
~てあげる・~てくれる・~てもらうの補助動詞の使い方についていはこちら↓
授受表現の助詞についてはこちら↓
私もまだまだ勉強中です!よかったら一緒にがんばりましょう♪
最後まで読んでくれてありがとうございます!
この記事を書くのに参考にしたもの